組織と個人の成熟度が高くなるかどうかを決める決定的要因は、「経営幹部のリーダーシップ」
にあることを改めて感じています。
まず最初にリーダーシップの概念について整理してみます。
HBSのコッター教授は、変革期に求められるリーダーシップを『まず、第一に変革がもたらす結果に対し、社員に期待感を持たせ、変化する状況に社員をリードしていくパワーである。』と言っています。
「明確なビジョンと具体的な経営戦略を策定し、その戦略の展開に向けてメンバーの動機付けをし、メンバーの心を一つにして、ビジョン実現に向けて組織集団を導く能力」と言いかえることができるでしょう。
しかし、気を付けなければならないことは、スタンフォード大学のコリンズ教授が提起しているように「時を告げる天才ではなく、時を告げる時計というメカニズムを考える天才」が生まれる組織を創造できるリーダーシップでなければならないと言うことです。
要するに、一人で時を告げていた天才が去った後には、彼の代わりになる人がいないことになってしまいます。
【変革期に求められるリーダーシップの役割】
1.将来の方向性(ビジョン)・変えてはならない価値観を決める
2.ビジョン・変えてはならない価値観を共有する
3.社員を動機づけし勇気づける
4. 自主的に判断し、行動する権限を与える
5.喜んで協働し合うチームワークを形成する
変革期に求められるリーダーシップを発揮できるリーダーこそ、「大志(アンビション)」を抱くリーダーです。
経営幹部にとっての大志(アンビション)とは、
「自らの哲学・理想・理念を追求し、社会に無くてはならない企業活動を通して、ステークホルダーに喜ばれるこんな仕事がしたい、だからこんな会社にしたい」
という熱い思いのことです。
全社員が短期的な課題に目を奪われた活動に終始するのではなく、長期的な視野にたったビジョナリー・カンパニーであるためには、志を持つ企業こそが経営幹部のリーダーシップレベルの高い組織を実現していけることを確信しています。