若手の仕事観を伝えていくとき「プロティアン・キャリア」という考え方があります。
特にシニアの方々に向けて、この考え方は新しい提案として受け入れられるのではないでしょうか。
「プロティアン・キャリアとは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のこと」をいいます。アメリカの心理学者ダグラス・ホール博士によって提唱されたキャリア理論です。
「プロティアン(Protean)すなわち変幻自在なキャリア形成とは、役職など組織内でのステップアップに重きを置いた従来のキャリアに代わり、地位や給与ではなく、自己成長や気付きといった心理的成功を目指すキャリアの考え方です。
ひと昔のキャリアの考え方は職業のキャリア、社内での地位や給与に力点が向けられていました。
これからの社会人は企業依存型では成り立ちません。
個人の中で感じられる仕事の充実感を成功指標と捉え、「自分は何をしたいのか」「社会に対し何ができるのか」という自己への意味づけを大切にしていかないといけません。
特に、昨今の若手社員は会社への帰属意識が低い傾向にあります。
また、社会環境の変化が激しく、どの企業においても10年後の未来さえも定かではありません。
固定的なキャリアビジョンに固執することなく、「プロティアン・キャリア」のような「環境が変われば、自分も変化していける柔軟さ」は時代にフィットした考え方なのだと思います。