キャリア構築理論とは、M,L,サヴィカス氏が自身の30 年にわたる実践経験をまとめたものを理論として体系化したものです。
キャリア構築理論を考える上で「職業的パーソナリティ」、「キャリア適合性」、「ライフテーマ」の3つの重要概念を理解しておく必要があります。
職業的パーソナリティは、「個人のキャリアに関連する能力、ニーズ、価値観、関心」と定義します。
キャリア適合性は「現在あるいは直近の職業的発達課題、職業的移行、個人的トラウマなどに対処するための個人のレディネスおよびリソース」と定義します。
ライフテーマは、職業生活のもっとも主観的な部分に関わるものであり人々の職業行動に意味を与え、なぜその仕事で働くのかを明確にする価値を表します。
キャリア構築理論はサヴィカスが唱えた理論であり、パーソンズからホランドに至る特性因子理論、スーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開した21 世紀のキャリア理論と位置づけられています。
特にグローバル化が進む変化の激しいキャリア環境に適合するように、キャリア発達理論に、構成主義、構築主義、文脈主義などの考え方を取り入れ、意味や解釈、物語といった概念を重視しることが特徴です。
現在、職業や仕事の側に外的・客観的な意味を求めても、それが適切に与えられない場合が多くなってきています。そのため、自らの人生を一連のストーリーとして解釈し、自分の中に内的に意味や価値を認め、そこに安定性を見出す必要があると考えました。したがって、キャリア構築理論は、最も端的には、職業行動に「意味」を持たせることでキャリアを作り上げると主張しました。