ベッドマンの「消費者情報処理モデル」(以下、ベットマン・モデルと呼ぶことにします)
は、1970年代に登場したものですが、消費者の購買行動研究の中でもエポックメイキ ングなものと評価されています。 その理由は、それまでの研究は消費者の内面をあくまでも仮説として説明していたにすぎませんでした。この考え方は、認知心理学や人工知能の研究成果をもとに説明した理論だからです。
ベットマン・モデルは、次の6つの要素から構成されます。
① 外部情報
② 感覚レジスター
③ 短期記憶
④ 長期記憶
⑤ 動機づけ
⑥ 行動
消費者はテレビ CM や店頭での POP 広告など、売り手からさまざまな刺激を受けますがこれらは①外部情報です。
そうした外部情報は五感を通じて感知されます。この五感にあたるのが②感覚レジスターです。
五感で感知した外部情報は、いったん③短期記憶で保持されます。これはPCで例えるとメインメモリで、われわれ人間の頭の中にもこうした部分があると言われています。
短期記憶で処理された情報のうち、特に重要なものは④長期記憶に保存されるのですが、これはPCのハードディスクだと考えてください。短期記憶同様、こうした部分も人間は持っているのです。
ところでどんな行動を起こすにも価値観や好みというものが必要になるでしょう。ここで言う⑤動機づけは、個人個人の持つ価値観や好みと考えてください。
最後に、⑥行動とは購買行動を指します。