リーダーが乗り越えなければならない「葛藤」① | ソリューションのおぼえがき

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「効率 vs 感情」

これは、そもそも「リーダーが生み出す成果とは何であるのか」に関連する葛藤です。

 

リーダーが目指す成果は、「組織としての最大効率の追求」と、「個々人のモチベーションの極大化」の対立事項によって生み出されます。

 

ビジョンの実現に向けて、リーダーは組織としての最大効率を追及しなければなりません。リーダーは組織の活動効率を高めるために、戦略を描き、効果的な業務設計を行い、メンバーそれぞれの役割分担を考えて、「誰が何をいつまでに、どれぐらい実行するのか」という責任配分を行います。

 

理論的には、メンバーの感情は無視して「機械の部品の1つ」ととらえ、効率だけを重視して、組織の最大効率を目指すことも可能です。

 

しかし、リーダーが効率だけを重視すると組織は必ず疲弊します。なぜなら、人間は機械の部品ではなく感情を持った動物だからです。メンバーの感情側面を無視し続けると、だんだん「もう、やってられない」「この仕事のこの部分だけやっていても、やりがいが感じられない」という具合に、組織内に感情的摩擦が起こってきます。たとえ、短期的に組織の効率が上がったとしても長続きはしないでしょう。それぞれの活動を担うメンバーのモチベーションの問題は無視できないのです。

 

一方、組織の業務設計や役割分担において、メンバーの感情やモチベーションだけを重視すると、一人ひとりのやる気は高まりますが、組織全体の効率は低下します。例えば、サッカーや野球などチームプレイのスポーツで、メンバー全員が好き勝手なポジションにつくとなると、全体のフォーメーションが崩れて、チームとして成立しなくなります。それと同様に、メンバー各人がやりたい仕事だけをやっていては組織の効率は急低下して、いずれ崩壊してしまいます。

 

組織としての効率を求めつつ、メンバーの感情に配慮して、どのあたりで折り合いをつけていくのか――。リーダーはその最適値を考えながら、成果を出していく必要があるのです。

 

効率と感情のどちらを重視するかは、組織が置かれた状況によっても変わってきます。経営難など何らかの危機的状況に陥っている組織では、メンバーの感情をある程度無視して、効率を重視しなければなりません。逆に、組織が安定していて平和な時には、メンバーのモチベーションや感情を重視することも必要です。組織の状態を見ながら、うまくバランスを取っていかなくてはなりません。

 

優れたリーダーは、この相対立する効率と感情を同時実現しながら、成果を上げているのです。