サマセット・モーム
『人間の絆』 より抜粋
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考えてみれば、
それこそ何百万という無数の人間が、
その一生は、ただ苦労、労苦の連続であり、
美しくもなければ、醜くもない、
ちょうどわれわれが、あの季節の移り変わりを、
ただ静かに送り迎えるのと同じ気持ちで、
人生を静かに諦め切っているのだ。
人生無意味という信念には、彼といえども、
どうしても承服しかねた。
だが、そのくせ彼が目にする一切のもの、
また彼の思索のすべての糸は、
徒らにこの確信を強めてくれるものばかりだった。
無意味と決まってしまえば、
人生もそう怖くはない。
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諦めるは、明らめる。
明らかにする。
そうお師匠様から聞いたとき、
確かに、私は楽になった。
変なモノに執着しているのは
自分のエゴであろう。
それを手放して初めて、
いろんなものが入ってくるのじゃないかと思う。
明らめるから、入ってくる。
--- y.