"Iron Crows" (2009) | Something Wonderfulな日には

 

バングラディシュの港湾都市チッタゴン。

「船の墓場」と呼ばれる世界最大の船舶解体場。

浅瀬に係留させ潮が引いて座礁した船から

重機も使わず溶断しワイヤーで引き剥がした

分厚く巨大な鉄板を

大勢の人の力で浜へ運んでいく様は

荒業すぎて息を呑みました。

 

年明けに呉で大和の部品を見た時

こんな巨大な塊を人は作れるのかと驚いたんですが

ここでは人はこんな巨大なものをバラバラに出来るのかと

逆の驚きがありました。

 

解体シーンに惹かれて観始めたものの

進んでいくと、この事業が成り立っているのは

安全面での規制がゆるく人件費が安い

国だからという一面を知り

搾取され有害物質にまみれて

働いている人たちの暮らしを見て

多くが日本製の船だと聞くと

すごいだなどといってられない複雑な気分になりました。

 

「教育を受けていれば違う人生を送れたはずだ」という

熟練工の言葉は

当たり前のように教育を受けることが出来ている

自分達の境遇は決して当たり前じゃないことを

突きつけてきました。

 

https://asiandocs.co.jp/set/331/con/326