企業類型モデルとしてVHSBモデルという考え方があります。
VHSBモデルでは「組織に関する次元」と「戦略に関する次元」を用いて企業を類型化しています。
「組織の次元」はビュロクラティック・ダイナミクスと、グループ・ダイナミクスを両極としています。
ビュロクラティック・ダイナミクスとは、公式化された組織階層を構築して、規則や計画を通じて組織的統合や環境多様性の削減を図る組織編成です。
グループ・ダイナミクスとは、価値・情報の共有をもとに、成員間ならびに集団間の頻繁な相互作用を通じて、組織的統合と環境多様性の削減をはかる組織編成です。
「戦略の次元」はオペレーション志向とプロダクト志向を両極としています。
オペレーション志向とは日常のオペレーションをもとに、インクリメンタルに環境変化に適応していく方法です。
プロダクト志向とは、日常のオペレーションよりも製品に重点をおき、製品イノベーションや機動的な資源展開を通じて環境の変化に非連続的に適応する方法です。
VHSBモデルの4分類
V型・・・グループ・ダイナミクス×プロダクト志向の企業類型
H型・・・グループ・ダイナミクス×オペレーション志向の企業類型
S型・・・ビュロクラティック・ダイナミクス×プロダクト志向の企業類型
B型・・・ビュロクラティック・ダイナミクス×オペレーション志向の企業類型
日本企業の類型に近いと考えられるのは「human」の頭文字をとったH型モデルです。
H型の企業はすばやく変化を察知し迅速に対処する。
組織内で頻繁な相互作用が行われ各現場が自律的に対応できるような組織を有している。
①頻繁な相互作用、価値・情報の共有、緊張の醸成、対人関係のネットワーク
②ゆるやかに連結された連結ピン型組織、パワーの組織内分散
③組織内部での相互作用的な学習と学習の共有
④宣教師型リーダーシップ(方向と理念の共有促進)
⑤受動的、機能的、インクリメンタルな適応
⑥オペレーションの効率化、製品特性の小さな差
⑦現場情報、顧客との接触による情報
⑧一体感、調和
が特徴であると言われています。
組織文化や戦略がある・・・すなわち、大企業を分類する際に有効なフレームです。