理念が伝わらない・・・ | ソリューションのおぼえがき

ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

「言葉の意味は、実際はなかなか伝わらない・・・」これはコミュニケーションの原則です。

伝わっているように見えても、「言葉から連想されるその人の経験の中にあるそれに似たこと」が想起されるだけにすぎません。


よく取引先の壁に「信頼第一」とかいう言葉が掛かっていませんか。
企業の中で一番伝わらないのはこういう言葉なのかもしれません。

当然作った社長本人はこの言葉にまつわるエピソードを持っているのですが、問題なのはその言葉を思い付くプロセスにあるのかもしれません。

『あのとき、あの人にこんな事をしたら、喜ばれた。なるほどこういう風にすることがうちの商売なんだ。そうか!こういうことをシンプルな言葉で表現するとどうなるだろう?そうだ、「信頼」だ!』

このように「シンプルな言葉で表現すると…。」というのがこの場合は曲者なのかもしれませんね。

それを作った人はその中に壮大な背景と意味を感じているものです。


しかし、背景を知らない人にとってその言葉は単なる記号にしかすぎません。真の意味が伝わらないのです。

だから理念を浸透させようとすると、経営者はそのシンボルとなる言葉に思い付いたプロセスを社員に伝えないといけくなってしまいます。
しかし、これをしようとすると創業間もないころの話になってしまう…。
これには聞いている方も先入観を持っていて、「おい、また始まったぜ、社長の昔の自慢話…」としか聞こえません。

最近経営者はそういう話をしたがらなくなりました。そういわれるのが癪だから・・・。だからなおさら理念が浸透しません…。


私は、昔から初めて社長とお会いするときには、必ず創業期の物語を聞くようにしています。
何十年も前のことをあたかも昨日のことのように話していただけるものです。

実はその話の中にその会社の秘密が隠れていることが多いものです。