社長およびトップ層の任せ方の急所「仕事の任せ方の研究より」
社長の最大の任務は、経営の長期計画であり後継者の育成です。その他については、なるべくセカンド以下に任せるようにしたいものです。
「松下社長が二百五十年計画と人づくりに専念、財務経理は高橋副社長に任せて、松下電器はトップに立った。」
「本田社長は開発に専念、他の大部分は藤沢副社長に任せ切り、ホンダも世界のトップメーカーとなった。」
「社長の仕事の七〇%は人材開発、あとは専門の役員に任せて土屋ホームは七年で地域業界ナンバーワンとなった(北海道)。」
中小企業のトップの場合、直接指揮は緊急に限ってしか対応しないくらいの意識で、例外としたいものです。とくに財務を任せることに公私混同をしないことが最大の留意点となるといわれています。
役員は専門部門を任されて担当しても、トップ会議では常に部門利益代表にとどまらず、マクロと長期の観点で考え、発言してほしいものです。
自分の独断より、任せて衆智を集めた方がずっと良い仕事ができるという経営哲学に立つことが、任せて経営が発展する極意になるということです。