“伊勢正三「風」ひとり旅コンサート2010 in TOKYO 1st”鑑賞記 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

今年の1月に元かぐや姫の南こうせつ氏のコンサートへ初めて行ったことを書きました。

そして本日は、そのかぐや姫に在籍し、その後「風」というグループを結成した、伊勢正三のライヴへ行ってきました。

このチケットを取ったときのことも以前のブログで書きました。

その時にコメントいただいたkameさんにお応えして、ざっとレポートしたいと思います。



今回は「風」時代のレパートリーで構成した、アコースティック・コンサートとの事。

これは、本来は相棒だったクボヤンこと大久保一久氏と「風」再結成を行なう予定だったようだが、クボヤンが病で倒れ、しかも命にかかわる重病だったらしい。

現在もリハビリ生活の真っ只中で復帰には時間がかかると思われる。

そんな中での、正ヤンひとりが「風」の曲を歌うことで、ファンとクボヤンの気持ちを代弁する行脚のような企画らしい。

2007年に一度伊勢正三ライヴへ行った。

その時、客席にいた大久保一久を呼び出し、ステージ上に上げて、2曲ほど「風」再結成を目撃した。

(もっと言えば昔、伊勢正三がソロになって初めての武道館公演のアンコールにも登場して早くも「風」再結成の瞬間というのも見たが。<笑>)

あれがきっかけで風再結成になるはずだった…。



本日の会場は東京国際フォーラムC。

「A」と違って手ごろなキャパシティがうれしい。

場内へ入ると、ステージに白い薄い布が張ってあり、緞帳が下りているかのように、ステージと客席を遮断してある。

席は前から2番目!期待しながら開演を待っていると、ファンクラブやコンサートで知り合ったコアな感じのファンの同士が、挨拶回りをしていて、私の周囲で「あら、元気ーッ?!」、「ひょっとしてこちらが○○さん?いつもネットでは良く伺ってます~!」、「お饅頭いかが?」、「あれ、お前来てたのかぁ~!」などの会話が飛び交う。(笑)


開演時間をちょっと過ぎたあたりで場内が暗くなる。

目の前の白い布に昔の「kaze」のロゴが映し出された!

その後、風のアルバムのジャケット写真や二人の写真~伊勢正三ソロの写真~風景~誰も一人いなく楽器だけがあるステージ写真でその流れが止まる。

布がスルスルと上へ上がり、正ヤンと二人のサポートギタリスト。

正ヤンはギブソンのJ-45だかJ-50だかを抱えてスタンディングでスタンバイ。

1曲目が始まった!

「地平線の見える街」からスタート。

この曲からというのはちょっと意外だった。

そして「暦の上では」と2曲を歌いMC。

挨拶とメンバー紹介。

下手が西海孝氏で、上手が岩井眞一氏。

この3人でアコースティック・ギターとコーラスで進行するようだ。

(しかし、岩井氏は半分くらいしか出番無かったし、殆どエレキギターを弾いていたのだが。。。)

ギターを取替え(カスタムメイド?)、座って、次の曲の準備。

3曲目は「あの歌はもう歌わないのですか」!

来たー!!個人的には初期の風のナンバーでは相当好きでした!

あぁ、中坊の頃の自分を思い出す・・・。

ギターをマーチンD-45に持ち替えて、4曲目は「あいつ」。

この時点でもう岩井氏は舞台上にいない。

そして、「星空」、「海岸通」まで、立て続けに披露。

ここでMC。

コンサート・タイトルの話で、何故「1st」なのかなどの話をし、「東京も長くなって・・・」とつぶやいた直後に「冬京」!

これは私のフェイバリット・アルバム「海風」(4thアルバム)の中の名曲!

いや~、ジンと来ましたし、「海風」からグッとアコースティックギターのリフやソロがかっこ良くなった時代の曲で、あの頃を思い出します。

ギターソロなども「伊勢正三」っぽい(って当たり前ですが)鳴りで響き、何とも言えない高揚感に包まれました。

再びMCで、今度もコンサート・タイトルで【「風」ひとり旅】がきちんと伝わっていないようで、雰囲気的に伊勢正三が生ギター片手にブラッとツアーして回る主旨と思われていて、地方に行った際にラジオにも出て、せっかくだからリクエストで一番人気の曲を歌うとなり、1位が「なごり雪」だった…という話を披露。

そして、「風」のことなので久保ヤンの現状報告もあり、クボヤンの曲を正ヤンが歌うという、ちょっとレアなコーナーに。

正ヤンの選んだ久保ヤンのナンバーは「小さな手」でした。

続いて「アフタヌーン通り25」。

この後、最初に弾いていたギブソンに持ち替え、10曲目に「時の流れ」。

昔のカントリー的なアレンジから、ロックやクロスオーバー的なテンションのある演奏にアレンジされていた。

ここでまたMC。

「風」結成のエピソードなど語る。

かぐや姫解散後の予定の無い正ヤンと「猫」解散後に予定の無いクボヤン。

「じゃ、一緒にやろっか?」的な結成だったそうだ。

また、昔の自分の曲を紐解くと新鮮さや再発見もあり、自分が昔に書いた曲とは思えないという曲もあり、そんな1曲ということで「男は明日はくためだけの靴を磨く」を演奏。

12曲目に「月が射す夜」を3人で披露。

風のオリジナルとして最後のアルバムになった「Moony Night」のオープニング・ナンバー。

後期のサウンド志向の曲をギターだけでやっているのだが、違和感の無い演奏にビックリ。

MCを挟み、マーチンD45を抱え「北国列車」。

これも初期のマイナーコード系の名曲だ。

歌い終えると、この曲を作ったエピソードを話しだし、昔ツアーで気仙沼の方へ行った時の旅の記憶が残っていて作ったそうだ。

その後、英会話とも駄洒落とも付かない英語話(「(乗り物などを)降ります」=「I get off」=「アゲドーフ」と覚えるなどの類<苦笑>)や、海外だと「ボクはお酒を売ってもらえたけど久保ヤンは売ってもらえなかった。イルカに至ってはハワイでも売ってもらえなかった!」という話を一通り終え、ギブソンを抱え、ブルースハープをフォルダでセットし、「はずれくじ」を演奏。

続いて、カスタムギターに持ち替えると日本のフォーク史に残る有名なスリーフィンガーが奏でられた!

そしてギターソロ!!

ん?

…誰も拍手しない…。

名曲「22才の別れ」が演奏されても、拍手がないのだ…。

何故??

伊勢正三ファンともなると、もう有名すぎる曲で、ことあるごとに演奏されるので、飽きたのでしょうか?

かなりビックリしました。

そんな事を思ってると、ステージ上でも淡々とギブソンに持ち替え「通り雨」を演奏された。

マイナーコードでアップテンポのナンバーがカッコいい!!

正ヤンもおそらく自分の中で盛り上がるのだろう。

ギターを弾く時の表情や構えに気合が入っている!

この曲を演奏し終えると同時に拳を突き上げた。

どんどん、本人も客席もテンションが上がってきているのを感じ取れる。

そしてここで「ほおづえをつく女」が演奏された!

思わず「フーッ!」と声が出る私。

すると私の斜め後ろの女性も同様に「フーッ!」と。(笑)

この曲は、フォークからロック/クロスオーバー系のサウンドに移行する時のシングル・ヒットだった!

演奏後にMCで改めてファンに御礼を言い、「“出来ればあの頃の声で歌ってください。”というリクエストもありますが」と自ら言う。(笑)

そうなんです。

伊勢正三氏はある時から、ちょっと音程がずれて、声の出が悪くなり、なんか粘着質な発音で、歌うようになってしまいました。

それが、本当に残念なのですが、やはり誰も思っていて、本人もそれを知っていたんですね。

MCはまだ続き、もっと一生懸命にやっていこうとは思うけど「自分は盛り上げるのは巧くないし、“Yeah!”とか言うと似合わないでしょ?」と言うと、客席から「頑張れ!」「やれー!」と声が。

「Yeah!って言っていい?」、「やってもいい?」と2度も場内に確認を取ってから「Yeahhhhh!」と叫んだ!

その声は意外にも大きく響き渡る叫びで、客席からもすぐに「Yeah!」と帰ってきた。

嬉しそうな顔で、「ありがとう。最後の曲は、この曲もみんなと一緒に青春を歩いたんだと思います。」と言うや、クロージング・ナンバーに「君と歩いた青春」をD-45を弾きながら歌った。



鳴り止まない大きなアンコールの手拍子が鳴り響く。

アウターだけ着替えた正ヤンがサポートの2名と共に再びステージへ。

演奏されたのは、「ささやかなこの人生」!

ここで、それまで座りっぱなしだった客席が総立ち&総手拍子で応える!

本日初お目見えのカスタムメイドと思われる(でもヤマハ製か?)ギターをかき鳴らし歌う。

しかし、客席の声の方が大きいくらいで、正ヤンもそれを思ったのか途中で歌いながら吹き出しそうに。

もう、ここで盛り上がりはマックス!!!

再びギブソンに持ち替え、自身の足元のモニタースピーカーに足をかけ、息を凝らし、次の曲のタイミングを図る正ヤン。

オレの勘では、大好きなあの曲が来そうだが。

ギターの6弦5弦がミュートされながらもスラッピング音で叩かれ鳴り出した。

来たーッ!!!!

「海風」だ!!!!!

先述の風の4枚目のアルバム・タイトル・チューンであり、オープニングに持ってこられたナンバー。

カッコいい!

やっぱ、この曲はカッコ良すぎる!!

そして、もう一度お礼とメンバーを紹介し、マーチンD-45に持ち替え「お前だけが」を披露。



舞台袖に消えた3人。

しかし、まだアンコールの拍手な止まない!

しばらくすると正ヤンひとりだけが登場。

心の底から感謝しているような表情をしている。

ギブソンを抱え、ひとりっきりで演奏を始める。

2度目のアンコールは「終わりのない唄」でした。



正ヤンが舞台袖に消えると同時に、場内に音楽が流れ電気が点き、これ以上のアンコールを阻止するように思え嫌だったが、「風」好きには充分の内容のコンサートでした。

でも「そんな暮らしの中で」をやらなかったのは意外だったなぁ。

伊勢正三のギターのリフとソロ。

独特の正ヤン節とも言える、あの音色は今もカッコいい!

今後も頑張って欲しい。

そして、もう一人の風である大久保一久氏の復帰を心から願っています!!



なお、伊勢正三としてのライブは8月に東京であるようです。

kameさん、今回チケットを取れなかったそうですが、主催のキョードー東京では今ならまだ主催者先行予約(プレオーダー)中だそうです。

今回のチケットですが私はこのシステムで取りました。

興味のある方よければ5月24日(月)まで受付中とのこと。

こちらまで。

  ↓

キョードー東京チケットオンライン



一般に発売されるのは6月5日(土)からとのです。


【追記】

「伊勢正三 Complete Best LIVE 2013 in 冬京」へ行ってきました!

よろしければどうぞ!!