帰無仮説(null hypothesis)は、統計学でよく使われる概念の一つです。実験や観察において、ある現象や関係が起きていないと仮定することを指します。
例えば、ある新しい薬の効果を調べるために、
・薬を服用するグループ
・偽薬を服用するグループ
を比較する実験を行ったとします。
この場合、帰無仮説は「薬の服用と偽薬の服用の間に効果の差はない」という仮定です。
帰無仮説は、通常「H₀」と表記され、反対に対立仮説は「H₁」と表記されます。
帰無仮説は、実験や観察データをもとに検証され、結果によって採択または棄却されます。
実験結果やデータの分析を通じて、帰無仮説が棄却される場合、つまり結果が帰無仮説とは異なる有意な差異を示す場合、対立仮説が支持されます。一方、帰無仮説が採択される場合、結果が帰無仮説と一致し、有意な差異が見られないことを示します。
帰無仮説は科学的な研究や統計的な推論において重要な役割を果たします。実験や調査において、予測を検証するために帰無仮説が設定され、結果に基づいて仮説が確かめられるのです。