その昔、仕事をしていたとき、H.A.サイモン氏の意思決定論の考え方がしっくりきました。
「人間が意思決定をする際、いくら合理的に決定しようにも決定ができない」ということを述べて、ノーベル経済学賞を受賞された方です。
そのため、個々に満足が得られる基準期待値を設定して、そこに到達すればOKとなるんだとのこと。
合理的に決定しようにも・・・そりゃそうだ。
100%世の中を把握できることもすべての情報を得られるわけでもなく、また人間の脳がそれだけの情報量を記憶し、瞬時に処理できるわけでもなく・・・。
ゆえに唯一無二の意思決定は絶対に不可能だし、絶対勝てる意思決定も無理というわけです。もちろん未来を予測して、意思決定することも不可能です。
意思決定のベースにあるのは、過去の結果や蓄積された経験と意思決定者の勘と人間性によって行われるのだということなのでしょうか。
ごくごく当たり前なんですが、私には妙にしっくりくる考え方です。
経営学の古典ですが、H.A.サイモン博士の「経営行動」もう一回読んでみよっと。