中小企業は経営者がすべてになりがちで、従業員も経営者に忠実に動いてもらえる人材をほしがるものです。
しかし、どこでも「自立」した人材がほしいと一方で矛盾めいたことをおっしゃているのも事実です。
ではどうやって自立した人材を育てることができるのでしょうか?
組織を変えたい、組織を変革したいというニーズは、どの企業にもあります。
しかし、このような「組織改革」は何をもって成し遂げられるのでしょうか?
組織体制を変えるだけで、組織が変わると思っている人はいないでしょう。
評価制度を変えるだけ、もしくは運用ルールを変更するだけでは組織は変わりません。
組織を構成するヒトの関係構築ができてもいないのに、体制や制度変更、仕組みの導入をしても、メンバーは違和感を覚えるだけです。
組織の目的とは何か?
目標とは何か?
その目的に合致しない施策に取り組んだところで、メンバーは違和感しか覚えません。期待していることは実現できないでしょう。
組織の目的とは?目標を達成させることです。
ちなみにこの目標は経営者の野望ではありません。それはあなたの野望であって目的ではありません。会社として目指したいゴールのことです。
「組織改革」とは、自立した従業員をいかに増やすか、という改革です。
では、なぜ多くの組織は「仕組み」を導入したり、「制度」を変更することで満足するのでしょうか。
それは、そうすることで監視することができるために従業員の動きがわかるという錯覚に陥るからです。
自立しない人材に向かって、監視の強い仕組みや、制度変更だけに頼るとどうなるのでしょうか。
①自分の行動に問題意識をもたない
②自分のやり方が正しいと思い込むようになる
③組織のルールを設定しても、面倒なことは自身の判断でやめる可能性がある
メンバーの自主性を育てるためには、マネジャーである経営者が責務を担わないといけません。
×社長は雇ってあげているのだから働いてくれて当然だ→メンバーは言われた以上のことはやらない→なぜ言われたことしかやってくれないのか→お互いの視野のずれから、社長が焦り、監視を強化する→ますます言われた以上のことしかやらない→メンバーにさらに厳しく要望する
○従業員は組織の目的のために働いてくれている→組織の目的達成のため自ら率先垂範する→だから、社長がメンバーに要望できる→社長が前線に出てくれていることが信頼となる→メンバーに指示・指導に向き合ってくれる
このスパイラルをまず回すことから始めましょう。