D.カーネマン博士とA.トヴェルスキー博士が提唱した行動経済学の理論「プロスペクト理論」では、フレーミング効果の発生について次のように説明しています。
認知バイアスの一種であるフレーミング効果とは「同じ情報でも言い方を変えることで異なる印象を与える」という考え方です。
すなわち、人間の価値の感じ方には偏りがあります。
A:利益が出ているとき:確実性を好み、損失を避ける傾向がある
B:損失が出ているとき:リスクを負ってでも利益を求める傾向がある
利益と損失のどちらを強調するかで、人間が損得を感じる参照点が移動すると考えました。
また、参照点が移動すると、価値の感じ方が変わります。
【100点満点のテストで90点とった場合】
A:利益を強調:参照点を50点にして考える
→40点分の利得を感じる
「90点もとれた!」と感じる
損失を強調:参照点を100点にして考える
→10点分の損失を感じる
「90点しかとれなかった…」と感じる
自信を失っている人のモチベーションを上げるためには、利益を強調するというアプローチは有効かもしれません。