アメリカの経営学者ジェームズ・C・コリンズ氏が「ビジョナリー・カンパニー」で企業の凋落5段階について述べています。
第1段階:成功体験から生まれた危機感のなさ
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第2段階:規律なき規模の追求
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第3段階:リスクと危うさの否定
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第4段階:救世主にすがる
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第5段階:企業の存在価値の消滅
これをベンチャー企業の趨勢に置き換えてみます。
第1段階…個人事業や前職、小規模商売で儲かった!時代の流れに乗った!
第2段階…儲ければ良いや!急いで出店しよう!同業を買収しよう!新規事業をやってみよう!資金使途もないのに借入しよう!ベンチャーキャピタルから出資を仰ごう!
第3段階…前は儲かっていたので景気が戻れば大丈夫!本業が儲かっているから!あの人を信じる!
第4段階…怪しいブローカーから紹介されると銀行借入できる!学歴が良いから、人脈がありそうだから助けてくれる!あの金融機関は助けてくれる!大手企業との契約があと少しで決まる!
第5段階…リスケ⇒信用不安⇒民事再生・倒産
ってな感じらしいです。
日本国自体に置き換えてみます。
1:高度成長期の成功体験にしがみつく守旧派
2:財政規模の規律なき追求
3:リスクと危うさの否定
4:人気のある政治家を救世主であるかのようにすがる
5:日本国の存在価値の消滅に至る
一般企業に置き換えてみます。
第1段階…自社商品は他社商品より優れていると思いこむ。
第2段階…売上高しか興味がいかない。
第3段階…顧客・マーケット・技術の変化を見ようとしない。
第4段階…誰かが良案・差別化を思いつくと期待している。
第5段階…クライアント・カスタマが離れていく。
明治から昭和初期の日本の軍部に置き換えてみます。
第1段階…日清、日露、第一次大戦での勝利による自信過剰。
第2段階…朝鮮半島、中国大陸への政治的、経済的な進出及び侵略。
第3段階…三国同盟、対米戦への突入。
第4段階…玉砕、特攻による抵抗。
第5段階…無条件降伏、軍部の解体。
これらこそ、「言い得て妙」ですね。