売価を決定するということは、お店の繁盛を左右するぐらい重要であることを言うまでもありません。
あらかじめ減価を予想して、初回値入額を考えて売価を決定し、利益を確保する重要性を実際にイメージしながら、現場感覚で理解してみてください。
では、初回値入率と実現値入率の例を見ていきましょう。
例えば、目標売上高10,000千円、目標粗利益3,000千円、予定減価500千円の場合
の初回値入率と実現値入率を計算すると、
初回値入率=(粗利益+減価)÷(売上高+減価)=(3,000千円+500千円)÷(10,000千円+500千円)= 33.3%
実現値入率=(粗利益)÷(売上高)=(3,000千円)÷(10,000千円) = 30.30%
これは、初回値入率を33.3%と見込んで、予定どおり減価すると、実現値入率として30%確保でき、総利益3,000千円を確保できる計画となります。
例えば、婦人スーツを仕入原価18,000円で10着仕入れた場合、実現値入率は目標として37.5%を確保したい。
売価を30,000円で設定し、この売価で8着売れて、2着が売れ残ったとしたとき、これを値下げして早く完売したいが、いくらまで値下げできるのでしょうか。
(考え方)
① 仕入額 18,000円×10着=180,000円
② 目標値入率で販売したときの総額 180,000円÷(100%-37.5%)=288,000円
③ 実際の売上額 30,000円×8着=240,000円
④ 残りの売上予定額 288,000円-240,000円=48,000円
⑤ 残り1着あたりの許容売価 48,000円÷2着=24,000円
⑥ 1着当たりの値下げの許容額 30,000円-24,000円=6,000円