バイスのレジンモデル、ツヤ消しブラックが味気ない(※)のでリペイントします。※個人による感想です。
で、
作 業 工 程
先ずは分壊、

分壊と書いてぶっこわ(す)と読む。
▼分解方法は過去記事を参照▼
全体に軽くペーパーかけてサフ吹いて、、、


▲サフのあと下地色のガンメタをしっかり吹いて、その上にブルーメタリックを薄〜く重ねます。ブルメタはムラになっても全然OK。

▲ブルーメタリックが乾燥したらスポンジヤスリで部分的にブルーを落として下地のガンメタを露出させます。
なのでブルメタがムラになってても全く問題ないのです。
ブルメタとガンメタのグラデーションにすることで色調のノッペリ感を払拭するのが狙い。
ブルメタを落とす部分は感覚で。敢えて言うなら面の内側を落とし、フチ部分はブルーを残すイメージ。逆パターンにすると経年劣化風なエイジド仕上げになります。
そのあと一旦洗浄して、

▲クリヤーブラックを全体にムラなくスプレー。
足付けとかしないで一気に本塗りします。
今回はブルーを強く残したいので2回塗り。もうちょい黒くしたい時は3回塗ります。
ただし、クリヤーブラックは乾くと黒みが増すので、うっかり重ね塗り過ぎると真っ黒になってグラデ作業が無意味になるので要注意。
そして、、、

もちろん最後はこすります。
グラデーションを活かすようにこすって銀sunで部分的に磨きます。面積にするとごく僅か。
全部を光らせると単調になってしまうので要注意。

写真じゃよく分かりませんがw
ちなみに、バイス・コスモドラグーンのシリンダー直径はコルト・ドラグーンと同じ48ミリ。
バレル部分での作業推移


ローディングレバー回転軸部分のレイジ出っ張りは分解する時に破壊してしまったので三角プラ棒から削り出します。

出来ました。

うむ、イイネ!

ローディングレバーのシャフトは3ミリのプラパイプ。

レイジ出っ張りも塗装完了。
メッキマーカーは経年でくすんでいく特性があるかもだけど、それもまたヨシ!
あとはグリップ、

最初に#80や#100くらいの荒いペーパーでキズを付けます。
キズを付ける方向が木目になるので一定方向に。キズは塗装するとけっこう埋まっちゃうので思いきりキズだらけにします。
あとは鉄ヤスリなどで角をちょっと欠けさせたり丸めたりやや深めのキズを所々入れるとイイ感じになります。
ちなみにリボルバーのグリップの木目は垂直ではなく斜め15度くらいに前傾させた方がそれっぽく見えますね、経験上。

キズを付け終わったら塗装。ドクロ部分をひっつき虫でマスキング。

サフは吹かずいきなり黄橙色を筆塗り。
木目に沿って塗るのがコツ。筆ムラは気にしなくてOK。むしろ筆ムラさえも木目再現に貢献。

黄橙色が充分に乾いたらスミ入れに使う薄めたエナメル黒で木目調再現。
木目となるキズに沿って平筆で上から下まで一筆で行ったり来たり。テキトーにペタペタやってるうちに勝手に木目調になります。
あまり具体的な木目をイメージしないで偶然に任せてイイ感じになったらそこがやめ時。
そうです、この出来上がった木目調とは一期一会の貴重な出逢い。。。二度と同じ木目を再現できないという意味では天然の木目と同じ。まさに天からの授かりものなのです。。。(なに言ってんの)
まぁどーしても気に入らなきゃエナメル拭き取ってやり直しゃ良いだけっすよ。
どうせ銃に取り付けたら木目なんて大して気にならなくなりますw
最後にツヤ消しトップコート。半ツヤでも良いかも。

っていうか、だいたいいつも一番最初にグリップ作っちゃいますね。

ほら、木目になんて目が行かないからなんとなく木目っぽけりゃ良いんです♪

銃本体は全体的に黒っぽく見えて、

よく見ると青っぽい。ってのが理想。
余談ながら、銃模型の塗装っていうとまずは全体にツヤ消し黒やガンメタ塗ってエッジを中心にシルバー系ドライブラシでハゲチョロってのが手っ取り早い表現方法として思い浮かびますけど、ガンプラに当てはめて考えてみるとかなり昔ながらの塗装法ですよね。
もちろん使い込まれた軍用銃や敢えてそうした仕上げを好むのならばそれでも全然いいと思いますが、世の中の実銃を画像検索を介して見渡すと多種多様千差万別な色姿をしていて画一的な塗装表現では再現できません。
なのでそれらを塗装で再現するにはどうすれば良いかを日々色々と考えるわけですが、ガレキなどの銃模型はモデルガン/ガスガン趣味ともまた違った非常にニッチなカテゴリー。作動や分解ができない、弾も撃てない、銃のカタチをした単なる樹脂のかたまりであり飾り物。作ってる人が少ないのでお手本も少なく自分で試行錯誤することが多いです。
そんなこんなで缶スプレーや銀sunを使って何とかそれっぽい表現をしてみようと考え出したのがいつもの塗装方法。銃によって色調の塩梅を変えたりするのも必須ですがそういうのを楽しんでます。


松本コスモガンは斜め後ろからのアングルが良き。


ゼロメカ模型展示会では『戦士の銃 ギャラリー』と称して主催メンバーが所有する戦士の銃を専用卓に10丁くらいズラリと並べます。このバイスもそのためにリペイントしました。
作品カードにはキットのメーカーなど簡単な諸元/特徴を記して各々の戦士の銃に添えます。
そもそも展示会を開催する目的のひとつがコスモドラグーン大会。
いちばん最初はガレキなどの銃模型オンリーの展示会を考えましたが、あまりにニッチすぎて来場見学者は元より展示参加者すら集まらないと思い断念、ならば松本作品しばりの模型展示会にしてみよう、というのがゼロメカ模型展示会開催の発端です。
コスモドラグーンは元ネタがコルト・ドラグーンと云われることが多いですが、それは正解であり誤りでもあると考えます。
コルト・ドラグーンを含む『19世紀半ばのコルト・パーカッションリボルバーがデザインモチーフ』というのが個人的には簡潔と思える回答。
全体的なフォルムやバランス、細部のディテールなどコルト・ドラグーンだけではなく色々なモデルの特徴を寄せ集めた集合体である、と言えましょう。
世に出ているコスモドラグーンの立体物は実銃などをテンプレにしている場合も多く形状やサイズの解釈も様々でメーカーやその原型師によって全てが似て非なるもの。そんなコスモドラグーンたちを一斉に並べることでその違いを認識し愉しもうというマニアックな催し、それが『戦士の銃 ギャラリー』です。












