バングラディシュの港湾都市チッタゴン。
「船の墓場」と呼ばれる世界最大の船舶解体場。
浅瀬に係留させ潮が引いて座礁した船から
重機も使わず溶断しワイヤーで引き剥がした
分厚く巨大な鉄板を
大勢の人の力で浜へ運んでいく様は
荒業すぎて息を呑みました。
年明けに呉で大和の部品を見た時
こんな巨大な塊を人は作れるのかと驚いたんですが
ここでは人はこんな巨大なものをバラバラに出来るのかと
逆の驚きがありました。
解体シーンに惹かれて観始めたものの
進んでいくと、この事業が成り立っているのは
安全面での規制がゆるく人件費が安い
国だからという一面を知り
搾取され有害物質にまみれて
働いている人たちの暮らしを見て
多くが日本製の船だと聞くと
すごいだなどといってられない複雑な気分になりました。
「教育を受けていれば違う人生を送れたはずだ」という
熟練工の言葉は
当たり前のように教育を受けることが出来ている
自分達の境遇は決して当たり前じゃないことを
突きつけてきました。