「短期 vs長期」
これは、リーダーが「判断する時間軸」に関する葛藤です。
目先の短期利益を追求しすぎると、今のことだけにとらわれてしまい、長期的な環境の変化に対応できなくなります。
しかし一方、長期視点に偏りすぎても、目先の利益を逃して組織の足元を揺るがせる結果に陥ってしまいます。3年後、5年後という中長期のプランばかり考えていても、現在の利潤が増えなければ、組織の5年後はなくなってしまう恐れがあります。
このように、相反する短期利益と長期利益のバランスをどのように取っていくのか、リーダーは常に決断していかなければなりません。
その決断をする際に重要なのが、「短期と長期のことを同時並行で考えて折り合わせていくこと」です。どう折り合わせるのかを考え、決断を下すことがリーダーシップの妙だと思います。必ずしも「AかBのどちらか」という取捨選択をするのではなく、「短期的にA、B、Cという選択肢があるが、AとBはその先の長期につながるプランなので、AとBの方向にシフトしていこう」というように、短期と長期どちらかではなく、両方を折り合わせることが大切です。
選択可能性が無限に存在する中で、リーダーとして葛藤しながら決断を下していく活動は、アートな部分です。芸術的なセンスを発揮して、リーダーは矛盾する項目を統合していかなければなりません。