ジッポーのオイルライター、久しぶりにイジってます。
ありふれた現行ソリッドブラス(=真鍮無垢)のように見えて実は1940年代後半…'48年とか'49年頃でしょうかね、その当時のありふれたスタンダード・モデル。
現在のジッポーとの外見的な違いで一番特徴的な部分はケースの底=ボトムのロゴ刻印、そしてヒンジ。
ジッポーではヒンジ=蝶番(ちょうつがい)の繋ぎ目にあるパイプ状の部分を「バレル」って呼びますが、それが3分割されている3バレル・ヒンジです。
インサイド・ユニットも造りや仕上げ、使われている部品に色々と違いがありますが大きな違いは素材、現行インサイドのステンレス・スティールに対しこの時代はニッケル製です。
ただしこの時代、ケースが真鍮ムキ出しのソリッドブラス・モデルは存在しません。本来はクローム・メッキされた銀色の表面をしていますがコレは例によって私の仕業、メッキを全部剥がしてしまいました。
このメッキ剥がし、単純作業ですがけっこう時間かかります。
まずは120番でひたすらメッキを削ります。素材である真鍮がほぼ全面キレイに露出するまでとにかくひたすら。ブッ続けで作業しても5~6時間は軽くかかるでしょう、短く見積もって。
でもそんなに長時間連続して気合いも集中力も続きませんから作業は2~3日に分けて行います。何より飽きますから…ね(笑)
もちろんもっと番手の荒いヤスリを使えば時間短縮は可能なんですけどね、単に真鍮ムキ出しにするだけならば。
ちなみに使ってるヤスリは画像にあるホイールヤスリです。電ドリにくわえてガ~~っと。手作業よりは早くてラクです。
で、真鍮がムキ出しになってからが本番です。120番のヤスリ傷を消していく作業が始まるのです。
この傷消し作業を考えると最初のメッキ剥がしで荒いヤスリを使ってしまうと結果的に後々手間と時間がかかってしまうワケですよ。
傷消し作業はまず200番から。真鍮はクローム・メッキよりはかなり柔らかいのでメッキ剥がしのように5時間以上とかはかかりませんが、それでもホイールヤスリでひたすら1時間以上は磨きます。
お次は200番の傷を消す作業です。320番のヤスリでひたすら磨きます。
次に400番、更に600番、そして1000番ときて最後はコンパウンドによる磨きを手作業でひたすら。
よく見りゃまだ傷は残ってますけどパッと見はかなりピカピカ、一見すると鏡面仕上げに見えなくもない。「ん~、こんなもんでしょ」ってことで作業完了。
でもすぐには使いませんよ。
素手で触ると指紋がクッキリ残ってしまって見苦しいのです。最低でも1~2週間は放置して真鍮の表面が落ち着くのを待ちます。
するとうっすら黄色味が強くなってくるのでそれからやっと触っても良い許可が降りるのです(笑)
実用面でのメンテナンスはあらかじめ終えてます。
ヒンジピンの交換やバレル調整を行い、併せてリッドのガタつきやズレを解消。
インサイド・ユニットも洗浄後にウィック、コットン、フリントを詰め直して準備万端。
あとは使用許可を待つのみ(笑)
一番上、素材は鉄になり同時に5バレル・ヒンジに変わります。真ん中はボトム刻印がフルスタンプと呼ばれるタイプになり、一番下では素材が再び真鍮に戻ってます。
インサイド・ユニットの素材は全てステンレス・スティールです。
この変遷は朝鮮戦争の影響を受けた1950年代前半、約5年足らずの間での出来事。
クローム・メッキされてると全く同じに見えてしまうモノも一皮剥くことで全く違うモノになります。好きなようにイジり、マイナーチェンジによる変化を楽しみ、さらに経年使用による素材の腐食による変化をも味わう。
そういうのが私なりのジッポーの楽しみ方のひとつです。
──────コメント(2)─────
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赤石? 自分のは両端が擦れまくってあと10年ぐらいで3バレルになりそうですww
インサイドに磁石くっつくんですがコレって鉄にメッキ?400系sus?
謎です。
2013/12/25(水) 午後 1:13
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ソリッド
禿零さん、赤石に気付くとは目ざといっすねオールドジッポ御用達のロンソン赤フリです。
インサイドの素材はこの50年余り基本的にステンメッキ無しです。
おっしゃる通りSUS430などの安価大量流通材だと思います。表面がクロームメッキのように見えて磁石にもガッツリくっつきますしね。
バレルすり減っても2バレルならかろうじて使えますな、あと20年は安泰安泰(笑)
2013/12/25(水) 午後 8:37