来談者(クライエント)中心療法(Person-Centered Therapy)とも呼ばれます。臨床心理学者のカール・ロジャーズ博士が提唱したカウンセリング手法のことです。
以下の6つの条件がそろっている状況を作るということです。
①2人の人間が調和した関係(ラポール)状態であること
②クライエントは不一致の状態、傷つきやすい状態、または不安な状態にあること
③カウンセラーはその関係の中で一致している状態、統合している状態であること
④カウンセラーはクライエントに対して無条件の肯定的配慮を経験していること
⑤カウンセラーはクライエントの内的照合枠を共感的に理解しており、その経験をクライエントに伝えようと務めていること
⑥カウンセラーの理解と無条件の肯定的配慮が、最低限にでも、クライエントに伝わっていることクライエントに最低限伝わっていること
一言でいうと、指示しない、クライエント自身を信じて自主性で解決していく支援を行うカウンセリング手法です。
ロジャーズ博士は「これ以外の条件は必要ない。もしこれらの6条件が存在し、かつ、それらがしかるべき間、存在し続けるならそれで充分である。建設的な方向に人格が変容する歩みが、結果として生じる」と論じています。「来談者の話をよく傾聴し、来談者自身がどのように感じ、生きようとするのかについて真剣に取り組みさえいれば、カウンセラーは指示や押しつけをしなくても、自ら来談者が気づき、成長してくれる」ということなのでしょう。