「還城楽 GEN JYO RAKU」観覧記 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

本日、知人が声をかけてくれて「還城楽 GEN JYO RAKU 」というものを観た。

これは、ビル・ラズウェルとDJ Kruashと雅楽道友会のコラボレーション・ライブである。

「還城楽(げんじょうらく)」というのは、雅楽の楽曲名らしい。


ビル・ラズウェル はベーシストだが、私には著名なプロデューサーのイメージの方がはるかに強い。

学生時代に友人がかつて六本木にあったハイセンスなレコード屋さんでバイトしていて、「スライ&ロビーのこのアルバム、凄いから聴いてみ!」と聴かされたアルバムや、同じくその友が当時崇拝していた坂本龍一の『Neo Geo』というアルバムのプロデューサーにビル・ラズウェルの名があった。

あと、ミック・ジャガーの最初のソロ・アルバムもこの人がプロデュースしたはず。

なので、私はビル・ラズウェルを生で見聞きするのは滅多にないかも?と思い、寒い中を出かけた次第。

でも基本的にはこの方、難しいこと、新しいことを次々に行なう実験派で天才で変態(苦笑)。

なので、正直よく解らない部分も多い。


DJクラッシュ は文字通り、クラブ・カルチャーのDJで、ターンテーブルを回したり、リミキシングなどを行なう方。

しかし私は今イチ、DJの凄さというのがよく解らない…。


雅楽道友会 は、雅楽の普及を目指す演奏団体。

雅楽も私は解らない…。


と、まあ、解らないことがまとまって目の前のステージで行なわれたのです。(笑)

会場は世田谷パブリックシアターというとてもデザインにお金をかけたような洒落たホール。

やはりよく解らないのか客入りは半分くらいか?

招待の声がかかった理由を悲しいかな実感。

演奏曲もプログラムに書かれているも、どこが正式な終わりか観客は誰もいないのか、拍手をするタイミングが演奏全体の後半にならないと起きないほど。

でも、凄い組み合わせだというのは判る。

やはり、ビル・ラズウェルは実験的で変態なベースプレイを披露。

DJクラッシュは、昔のシンセサイザー奏者のようにデカいテーブルの上になんだか沢山の機材を置いて、色々とやっていた。

雅楽道友会が演奏する、「雅楽」の演奏も舞いも解るようでやはりよくは解らない。

でも雅楽の合奏の響きというのは面白いもので、聴く側の内面に凛とする感じを与える。

という楽器があって、昔は古来のシンセサイザーみたいだ、と思ったが初めて聴くとバグパイプやパイプオルガンのような音だった。

やはりあのパイプが突き出てるのが共通しているのだろう。


初めて観るもの、実験的内容は、解らなくて当然。

でも睡魔に襲われることもなく最後まで見れた。

こういうのって「なんでこんなことしようと思ったんだろう?」とか「こういう発想をどうすれば思いつくんだろう?」という視点で自分の中で考えることを楽しむといいんですよ。

ジャズトランペッターの日野皓正さんが、絵も描いていてやはり前衛的な絵もあって、「絵なんて、とりあえず紙に点をちょんと書いて、今度はそれをどう繋げようかって考えて、別なとこに点打ったり、線で引っ張ってみたりとか、色を変えてみるとか、それで自由にやってると、いつか絵になるんですよ!」って言っていたことから、私は「そうか!とりあえずその発想を勝手に自分の中で妄想してストーリーというか、こんなイメージなんだぜ、きっと!」などと自分なりに楽しむというか遊ぶというか、そんな風に難解な芸術などは接するようにしています。


それにしても、あの会場、お金かけてる割には椅子のクッション性はかなり悪く、昔の映画館でケツが痛くなる椅子のようだった…。