クリスマスの直前に叔母と言って過言でない方がこの世を去った。
Yさんと言うその人は、叔母の家に住み込みで働いて、私が物心ついた時には、親戚同様で、そこには叔母が二人いたという感じであった。
Yおばちゃんは、もう何年か前に老人ホームに入居した。
93歳の完全なる老衰で去られたのだが、正直言うと「老“衰”」とは違う気がする。
なぜなら、当日の朝は歯医者に行って、戻ってきて何人かと話をして、自分の部屋に戻り、しばらくして職員が様子を見に行ったら、息を引き取っていたと言う。
老いたが衰弱してるとは思えない。
何も苦しまないまま、眠ってしまったら、そのまま天に行ってしまったようだ。
本当なら、理想的な死に方だ。
Yおばちゃんは強い人だった。
だから、絶対に100歳まで生きると思っていた。
強すぎて、問題を引き起こしたこともあったようだが…。(笑)
でも、私は他の親戚のおばさんと遜色ない感じで接してこれた。
自分が大人になった今、彼女が私に接してくれたその仕方に感謝している。
それは間違いなく「愛情」であった。
近くにずっといた私のいとこなどは、彼女のことを時に煙たがっていたようだが、それはずっと近くにいたからだろう。
彼女と最後に交わした言葉を覚えている。
老人ホームに入ってから、まだ一度も行ったことがなかったので、家族で行ったときのこと。
帰り際に私が「また来ますね。」と多少社交辞令的に言ったら、「こんなとこ、もう来んでいいよ!」とキッパリと言い返してきたのだ。
しかし、それが本当になってしまったのが悔やまれる。
せめて、Yおばちゃんに「今までありがとうございまいした!」と言いたい。