マネジメントを「管理」と訳したり、マネジャーを「管理職」と訳すのは違和感が出てくるでしょう。
マネジメントはPDCAサイクルを回すこと、マネジャーの仕事はPDCAサイクルを回すこと。そうであれば、マネジャーは「管理職」ではなく、メンバーにとっての「サポーター」でなければならないからです。
特に営業活動では、「マネジャーから管理されている」と思われるのは、きわめて悪い結果につながります。人は管理されることを最も嫌がる動物であり、管理されると「モチベーション」を落とすからです。営業マンのモチベーションは営業活動に大きな影響を与えます。なぜなら、お客様はモチベーションの高い人から商品を買いたいからです。
皆さんが何かモノを買うとき、自分よりもモチベーションの低い人から買おうとするでしょうか。そうではないはずです。だからこそ営業マンは、常にお客様よりも高いモチベーションを維持していなければなりません。
そのためにも、営業マネジャーはメンバーを「管理」するのではなく、メンバーを「サポート」してあげるべきです。私が前職のマネジャー時代に、50名近くのチームリーダーを育ててきましたが、チームリーダーはメンバーを「サポート」するものとであるいう意識を植えつけていました。
営業マネジャーにとって「メンバーのモチベーションを上げる」という仕事は、営業PDCAを回していくための前提条件といえます。当然のことですが、メンバーが高いモチベーションで仕事に臨めば営業PDCAはスムーズに回り、その結果として成果は高まるでしょう。逆に、モチベーションが低いと、営業マネジャーがどれだけ指導しても営業PDCAは回らなくなってしまいます。
人のサポートをする以上、モチベーションを効果的に高める知識を習得することも大切です。
心理学には「産業心理学」と呼ばれるジャンルがあります。「企業活動において社員のモチベーションをいかに高めるか」が主なテーマです。こうした知識を学ぶと、メンバーへの接し方に明確なルールがあることがわかります。
ですから、マネジャーになったら、最低限の心理学的知識も習得するべきでしょう。この点からも、営業マネジャーは営業マンの時とはまったく異なるスキルが求められる、という意味がわかるはずです。