日本百名山 其之捌 那須岳 後編
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7:30 三本槍岳到着
山頂は大きな広場になっていた。
天候はまだ晴れていて、あたり一面が望めた。
三本槍岳山頂から沼原、大峠方面(西) 三本槍岳山頂から茶臼岳を望む(南)
三本槍岳山頂から那須市街を望む(東南) 三本槍岳山頂から朝日岳を望む(南東)
大峠、流石山方面(北西)
先客として先ほどの男性が居た。
かなり疲れていたようだ。
「いや~。疲れた~。」と連呼していた。
福島方面から写真を撮った。
西の流石山方面の景色が秀逸で、沼原の水面が見ることができた。
風は冷たかった。
すぐに汗が引いていく感覚だった。
すると先客の男性がまた写真を撮ってくれと言ってきた。
写真を撮り終えると、男性と話した。
「やっぱり、若いから速いねえ~。」っと言っていたので、やはり後ろからの私の追走が気になっていたようだ。
「なんか急かしたみたいで、すいません。。」と謝った。
男性はここには数度、登っているようで、西の大峠方面から流石方面へ歩いて行ったこともあると言っていた。
景色は綺麗だが、かなり辛いと連呼していた。
そして、私もその方に写真を撮っていただくようにお願いした。
男性がカメラを構えると、先ほどすれ違った男性が到着した。
「よ!男前!」っと、すましている私に向かって言ってきた。
「ありがとうございます!」と返すと、男性も嬉しそうであった。
3人でしばらく話していたが、やはり山では人の性格が良く出る。
前者の男性はなぜか話し方に棘があるように感じた。(当然悪気はないのは分かっている。)
後者の方は、本当に大らかな感じがした。
実際、後者の男性は、私が座って休憩しているところに近づいてきて
三本槍岳の名前の由来について教えてくれた。
その昔、会津藩、白河藩、黒羽藩の藩境が曖昧だったため、各藩の代表者3名がこの山に登り
この地で槍を使って藩境を決めたからだと言われているらしい。
大変勉強になった。
参考:三本槍岳の由来
そうこうしている間に、両手にストックの男性が到着した。
この人も爽やかであった。
全身に清々しさがにじみ出ていて、「はぁ~。やっと着いた!」っと一言いった。
その後しばらく4人で話た。
最初の男性はこの後、どうするか迷っていた。
残りの2人はこの後、茶臼を目指すようである。
山頂の案内板 山頂の看板1
山頂の看板2
7:40 三本槍岳出発
10分ほどであった。
やや短いと思われたが、なんとなくこの後のことを考えて、私が先に発った。
もう少し山頂でのんびりしたかったが、これも性格なのか、人ごみが面倒なのである。
「では!」と3人に別れを告げ、茶臼岳を目指した。
まだ、日差しはあったが、茶臼岳のほうには霧(ガス)か雲のようなものが掛かり始めていた。
ここから茶臼岳を目指す。
心持ち、小走りになっていた。
やはり、後ろが気になっていたのだろうか。
今、来た道を引き返していく。
ラジオをつけた。地元福島の放送局を聞いていた。
7:57 北温泉分岐通過
やや雲行きが怪しくなってきていた。
全体に暗くなり、雨が降りそうであった。
雲行きが怪しくなる
ラジオのチャンネルをニッポン放送に変えた。
小林克也の番組がやっていた。
いつもの土曜の朝に戻された感じがするが、この番組は良い音楽がかかり
80、90年代のFM局の匂いがする。
最近のFMは余計なおしゃべりやコーナーが多く、音楽を楽しむといった純粋な気持ちが
なくなっているような気がする。
清水平へのトンネルを下る。
目の前には清水平と1900峰への壮絶な上りが見えていた。
清水平の木道を歩いていく。
ラジオからの歌を口ずさんでいた。
1900峰への階段に差し掛かった。
休憩を取らずに、一気に駆け上る。
途中、小田和正の歌が流れる。
かなりきついが、いい鍛錬になる。
アップダウン、高度差、最高の有酸素運動だ。
1900峰の尾根に出ると、先ほど出ていた雲が三本槍岳に掛かっていた。
それ以外はまた晴れ間が出ていた。
1900峰への山道(登り) 振り返って清水平と三本槍を望む
時刻は8時を過ぎていたので、登山客がちらほら現れていた。
心地よい尾根の風を浴びながら、1900峰、熊見曽根東を通過していく。
残雪と尾根
岩々が朝の光で、茶褐色に光っていた。
熊見曽根東から朝日岳の肩を見下ろすことができた。
肩の部分にはすでに多くの登山客が休憩しており、さらに続々と登ってきてた。
08:10 朝日岳の肩通過
私はこの肩部分を何食わぬ顔で颯爽と通過した。
そして、すぐに急な上りに取り付いた。
体は少し疲れていたが、峰の茶屋まではという気持ちで登った。
あたりはまた、ガスが出始めていた。
その上りのピークが見えたとき・・・・、私は唖然とした。
なんとそこは朝日岳であった。
2度目の登頂。
道間違いのため朝日岳再登頂 朝日岳の肩に多くの登山者
朝日岳の肩から道を間違ったようであった。
まったく気付かなかった。
このように人は道を誤るのであろう。
ピークには立たずに、急いで肩に戻る。
その途中、ある女性の方に
「速いですね!まるでスーパーマンみたい!」と声をかけられ、少し調子に乗ってしまう。
しかし、私はすぐに、自分は道を間違ったという恥ずかしさに駆られていた。
8:28 朝日岳の肩通過(3回目)
今度は下からの登ってきている人がいたので、峰の茶屋への道へ合流できた。
本当に尾根から急斜面を降りるという感じなので、道が分かりづらい。
ここからは、また、岩場が続く。
ゴツゴツした岩に補助用の鎖が設置されている。
上りよりも下りのほうが難しいような気がする。
登ってくる登山客も大勢いるので、狭い場所では譲り合いとなる。
剣ヶ峰の奇岩を横目に先へ進むが、思っていた以上に距離があった。
那須岳の谷間が見えてくると、眼下に茶臼岳と朝上ってきた崖上の道、峰の茶屋が姿を現した。
茶臼岳と剣が峰 茶臼岳にガスがかかり始める
その道には、蟻のような登山客の列があり、峰の茶屋には多くの人々が休憩していた。
その光景に少し、うんざりした。
8:46 峰の茶屋到着
峰の茶屋到着 大丸方面への道へ
休憩所から西を見るがガスで見えない
峰の茶屋には多くの団体客がいた。
反対方向から来る私に対して、どこから来たのかと尋ねる人も居た。
当たり前だが、皆さんこれから登るようである。
しかし、この時間ともなると天気予報のとおり雲行きが怪しい。
目の前の茶臼岳は濃いガスがかかり、その姿は見えない。
さらに朝日岳、三本槍岳方面にも黒い雲が垂れ込めていた。
私は小屋から少し離れた、大丸方面に向かう途中にある休憩所で休憩を取った。
上着を脱ぐ。
汗だくである。
ここで、水分とおにぎりを2つ食べた。
そして、ここまでの記録をメモする。
朝日岳で出会った人が茶臼岳から降りてきた。
風が強く、汗に濡れた私の体を冷やした。
ラジオはいつもの「おしゃべりキャッチミー」が流れていた。
東海道線が茅ヶ崎で停まっているらしい。
おかしい情報であった。
団体客が西方向のルートを取り、茶臼岳に向かっていった。
荷物を詰めなおし、私は出発した。
9:00 峰の茶屋跡出発
天候は優れなかった。
灰色の雲が茶臼岳を覆っていた。
私は、あまり人が通っていない道のほうを選んだ。
山頂に向けて1本の道が伸びている。
誰も歩いていない。
茶臼岳登山道
ザッザッザと砂礫のような道を進んでいく。
斜度があり、ひたすら長い上りである。
途中、登山客2名とすれ違った。
それぞれ、男性、女性で、ソロであった。
茶臼岳外輪の標識を越えると、ほんとに急な岩場の登りだった。
茶臼岳の外輪山標識
一歩一歩、踏みしめるように登っていく。
辺りはもう硫黄の匂いで充満している。
茶臼のお鉢への道
茶臼岳のお鉢の周囲に到着した。
お鉢めぐりの標識
ここから反対方向に見える茶臼岳山頂を目指す。
ロープウェイから登ってきたのであろう。
左手方向に軽装の若い男性客が3人ほどいて、大きな声でしゃべっている。
お鉢を左回りに回り始めた。
風が強い。
真ん中には大きなカルデラが広がっている。
しかし、もうこの釜自体は長い間活動していないらしく、岩の間に緑の草が生えていた。
大きなお鉢 鉢の底
丁度、鉢の北側に来たところで、強い硫黄臭が鼻をついた。
活発な火山活動からの噴煙がここまで届いているようである。
茶臼岳北側の噴煙 茶臼岳北側の噴煙2
9:26 那須岳神社(茶臼岳山頂)到着
茶臼岳山頂の神社 茶臼岳山頂の鳥居
那須岳神社は鉢の西側に位置する。
ゴロゴロと大きな岩場が噴火の威力を物語る。
岩場の間に鳥居と社がこじんまりとある。
先着のロープウェイ客がたくさんいた。
大きな声で話しながら写真を撮っていた。
これから朝日、三本槍に向かうご夫婦にも出会った。
私が、これから下山であることを伝えると、三本槍までどれくらいとか
いろいろ尋ねてきた。
一行が去ったあと、ゆっくりと山頂を楽しんだ。
南西の山々の緑が綺麗であった。
太陽はすでに真夏の日差しであった。
南月山方面を望む
9:30 那須神社(茶臼岳山頂)出発
ここからは一路、ロープウェイの山頂駅を目指した。
山頂から鉢づたいに歩くとすぐに、駅への下山道となる。
山頂駅はここから目で確認することもできるし、駅からのアナウンス音が
興ざめするくらい聞こえてくる。
9時40分のロープウェイがもうすぐだというアナウンスがあったが、早々にあきらめた。
10時丁度くらいに乗れればいいやという気持ちであった。
この下山道もなかなか険しい。
途中、何人かの人にあったが、みなさん軽装で靴も登山用ではない。
中には5歳くらいの姉妹も居たり。
手軽にここまで来れるものなんだなあと改めて思った。
岩場を慎重に降りていると、奇岩があったり、南方の山々が見えたり、景色に富んでいる。
火山灰で出来た赤い大地 茶臼岳下山道の標識
茶臼岳からの下山道 南月山方面を望む2
削られた岩
そして、最後は富士山の砂走りのような下りになる。
砂に身を任せるように、ザッザッザと勢いよく下りた。
最後に、また右足をひねったが、きっちり靴でサポートしていたため幸いなんともなかったが・・。
今回の教訓としよう。
眼下に那須温泉街が広がる ロープウェイ山頂駅
栃木の景勝百選 那須岳の遊歩道看板
9:50 那須ロープウェイ山頂駅到着
10時の便に間に合った。
山頂の駅には団体客が大勢いて、皆さんこれから下山されるようであった。
山頂駅には那須岳の自然の模型などが置かれていた。
冷たいジュースを買い、一気に飲みきる。
ロープウェイに乗り込み、下山した。
車窓からは那須岳の大自然が一望できた。
今の季節、新緑が濃い。
ロープウェイ車内 ロープウェイ車窓から
10:05 那須ロープウェイ山麓駅到着
ロープウェイ駐車場から茶臼岳を望む 愛車
麓の駐車場はもう車で一杯となっていた。
夏の日差しが車を焦がし、辺りを蒸し返していた。
バイクに近づき、ザックを下ろす。
肩の荷が下りたとはこのことだろう。
遠くで鳥のさえずりが聞こえていた。
1時間半の遅れをもって出発したが、予定よりも1時間程度早く下山することができた。
疲れていたが、帰路に着くことにした。
以下、帰路の話。。
この後、ボルケーノハイウェイを戻った。
途中、国民宿舎のようなところに「立ち寄り湯」と書かれていたので、入ろうと思ったが
12時からの営業だったので、ここはダメだった。
殺生石の大きなヘアピンカーブを曲がった後、すぐに那須観光協会の建物が見えた。
そこに寄って、今やっている立寄り湯を尋ねてみた。
すると、手馴れた感じで、一枚のプリントが出てきて、この辺りの温泉が記載されていた。
恐らく、みんな聞いていくのだろう。
私はとりあえず一番安くて、今やっているところを目指した。
が・・・、途中に「源泉掛流し」の看板があるではないか。
入浴料も400円と安い。
その名は「鹿の湯温泉」であった。
鄙びた旅館に併設された温泉施設であった。
駐車場にバイクを停め、のれんをくぐる。
番台のようなところにおじさんが居て、先客の人と話していた。
鹿の湯温泉 鹿の湯温泉入口と250TR
400円を払い、タオルを借りて、風呂に入った。
全体が桧で出来たきれいな風呂だった。
私が入ったタイミングで、先に入っていたひとが出てきた。
採光用の部分から日差しが良い感じで差し込んでいて、風呂の中を照らしていた。
風呂は乳白色の硫黄の匂いが強い泉質だった。
普通の風呂、熱めの風呂、露天風呂があった。
少し薄暗いのが、なんとも言えない雰囲気を醸し出していた。
滑らかな湯で、肌がすべすべになり、昨夜からのロングドライブと登山で疲れた私の体を
心から癒してくれた。
長く浸かっていても、まったくのぼせることなく、適度な温度であった。
11:00 鹿の湯温泉出発
那須温泉街
那須温泉街をバイクで抜けていく。
時刻も昼前となり、次の目的地、宇都宮へ向かう。
国道4号を目指して、13号を下る。
すると途中の道でスロットルをどんなに開いても、反応が悪くなってきた。
エンストであった。
サブタンクに切り替え、走行する。
走行距離的にはそんなに走っていなかった(100キロ程)が、キャブレターを前回にしていたためか、エンストとなった。
2、3のガソリンスタンドをパスし、そろそろやばいかなと思ったところで、スタンドを発見し、入った。
満タンにしてもらったが、かなり金額が高かった。
国道4号でのんびり宇都宮を目指そうと思ったが、那須ICの標識が見えたとたん、高速で行こうと切り替える。
那須ICから東北道に乗り、南下する。
正午近くなり、気温が上がっているせいか、風が強く感じた。
100キロ近く速度を出すと、少しの横風でよろめくような感じがした。
30分ほど高速を走っただろうか。
宇都宮ICで下りる。
ICを降りてから方向を間違えたが、すぐに修正し、バイパスに乗り、宇都宮市街へ向かった。
以前来た事があったので、ほとんど間違えることなく宇都宮市街まで到着することができた。
が・・・、その宇都宮市街で迷ってしまった。。
以前行った事のある餃子屋さん周辺にいこうと思っていたのだが、まったく違うところに出てしまう。
バイクなので、小回りが利く分、いいのだが・・。
30分ほどかかったろうか、やっとこ目的地周辺に着いたので、おもいっきりスナックの前に路駐した。
そして、その先にある小道を入り、「正嗣」という餃子屋さんの前に立った。
店の前には10名ほどの列ができていた。
以前、着たときには、この店は営業してなかった。
ちょっと先にある、「みんみん」という餃子屋さんも相変わらずすごい行列であった。
列に並ぶ。
カップルばかりである。
そして、私はバイク用の服装なので、髪型も含めかなり怪しい。
そそくさと帽子をかぶるが、余計に怪しさが増す。
並んではみたものの、あまり腹が減っていないことに気付く。
「焼き」を2人前程度食って帰ろうかと思っていたが、とりあえず土産用を2人前買うことにした。
その間も行列は増えていく。
私の順番になって、土産用を頼むと、中のおばちゃんが
「持ち帰りなら、並ばなくてもよかったのに・・。ごめんね~。」と言ってくれた。
ま、途中まで食べる気だったので、問題ないんだけど。
約15分ほど並んだだろうか。
中ではカップルたちが大量の餃子を食っていた。(前のカップルは焼き8の水5ほど食ってたなあ~)
ちなみに、このお店、ライスやビールはありませんので注意を!
保冷してもらったパックをザックに詰め込んだ。
ザックはなぜかパンパンだった。
路駐していたバイクも気になっていた。
無事、そこにあった。
そして一路、東北道を目指した。
が・・・。また、迷う。
以前のうろ覚えの記憶をたどるが、今回はまったく出てこない。。
ここでも30分ほど迷ったろうか・・・。標識に従い、なんとか那須ICまでたどり着くことができた。
途中、松並木の間を走った。
そして、高速に乗る前に今回3度目の給油を行った。
那須ICから高速に乗車した。
時間は1時半頃だっただろうか。
すっかり午後の田園風景となっていた。
高速のランプアイを鋭く曲がり、本線へと合流した。
高速を走る。
やはり風が強い。
そして、何より疲労が濃い。荷物が肩に食い込んできている。
気温のせいか、サドルに大量の汗がにじむ。
ときおり、立って風を当てる。
佐野SAを通り過ぎた。
宇都宮で餃子を食わずに出てから、途中、必ず佐野ラーメン を食べようと思っていたのだが
ここは通りすぎた。
行きの佐野SAでおいしそうに見てから、計画していたのだが・・。
館林ICを過ぎたあたりで疲労がピークになってくる。
交通量も多くなってきていた。
インフォメーションの看板に、蓮田のPAは混雑していると出ていたので、羽生のPAに寄る。
ここで、佐野ラーメンを食べた。
残していたおにぎりも、最後の1つを食べた。
めちゃくちゃおいしかった。
もっと食べていたかった。
佐野ラーメン2
ソファーのような席で少しゆったりくつろいだ。
帰路はまだまだ先が長い。
バイク置き場に戻ると、さっきまでは無かったバイクが所狭しと停まっていた。
ローギアに入れて停めていた(エンスト)ので、ニュートラルに戻し、出発する。
たくさんのバイカーに見られていると思うと緊張した。(自意識過剰なのだが)
時間はすでに15時半を経過していた。
蓮田PAは空マークが点灯していた。
埼玉県に入る。
やはり、肩に荷物が食い込んでくる。
肩の筋肉が凝り固まっている感じだ。
浦和ICあたりにくると、大きな埼玉スタジアム2002が見えた。
車が多くなってきてた。
川口JCTを通過。
外環道へと合流する。
外環道も車が多い。
荒川を越え、和光ICで降りた。
最初に書いたとおり、大泉まで行ってもなんの問題もなかったであろうに。。
和光ICを降りるとすぐに、混乱した。
昨日(夜中)来た記憶がまったくないのだ。
信号待ちで、1つ目の交差点を左折する。
なんとなく昨日通ったなという記憶で走っていくと、すぐに全く違うことに気づく。
どうやら254号に合流できてたようである。
成増駅付近を通過した。
池袋まで10キロまでの表示が出ている。
谷原という標識が見えたので左折する。
光が丘公園の中を通過していく。
道も分からず、本当に疲れてくる。
ようやく笹目通り(環八)に合流することができた。
しかし、環八も恐ろしく混んでいた。
バイク特有のすり抜けをやればよかったのだが、なにせそのコツがわからない。
慣れたバイクはスルスル抜けていく。
まるで、それが当たり前かのように。
瀬田あたりまで渋滞は続いた。
そこから玉川のICから第三京浜に乗った。
日は傾き、うっすらと夕暮れが見えていた。
第三京浜は空いていた。
ここからも日産スタジアムが見えた。
横浜新道への合流手前で、SAに立寄る。
ジュースを一飲みして、出発する。
横浜新道を降りると、いつものように国道1号線が戸塚付近で渋滞していた。
が、ここぞとばかりに、先ほど習得したすり抜けテクニックを披露してやった。
流石に速い。
これって、どこまでが合法なのだろうか?!
辺りは今にも雨が降り出しそうなくらい曇っていた。
藤沢から茅ヶ崎にかけての1号線も混んでいたため、裏道に入る。
いつも自転車で通ってる道である。
250クラスだと、こういう道を通れるから良い。
6時前に自宅に無事到着した。
体はくたくたであった。
すぐに風呂に入り、冷たいシャワーを浴びた。
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7:30 三本槍岳到着
山頂は大きな広場になっていた。
天候はまだ晴れていて、あたり一面が望めた。
三本槍岳山頂から沼原、大峠方面(西) 三本槍岳山頂から茶臼岳を望む(南)
三本槍岳山頂から那須市街を望む(東南) 三本槍岳山頂から朝日岳を望む(南東)
大峠、流石山方面(北西)
先客として先ほどの男性が居た。
かなり疲れていたようだ。
「いや~。疲れた~。」と連呼していた。
福島方面から写真を撮った。
西の流石山方面の景色が秀逸で、沼原の水面が見ることができた。
風は冷たかった。
すぐに汗が引いていく感覚だった。
すると先客の男性がまた写真を撮ってくれと言ってきた。
写真を撮り終えると、男性と話した。
「やっぱり、若いから速いねえ~。」っと言っていたので、やはり後ろからの私の追走が気になっていたようだ。
「なんか急かしたみたいで、すいません。。」と謝った。
男性はここには数度、登っているようで、西の大峠方面から流石方面へ歩いて行ったこともあると言っていた。
景色は綺麗だが、かなり辛いと連呼していた。
そして、私もその方に写真を撮っていただくようにお願いした。
男性がカメラを構えると、先ほどすれ違った男性が到着した。
「よ!男前!」っと、すましている私に向かって言ってきた。
「ありがとうございます!」と返すと、男性も嬉しそうであった。
3人でしばらく話していたが、やはり山では人の性格が良く出る。
前者の男性はなぜか話し方に棘があるように感じた。(当然悪気はないのは分かっている。)
後者の方は、本当に大らかな感じがした。
実際、後者の男性は、私が座って休憩しているところに近づいてきて
三本槍岳の名前の由来について教えてくれた。
その昔、会津藩、白河藩、黒羽藩の藩境が曖昧だったため、各藩の代表者3名がこの山に登り
この地で槍を使って藩境を決めたからだと言われているらしい。
大変勉強になった。
参考:三本槍岳の由来
そうこうしている間に、両手にストックの男性が到着した。
この人も爽やかであった。
全身に清々しさがにじみ出ていて、「はぁ~。やっと着いた!」っと一言いった。
その後しばらく4人で話た。
最初の男性はこの後、どうするか迷っていた。
残りの2人はこの後、茶臼を目指すようである。
山頂の案内板 山頂の看板1
山頂の看板2
7:40 三本槍岳出発
10分ほどであった。
やや短いと思われたが、なんとなくこの後のことを考えて、私が先に発った。
もう少し山頂でのんびりしたかったが、これも性格なのか、人ごみが面倒なのである。
「では!」と3人に別れを告げ、茶臼岳を目指した。
まだ、日差しはあったが、茶臼岳のほうには霧(ガス)か雲のようなものが掛かり始めていた。
ここから茶臼岳を目指す。
心持ち、小走りになっていた。
やはり、後ろが気になっていたのだろうか。
今、来た道を引き返していく。
ラジオをつけた。地元福島の放送局を聞いていた。
7:57 北温泉分岐通過
やや雲行きが怪しくなってきていた。
全体に暗くなり、雨が降りそうであった。
雲行きが怪しくなる
ラジオのチャンネルをニッポン放送に変えた。
小林克也の番組がやっていた。
いつもの土曜の朝に戻された感じがするが、この番組は良い音楽がかかり
80、90年代のFM局の匂いがする。
最近のFMは余計なおしゃべりやコーナーが多く、音楽を楽しむといった純粋な気持ちが
なくなっているような気がする。
清水平へのトンネルを下る。
目の前には清水平と1900峰への壮絶な上りが見えていた。
清水平の木道を歩いていく。
ラジオからの歌を口ずさんでいた。
1900峰への階段に差し掛かった。
休憩を取らずに、一気に駆け上る。
途中、小田和正の歌が流れる。
かなりきついが、いい鍛錬になる。
アップダウン、高度差、最高の有酸素運動だ。
1900峰の尾根に出ると、先ほど出ていた雲が三本槍岳に掛かっていた。
それ以外はまた晴れ間が出ていた。
1900峰への山道(登り) 振り返って清水平と三本槍を望む
時刻は8時を過ぎていたので、登山客がちらほら現れていた。
心地よい尾根の風を浴びながら、1900峰、熊見曽根東を通過していく。
残雪と尾根
岩々が朝の光で、茶褐色に光っていた。
熊見曽根東から朝日岳の肩を見下ろすことができた。
肩の部分にはすでに多くの登山客が休憩しており、さらに続々と登ってきてた。
08:10 朝日岳の肩通過
私はこの肩部分を何食わぬ顔で颯爽と通過した。
そして、すぐに急な上りに取り付いた。
体は少し疲れていたが、峰の茶屋まではという気持ちで登った。
あたりはまた、ガスが出始めていた。
その上りのピークが見えたとき・・・・、私は唖然とした。
なんとそこは朝日岳であった。
2度目の登頂。
道間違いのため朝日岳再登頂 朝日岳の肩に多くの登山者
朝日岳の肩から道を間違ったようであった。
まったく気付かなかった。
このように人は道を誤るのであろう。
ピークには立たずに、急いで肩に戻る。
その途中、ある女性の方に
「速いですね!まるでスーパーマンみたい!」と声をかけられ、少し調子に乗ってしまう。
しかし、私はすぐに、自分は道を間違ったという恥ずかしさに駆られていた。
8:28 朝日岳の肩通過(3回目)
今度は下からの登ってきている人がいたので、峰の茶屋への道へ合流できた。
本当に尾根から急斜面を降りるという感じなので、道が分かりづらい。
ここからは、また、岩場が続く。
ゴツゴツした岩に補助用の鎖が設置されている。
上りよりも下りのほうが難しいような気がする。
登ってくる登山客も大勢いるので、狭い場所では譲り合いとなる。
剣ヶ峰の奇岩を横目に先へ進むが、思っていた以上に距離があった。
那須岳の谷間が見えてくると、眼下に茶臼岳と朝上ってきた崖上の道、峰の茶屋が姿を現した。
茶臼岳と剣が峰 茶臼岳にガスがかかり始める
その道には、蟻のような登山客の列があり、峰の茶屋には多くの人々が休憩していた。
その光景に少し、うんざりした。
8:46 峰の茶屋到着
峰の茶屋到着 大丸方面への道へ
休憩所から西を見るがガスで見えない
峰の茶屋には多くの団体客がいた。
反対方向から来る私に対して、どこから来たのかと尋ねる人も居た。
当たり前だが、皆さんこれから登るようである。
しかし、この時間ともなると天気予報のとおり雲行きが怪しい。
目の前の茶臼岳は濃いガスがかかり、その姿は見えない。
さらに朝日岳、三本槍岳方面にも黒い雲が垂れ込めていた。
私は小屋から少し離れた、大丸方面に向かう途中にある休憩所で休憩を取った。
上着を脱ぐ。
汗だくである。
ここで、水分とおにぎりを2つ食べた。
そして、ここまでの記録をメモする。
朝日岳で出会った人が茶臼岳から降りてきた。
風が強く、汗に濡れた私の体を冷やした。
ラジオはいつもの「おしゃべりキャッチミー」が流れていた。
東海道線が茅ヶ崎で停まっているらしい。
おかしい情報であった。
団体客が西方向のルートを取り、茶臼岳に向かっていった。
荷物を詰めなおし、私は出発した。
9:00 峰の茶屋跡出発
天候は優れなかった。
灰色の雲が茶臼岳を覆っていた。
私は、あまり人が通っていない道のほうを選んだ。
山頂に向けて1本の道が伸びている。
誰も歩いていない。
茶臼岳登山道
ザッザッザと砂礫のような道を進んでいく。
斜度があり、ひたすら長い上りである。
途中、登山客2名とすれ違った。
それぞれ、男性、女性で、ソロであった。
茶臼岳外輪の標識を越えると、ほんとに急な岩場の登りだった。
茶臼岳の外輪山標識
一歩一歩、踏みしめるように登っていく。
辺りはもう硫黄の匂いで充満している。
茶臼のお鉢への道
茶臼岳のお鉢の周囲に到着した。
お鉢めぐりの標識
ここから反対方向に見える茶臼岳山頂を目指す。
ロープウェイから登ってきたのであろう。
左手方向に軽装の若い男性客が3人ほどいて、大きな声でしゃべっている。
お鉢を左回りに回り始めた。
風が強い。
真ん中には大きなカルデラが広がっている。
しかし、もうこの釜自体は長い間活動していないらしく、岩の間に緑の草が生えていた。
大きなお鉢 鉢の底
丁度、鉢の北側に来たところで、強い硫黄臭が鼻をついた。
活発な火山活動からの噴煙がここまで届いているようである。
茶臼岳北側の噴煙 茶臼岳北側の噴煙2
9:26 那須岳神社(茶臼岳山頂)到着
茶臼岳山頂の神社 茶臼岳山頂の鳥居
那須岳神社は鉢の西側に位置する。
ゴロゴロと大きな岩場が噴火の威力を物語る。
岩場の間に鳥居と社がこじんまりとある。
先着のロープウェイ客がたくさんいた。
大きな声で話しながら写真を撮っていた。
これから朝日、三本槍に向かうご夫婦にも出会った。
私が、これから下山であることを伝えると、三本槍までどれくらいとか
いろいろ尋ねてきた。
一行が去ったあと、ゆっくりと山頂を楽しんだ。
南西の山々の緑が綺麗であった。
太陽はすでに真夏の日差しであった。
南月山方面を望む
9:30 那須神社(茶臼岳山頂)出発
ここからは一路、ロープウェイの山頂駅を目指した。
山頂から鉢づたいに歩くとすぐに、駅への下山道となる。
山頂駅はここから目で確認することもできるし、駅からのアナウンス音が
興ざめするくらい聞こえてくる。
9時40分のロープウェイがもうすぐだというアナウンスがあったが、早々にあきらめた。
10時丁度くらいに乗れればいいやという気持ちであった。
この下山道もなかなか険しい。
途中、何人かの人にあったが、みなさん軽装で靴も登山用ではない。
中には5歳くらいの姉妹も居たり。
手軽にここまで来れるものなんだなあと改めて思った。
岩場を慎重に降りていると、奇岩があったり、南方の山々が見えたり、景色に富んでいる。
火山灰で出来た赤い大地 茶臼岳下山道の標識
茶臼岳からの下山道 南月山方面を望む2
削られた岩
そして、最後は富士山の砂走りのような下りになる。
砂に身を任せるように、ザッザッザと勢いよく下りた。
最後に、また右足をひねったが、きっちり靴でサポートしていたため幸いなんともなかったが・・。
今回の教訓としよう。
眼下に那須温泉街が広がる ロープウェイ山頂駅
栃木の景勝百選 那須岳の遊歩道看板
9:50 那須ロープウェイ山頂駅到着
10時の便に間に合った。
山頂の駅には団体客が大勢いて、皆さんこれから下山されるようであった。
山頂駅には那須岳の自然の模型などが置かれていた。
冷たいジュースを買い、一気に飲みきる。
ロープウェイに乗り込み、下山した。
車窓からは那須岳の大自然が一望できた。
今の季節、新緑が濃い。
ロープウェイ車内 ロープウェイ車窓から
10:05 那須ロープウェイ山麓駅到着
ロープウェイ駐車場から茶臼岳を望む 愛車
麓の駐車場はもう車で一杯となっていた。
夏の日差しが車を焦がし、辺りを蒸し返していた。
バイクに近づき、ザックを下ろす。
肩の荷が下りたとはこのことだろう。
遠くで鳥のさえずりが聞こえていた。
1時間半の遅れをもって出発したが、予定よりも1時間程度早く下山することができた。
疲れていたが、帰路に着くことにした。
以下、帰路の話。。
この後、ボルケーノハイウェイを戻った。
途中、国民宿舎のようなところに「立ち寄り湯」と書かれていたので、入ろうと思ったが
12時からの営業だったので、ここはダメだった。
殺生石の大きなヘアピンカーブを曲がった後、すぐに那須観光協会の建物が見えた。
そこに寄って、今やっている立寄り湯を尋ねてみた。
すると、手馴れた感じで、一枚のプリントが出てきて、この辺りの温泉が記載されていた。
恐らく、みんな聞いていくのだろう。
私はとりあえず一番安くて、今やっているところを目指した。
が・・・、途中に「源泉掛流し」の看板があるではないか。
入浴料も400円と安い。
その名は「鹿の湯温泉」であった。
鄙びた旅館に併設された温泉施設であった。
駐車場にバイクを停め、のれんをくぐる。
番台のようなところにおじさんが居て、先客の人と話していた。
鹿の湯温泉 鹿の湯温泉入口と250TR
400円を払い、タオルを借りて、風呂に入った。
全体が桧で出来たきれいな風呂だった。
私が入ったタイミングで、先に入っていたひとが出てきた。
採光用の部分から日差しが良い感じで差し込んでいて、風呂の中を照らしていた。
風呂は乳白色の硫黄の匂いが強い泉質だった。
普通の風呂、熱めの風呂、露天風呂があった。
少し薄暗いのが、なんとも言えない雰囲気を醸し出していた。
滑らかな湯で、肌がすべすべになり、昨夜からのロングドライブと登山で疲れた私の体を
心から癒してくれた。
長く浸かっていても、まったくのぼせることなく、適度な温度であった。
11:00 鹿の湯温泉出発
那須温泉街
那須温泉街をバイクで抜けていく。
時刻も昼前となり、次の目的地、宇都宮へ向かう。
国道4号を目指して、13号を下る。
すると途中の道でスロットルをどんなに開いても、反応が悪くなってきた。
エンストであった。
サブタンクに切り替え、走行する。
走行距離的にはそんなに走っていなかった(100キロ程)が、キャブレターを前回にしていたためか、エンストとなった。
2、3のガソリンスタンドをパスし、そろそろやばいかなと思ったところで、スタンドを発見し、入った。
満タンにしてもらったが、かなり金額が高かった。
国道4号でのんびり宇都宮を目指そうと思ったが、那須ICの標識が見えたとたん、高速で行こうと切り替える。
那須ICから東北道に乗り、南下する。
正午近くなり、気温が上がっているせいか、風が強く感じた。
100キロ近く速度を出すと、少しの横風でよろめくような感じがした。
30分ほど高速を走っただろうか。
宇都宮ICで下りる。
ICを降りてから方向を間違えたが、すぐに修正し、バイパスに乗り、宇都宮市街へ向かった。
以前来た事があったので、ほとんど間違えることなく宇都宮市街まで到着することができた。
が・・・、その宇都宮市街で迷ってしまった。。
以前行った事のある餃子屋さん周辺にいこうと思っていたのだが、まったく違うところに出てしまう。
バイクなので、小回りが利く分、いいのだが・・。
30分ほどかかったろうか、やっとこ目的地周辺に着いたので、おもいっきりスナックの前に路駐した。
そして、その先にある小道を入り、「正嗣」という餃子屋さんの前に立った。
店の前には10名ほどの列ができていた。
以前、着たときには、この店は営業してなかった。
ちょっと先にある、「みんみん」という餃子屋さんも相変わらずすごい行列であった。
列に並ぶ。
カップルばかりである。
そして、私はバイク用の服装なので、髪型も含めかなり怪しい。
そそくさと帽子をかぶるが、余計に怪しさが増す。
並んではみたものの、あまり腹が減っていないことに気付く。
「焼き」を2人前程度食って帰ろうかと思っていたが、とりあえず土産用を2人前買うことにした。
その間も行列は増えていく。
私の順番になって、土産用を頼むと、中のおばちゃんが
「持ち帰りなら、並ばなくてもよかったのに・・。ごめんね~。」と言ってくれた。
ま、途中まで食べる気だったので、問題ないんだけど。
約15分ほど並んだだろうか。
中ではカップルたちが大量の餃子を食っていた。(前のカップルは焼き8の水5ほど食ってたなあ~)
ちなみに、このお店、ライスやビールはありませんので注意を!
保冷してもらったパックをザックに詰め込んだ。
ザックはなぜかパンパンだった。
路駐していたバイクも気になっていた。
無事、そこにあった。
そして一路、東北道を目指した。
が・・・。また、迷う。
以前のうろ覚えの記憶をたどるが、今回はまったく出てこない。。
ここでも30分ほど迷ったろうか・・・。標識に従い、なんとか那須ICまでたどり着くことができた。
途中、松並木の間を走った。
そして、高速に乗る前に今回3度目の給油を行った。
那須ICから高速に乗車した。
時間は1時半頃だっただろうか。
すっかり午後の田園風景となっていた。
高速のランプアイを鋭く曲がり、本線へと合流した。
高速を走る。
やはり風が強い。
そして、何より疲労が濃い。荷物が肩に食い込んできている。
気温のせいか、サドルに大量の汗がにじむ。
ときおり、立って風を当てる。
佐野SAを通り過ぎた。
宇都宮で餃子を食わずに出てから、途中、必ず佐野ラーメン を食べようと思っていたのだが
ここは通りすぎた。
行きの佐野SAでおいしそうに見てから、計画していたのだが・・。
館林ICを過ぎたあたりで疲労がピークになってくる。
交通量も多くなってきていた。
インフォメーションの看板に、蓮田のPAは混雑していると出ていたので、羽生のPAに寄る。
ここで、佐野ラーメンを食べた。
残していたおにぎりも、最後の1つを食べた。
めちゃくちゃおいしかった。
もっと食べていたかった。
佐野ラーメン2
ソファーのような席で少しゆったりくつろいだ。
帰路はまだまだ先が長い。
バイク置き場に戻ると、さっきまでは無かったバイクが所狭しと停まっていた。
ローギアに入れて停めていた(エンスト)ので、ニュートラルに戻し、出発する。
たくさんのバイカーに見られていると思うと緊張した。(自意識過剰なのだが)
時間はすでに15時半を経過していた。
蓮田PAは空マークが点灯していた。
埼玉県に入る。
やはり、肩に荷物が食い込んでくる。
肩の筋肉が凝り固まっている感じだ。
浦和ICあたりにくると、大きな埼玉スタジアム2002が見えた。
車が多くなってきてた。
川口JCTを通過。
外環道へと合流する。
外環道も車が多い。
荒川を越え、和光ICで降りた。
最初に書いたとおり、大泉まで行ってもなんの問題もなかったであろうに。。
和光ICを降りるとすぐに、混乱した。
昨日(夜中)来た記憶がまったくないのだ。
信号待ちで、1つ目の交差点を左折する。
なんとなく昨日通ったなという記憶で走っていくと、すぐに全く違うことに気づく。
どうやら254号に合流できてたようである。
成増駅付近を通過した。
池袋まで10キロまでの表示が出ている。
谷原という標識が見えたので左折する。
光が丘公園の中を通過していく。
道も分からず、本当に疲れてくる。
ようやく笹目通り(環八)に合流することができた。
しかし、環八も恐ろしく混んでいた。
バイク特有のすり抜けをやればよかったのだが、なにせそのコツがわからない。
慣れたバイクはスルスル抜けていく。
まるで、それが当たり前かのように。
瀬田あたりまで渋滞は続いた。
そこから玉川のICから第三京浜に乗った。
日は傾き、うっすらと夕暮れが見えていた。
第三京浜は空いていた。
ここからも日産スタジアムが見えた。
横浜新道への合流手前で、SAに立寄る。
ジュースを一飲みして、出発する。
横浜新道を降りると、いつものように国道1号線が戸塚付近で渋滞していた。
が、ここぞとばかりに、先ほど習得したすり抜けテクニックを披露してやった。
流石に速い。
これって、どこまでが合法なのだろうか?!
辺りは今にも雨が降り出しそうなくらい曇っていた。
藤沢から茅ヶ崎にかけての1号線も混んでいたため、裏道に入る。
いつも自転車で通ってる道である。
250クラスだと、こういう道を通れるから良い。
6時前に自宅に無事到着した。
体はくたくたであった。
すぐに風呂に入り、冷たいシャワーを浴びた。
チェックポイント名 | 到着時刻 | 出発時刻 | 所要時間 |
---|---|---|---|
那須ロープウェイ駐車場 | - | 05:24 | - |
峰の茶屋跡 | 06:00 | 06:05 | 00:36 |
朝日岳の肩 | 06:25 | 06:25 | 00:20 |
朝日岳 | 06:30 | 06:35 | 00:05 |
朝日岳の肩 | 06:40 | 06:40 | 00:05 |
熊見曽根東端 | 06:45 | 06:47 | 00:05 |
北温泉分岐 | 07:08 | 07:08 | 00:21 |
三本槍岳 | 07:30 | 07:40 | 00:22 |
北温泉分岐 | 07:57 | 07:57 | 00:17 |
熊見曽根東端 | - | - | - |
朝日岳の肩 | 08:10 | 08:28 | 00:13 |
峰の茶屋跡 | 08:46 | 09:00 | 00:18 |
那須岳神社 | 09:26 | 09:30 | 00:26 |
那須ロープウェイ山頂駅 | 09:50 | 10:00 | 00:20 |
那須ロープウェイ駐車場 | 10:04 | - | 00:04(ロープウェイ) |
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日本百名山 其之捌 那須岳 前編
2008/6/27 (金)
今回は那須岳を目指す。
梅雨空が気になって、何度も天気予報を確認していたが、どうやら曇りの予報は変わらないようであった。
しかし、日曜はもっと悪く、雨の予報。
本当に悩んだが、決行することに決めた。
仕事を早めに切り上げ、19時頃帰宅。
それから荷造りを始めた。慣れたもので、20分程度で完了する。
予定では21時に眠りにつく予定であった。
その後、バイクのガソリンを満タンにしに行った。
そろそろメインタンクが空になりそうだったので、給油に行ったのだが、案の定、エンジン始動時にガス欠となった。
サブタンクに切り替え、キャブを全開にしてエンジンをかける。
相変わらず、久々すぎてかかりが悪い。
梅雨が一休みしていた初夏の夜をバイクで流す。
半袖に夜風が心地いい。
昨今のガソリン高騰をうけているのか、満タン価格がやはり高くなっていた。
帰宅後、風呂に入り、熱いシャワーを浴びる。
20時少し過ぎたあたりだろうか、風呂を出る。
カレーを食べながら、今回のルートを検討する。
まずは登山道からだ。
目的の那須岳は栃木県と福島県の県境にある火山帯である。
主峰としては3つあり、朝日岳、三本槍岳、茶臼岳となる。
今回はこの3つのピークを目指す、比較的ポピュラーなコースをとることにした。
次にバイクのルート検索だ。
ネットで検索する。
戸塚ICから横浜新道に乗り、第三京浜、環八、外環道、東北道というルートが速そうだ。
しかし、ETC料金は深夜ともなるとかなり安い。
今回の走行予定の時間は深夜。
那須には夜明け前に着きたいと考えていた。
夏山はやはり、夜明けに限る。
天候も晴れているケースが多いし、なにより空気が澄んでいる。
それに人も少ないし、涼しいので最高のコンディションとなる。
時間的には3時、4時には到着しておきたいと考えていた。
やはり予定通りにはいかないものだ。
それはいつものことなのだが・・・。
21時に寝る予定が22時となっていた。
2008/06/28 (土)
0:10 起床
22時に寝床についたが、なかなか眠りにつくことはできなかった。
知らない間に眠ってはいたが、実質1時間程度眠ったか眠らなかったかだろう。
しかし、体に疲れはない。
脳もさえていた。
すっと、床から出ることができた。
顔を洗い、服を着替える。
外ではまだ、人の声がする。
水分や食料を最後に詰め、出発となる。
やはり0時過ぎだとまだまだ気温が高い。
今回は前回の伊豆の教訓から手袋を装着、防寒対策を万全にした。
ヘルメットをかぶり、250TRにまたがる。
サブタンクにしたままのレバーを、元のメインタンクに戻し、エンジンをかける。
ドッドッドドド・・と単気筒特有の低く軽いエンジン音が夜の街に響いた。
0:35 出発
終電帰りの人々を横目に街をすり抜けていく。
この季節、この時間帯の風は本当に心地がいい。
国道1号を走る。
道は空いていた。
戸塚の料金所から横浜新道に乗る。
10分ほどで第三京浜へ流れる。
久々の高速走行で、やや緊張していた。
100キロ近くなると、やはり風圧、音、振動でビビッてくる。
1:20 第三京浜終点
第三京浜の終点で料金を支払い、左にバイクを寄せ、しばし停車する。
時間を確認すると1時20分だった。
自宅を出てから約40分ほどで、ここまで来ることができた。
かなり順調である。
第三京浜を降りてからは、環八を北上する。
関越道を利用するときに、この道を利用していたので、初めてではなかった。
環八はいつも通りであった。
混んでいるのか、混んでいないのか分からないが、車の量は多かった。
しかし、流れが滞ることはなかった。
谷原の交差点を左折することなく、北上し、そのまま標識のとおり、和光ICから外環道に乗った。
(後で調べてみると、やはり大泉から乗ったほうが、よいような気がするのだが・・。)
1:55 東京外環道乗車
和光ICの小さな料金所でお金を払い、合流。
荒川を越えると10分程度で川口のジャンクションに到着し、東北道となった。
2:10 東北道乗車
出発から1時間40分程度。
やはり環八で時間がかかったようだ。
このあたりまで1時間で来れると、かなり楽になると思われるのだが・・。
東北道は順調な流れだった。
片道3車線の大きな東北道を北上する。
深夜はトラックが多い。
この頃になるとスピードにも大分慣れ、100キロ越えはそこまで苦ではなかった。
そうなると左車線走行中の大型貨物トラック等のスピードには耐えられなくなってきて
追い抜いていくのだが、大型車をパスした後の気流?か何かで車側へ引っ張られそうな感じを受けた。
本当は左車線を100キロ程度で軽く流していたいのだが、やはり速度が合わないのか
大型トラックとぶつかってしまうのであった。
(追い抜くときはそれなりの気構えが必要となり、結構疲れてしまうのであった。)
2:45 佐野SA到着
東北道に乗って30分ほど経過したころ、佐野SAに到着した。
2時を過ぎたあたりから、気温がグッと下がり、風が冷たく体力を奪っていった。
東北道も片側2車線ほどになり、車道の電灯もなくなり、真っ暗な道となっていた。
連続運転からの疲れもあり、佐野SAで休憩を取ることにした。
佐野SA
トイレに入ってから、暖かい缶コーヒーを買い、室内で「HighWay Walker」を読みながら休憩する。
宇都宮、那須まではまだまだ距離があった。
丁度ここらあたりで出発から150キロほどだったので、給油することにした。
10分程度の休憩後、SA隅にあるガソリンスタンドに立ち寄る。
満タン入れてもらった。
寒さと夜のさびしさを紛らわすために、ラジオを取り出し、イヤホンを耳にいれ、ヘルメットをかぶった。
この行為は危険な行為であると認識していたのだが・・。
ラジオからはオールナイトニッポンが流れていた。
そのまま出発したのだが、走りだすとイヤホンから、けたたましいノイズが流れてくる。
そのノイズはどうやら、スロットルの開閉に連動しているらしく、スロットルを開いた状態だと常にノイズが入った。
残念ながら、この計画はポシャってしまった。
ラジオのスイッチを左手で切り、夜の闇が濃い高速道路に戻った。
しかし、このイヤホン装着に意外な効果があったように思う。
走行中のエンジン音やら、風の音やらが軽減するのである。
当たり前といえば、当たり前なのだ。
走行中はまったく気づかなかったのだが、なぜか走行に安定性が増したような気がしていた。
スピードに対する恐怖心も軽減されていたように思う。
滑らかな高速運転ができていた。
それに気づくのは実は、帰りの高速道路であった。
この方法は有効なのであろうか?調べてみたいと思った。
ただ、気圧を調整しているのか、唾液を飲むたびに「キュィイイン」という甲高い音が頭に響いた。
3:30 北河内PA到着
北河内PAに到着する直前くらいから、夜が明け始めていることに気づいた。
予想外であった。
この時間帯にはもう目的地に到着し、登り始めていたかった。
寒さと疲れと空腹のため、仕方なくこのPAに立ち寄った。
早暁の登山はあきらめざるを得なかった。
PA内で朝食を摂った。
昨夜来、何も口にしていなかった。
きつねそばを注文し、持ってきたおにぎりを1つ食べた。
かなり体力が回復し、もう一踏ん張りする気になった。
4:00 北河内PA出発
外はもう完全にしらみ始めていた。
朝霧が立ち込めたようにあたりは白かった。
那須ICに向けて走っていると、高速はのどかな田園のなかを抜けていく。
那須はやはり酪農家が多いのか、牛の糞のにおいが漂ってくる。
それは決して嫌なにおいではなく、芳醇なといおうか、人の営みの自然なにおいであった。
もうすでに朝日が顔を出しており、家畜小屋のサイロが照らされていた。
4:36 那須IC到着
すっかり朝となっていた。
ICで料金を支払い、バイクを停めて地図を広げる。
ICからの詳細なルート検索はまったくしていなかったため、ここで初めてこの辺りの地図を確認する。
17号をまっすぐに北上すれば目的に到着できそうだ。
予定よりも30分ほど遅れていたため、急いでICを後にした。
那須の街は朝日に照らされているが、まだ靄がかかっている感じだった。
道路には車、人がまったく見当たらない。
北上した。
途中から林に入る。涼しげな空気が顔を撫でる。
周りには観光客向けのペンションや温泉や、土産物屋などが並んでいる。
コンビニに立ち寄り、カップラーメンを買う。
17号を走っていると、料金ゲートが見えてくる。
この先は有料らしい。
このことは想定外だったので、少しびっくりした。引き返そうかとも思った。
ゲートに近づいていくと、中には誰もいなかった。
スルスルとゲートを抜けようとしたとき、そのゲートの向こうに人が見えた。
車の荷台から何か降ろそうとしていた。
おそらく、ここのゲートの職員なのであろう。
無視して、走り去った。
ここからは山道となる。カーブが多くなる。
カーブでスローイン・ファストアウトの練習をしてみるが、ときたま速度を落としきれず
コースからはみ出してしまうほど、膨らんでしまう。
対向車がいると事故になるのだろうと、肝を冷やす。
かなり斜度のある山道でギア3くらいがちょうどよかった。
那須の温泉街のような町並みを抜けていく。
あたりは流石に硫黄のにおいが立ち込めていた。
東の空には完全に朝日が昇っていた。
途中の展望台のような広場にバイクを停めて、見晴らしてみる。
那須の山だろう、眼前にそびえている。
遠くまで見渡せるのだが、下界には雲が掛かっていて、町並みまでは見えなかった。
途中の展望台から那須市街を望む 展望台から那須岳を望む
展望台
再出発してすぐにロープウェイ乗り場が見えたので、そこの駐車場に停車した。
那須ロープウェイ1 駐車場にて
駐車場から茶臼岳を望む 駐車場から朝日岳を望む
那須ロープウェイ2
5:08 那須岳登山口到着
バイクを停めて、登山の準備をしていると、他の登山客が車で通過していった。
やはり、少し遅かったようだ。
準備を急いだ。
5:24 ロープウェイ駐車場出発
予定では4時スタートだったが、約1時間半遅れのスタートとなってしまった。
しかし、天気は予報を外して、本当に綺麗に晴れていた。
ロープウェイ乗り場から登山口に向かっての道を登っていく。
途中の駐車場には何台かの車が停まっていて、これから登ろうとしている人たちの姿も見えた。
ロープウェイ乗り場の標識 那須ロープウェイの標識
ロープウェイ乗り場からの階段
峠の茶屋や那須登山連絡所を通過する。
峠の茶屋の標識 峠の茶屋の駐車場
峠の茶屋からの山道と鬼面岳 峠の茶屋
峠の茶屋2 峠の茶屋の登山案内板
那須岳登山指導所
整備された道を登っていくと、すぐに神社のようなものが現れる。
2匹の狛犬の間を抜けると、いっきに登山道となる。
岩が湿っている。
登山口 登山口の狛犬さん
少し、狭い林のなかを歩いていくと、一気に目の前が広がる。
左に壮大な茶臼、右に朝日岳が現れて、目の前には峰の茶屋までの一本道が出現する。
笹原の説明 登山道1
途中のケルン
岩場には最初、道という道がないので、黄色の目印をたよりに登っていく。
左手に茶臼岳を見上げる 右手に朝日岳を見上げる
上から見ると、この道は断崖の上であった。
かなり傾斜がある道であった。
少し登ると右手方向に峰の茶屋らしき小屋が見えた。
駐車場から1時間を見積もっていたが、そこまでかからなそうであった。
峰の茶屋への道
前には先客が数人いた。
途中、一人の年配の男性を追い抜いた。
追い抜く行為はままあるのだが、今回は、この人の闘争心に火をつけてしまったのだろうか?
後々、この人とは道中、ご一緒することになるのだが。
太陽は高くなっていた。
汗が出ていた。
アルプスのような景色を前に登って来ると、そこが峰の茶屋(非難小屋)だった。
6:00 峰の茶屋通過
峰の茶屋は茶臼岳と剣ヶ峰の丁度、鞍部に位置していて、那須岳の主要三山にアクセスするためには必ず通るポイントである。
南方向に茶臼岳からの登る噴煙が見える。
活火山なのだということを改めて感じさせる。
ここで、一息ついた。上着を脱ぎ、水分補給する。
小屋の周りを散策していると、先ほどパスした人が登ってきた。
そして、休憩を取らずにそのまま朝日岳方面へ消えていった。
峰の茶屋1 峰の茶屋のケルン
茶臼岳の噴煙 那須市街を望む
峰の茶屋の石碑 熊見曽根と隠居倉
5分くらい休憩して、再出発した。
先に行った男性の姿はもうなかった。
ここから朝日岳に向かった。
6時のニュースを聴こうと思い、ラジオをつける。
剣ヶ峰の山肌伝いにできた岩場の道を歩いていく。
剣ヶ峰の裏側に朝日岳の雄々しい山肌が現れる。
ゴツゴツした岩場で、山の尾根肌を歩いていく感じだった。
左右は崖になっているところが多く、傾斜も急で非常に体力がいる。
2つ3つのピークを越えると、景色が広がる。
朝日岳の肩というところに到着する。
イワカガミ 那須岳の渓谷
剣が峰の奇岩 剣が峰
隠居倉の頂 朝日岳への山道
峰の奇岩たち 登山道2
快晴の福島方面 足場が恐ろしく不安定
6:25 朝日岳の肩通過
朝日に照らされる朝日岳の肩 朝日岳の肩
朝日岳の肩のケルン 肩から朝日岳を望む
この肩から東方向に朝日岳のピークが見える。
岩がゴロゴロしているなかに、きれいなハイマツの群生が見える。
ハイマツ
先に3人ほど人がいた。
頂上から両手にストックを持った男性が降りてきて、途中すれ違った。
広大なスロープを登っている感じがした。
朝日がまぶしかった。
6:30 朝日岳到着
神々しい朝の風景であった。
那須の山々が一面に広がり、下界との隔世を感じる。
遠望はできないが、あたりは晴れ渡っており、まるで登頂を祝福してくれているようであった。
「朝日岳」と呼ばれる所以が分かった気がした。
朝日岳山頂 中の大倉尾根と赤面山
東方面の鬼面山と飯盛山 山頂の鳥居と茶臼岳
先着の男性が(先ほど峰の茶屋でパスされた人だが)、朝日岳の山頂をバックに写真を撮ってくれと
頼んできたので、快く引き受けた。
男性が言うには「証拠写真」ということであった。
撮り終えると男性は、すぐ下山していった。
残りの男性2人はゆっくりと遠くを眺めていた。
「あれが茶臼ですよ」とか、「ここがね・・」とか言いながら。。楽しそうであった。
この辺りの登山者はやはり地元の方が多いのか、かなり訛が強い。
この時間から登っている人は、やはり地元の人なのだろう。
私も、そこで幾枚かの写真をとり、男性2人よりも先に下山した。
朝日岳を下る先には熊見曽根東への道が一本伸びていた。
那須の町並み 雄大な茶臼岳と峰の茶屋
隠居倉、大峠山、1900峰 ハイマツのトンネル
6:35 朝日岳出発
人は少なく(ほぼ登山客0の状態)、軽快に先へ向かった。
朝日岳の肩を通り過ぎると、また、尾根づたいに岩場をたどっていく。
途中にいくつかのケルンがあった。
熊見曽根のケルン
6:45 熊見曽根通過
尾根づたいなので、数回のアップダウンがある。
途中、両ストックの男性をパスした。
彼のザックのサイドのボトルの中身が気になったので、尋ねてみた。
「これ、何が入ってるんですか?」
私は、そこには貝殻が入っているように見えていたので、何故そんなものをここに持ってきているのかが
気になっていたのだが、答えは違った。
「これ、ナッツですよ。」
答えは行動食であった。
ボトルにたくさんの木の実のようなものが詰まっていて、いつでも取り出せるような感じであった。
これなら、行動食も楽しく食べられるのではないかと思った。
1900峰への山道
そうしているうちに1900峰に辿り着いていた。
ここからは、これから進む清水平が眼下一面に見える。
そして左手方面に三本槍岳の姿が少し見える。
全体が木々に覆われている感じだ。
清水平への下り 中の大倉尾根と赤面山2
下りであった。
木でできた階段を下りて行く。長い。
これを戻るのだと思うと少し食傷気味になってしまうくらいの下りだ。
足をくじかないように集中して下っていく。
木の階段から、岩の階段に変わっていく。
下りきった。
辺りは一面の湿原地帯であった。
白馬乗鞍の湿地帯のような、木の板で作られた道を歩いていく。
このあたりは湧水があり、山々の間にできた平地であることから、水が溜まるらしい。
コツコツと気持ちのよい音を立てて歩いた。
前方に先ほどの男性が見えていた。
清水平の木道 清水平の湿地帯
清水平最後の広場に出た。
この先はハイマツや低木のトンネルのような道となっていて、私のような大の大人が通ると
確実にまわりの枝に、体やザックが引っかかった。
そして足場は湿っていて滑りやすい。
あり得ないくらいの狭い岩場があったりする。
しかし、よく見てみるとハイマツの赤い花や瑞々しいコケ類が目を楽しませてくれる。
清水平案内板 露にぬれる草木
ハイマツの花 笹のトンネル
7:08 北温泉分岐通過
北温泉分岐の標識
本当に狭いトンネルのような道を抜けていく。
深い穴のようなところに遭遇したりする。
前方に先ほどの男性が、もう手の届くところにいた。
少し気まずかったので、歩く速度を緩める。
下りきったあとは三本槍岳への上りとなる。
相変わらず、ここも低木やハイマツのトンネルだ。
所々で、そのトンネルが切れて、一面の景色を望める場所がある。
そこに立って、来た道や福島方面を望んでみる。
雄大な景色だった。
まるで恐竜でも出そうな原野の風景だった。
残雪が所々にあった。
三本槍岳への登りから西郷村方面を望む 三本槍岳を見上げる
前方で男性たちの話し声が聞こえていた。
先ほどの男性だろう。
同じでタイミングで私も休憩をとった。
先へ上っていく。
話していた男性の一方の方が休まれていた。
「いや~速いねえ~。」
男性は気さくに話しかけてきた。
山頂まではもう少しであった。
斜度としてはそこまで無いが、やはりきつい。
登りきると山頂付近の平地に出る。
左右は木々やハイマツばかりであった。
そこを抜けると、三本槍岳の山頂であった。
後編へ
今回は那須岳を目指す。
梅雨空が気になって、何度も天気予報を確認していたが、どうやら曇りの予報は変わらないようであった。
しかし、日曜はもっと悪く、雨の予報。
本当に悩んだが、決行することに決めた。
仕事を早めに切り上げ、19時頃帰宅。
それから荷造りを始めた。慣れたもので、20分程度で完了する。
予定では21時に眠りにつく予定であった。
その後、バイクのガソリンを満タンにしに行った。
そろそろメインタンクが空になりそうだったので、給油に行ったのだが、案の定、エンジン始動時にガス欠となった。
サブタンクに切り替え、キャブを全開にしてエンジンをかける。
相変わらず、久々すぎてかかりが悪い。
梅雨が一休みしていた初夏の夜をバイクで流す。
半袖に夜風が心地いい。
昨今のガソリン高騰をうけているのか、満タン価格がやはり高くなっていた。
帰宅後、風呂に入り、熱いシャワーを浴びる。
20時少し過ぎたあたりだろうか、風呂を出る。
カレーを食べながら、今回のルートを検討する。
まずは登山道からだ。
目的の那須岳は栃木県と福島県の県境にある火山帯である。
主峰としては3つあり、朝日岳、三本槍岳、茶臼岳となる。
今回はこの3つのピークを目指す、比較的ポピュラーなコースをとることにした。
次にバイクのルート検索だ。
ネットで検索する。
戸塚ICから横浜新道に乗り、第三京浜、環八、外環道、東北道というルートが速そうだ。
しかし、ETC料金は深夜ともなるとかなり安い。
今回の走行予定の時間は深夜。
那須には夜明け前に着きたいと考えていた。
夏山はやはり、夜明けに限る。
天候も晴れているケースが多いし、なにより空気が澄んでいる。
それに人も少ないし、涼しいので最高のコンディションとなる。
時間的には3時、4時には到着しておきたいと考えていた。
やはり予定通りにはいかないものだ。
それはいつものことなのだが・・・。
21時に寝る予定が22時となっていた。
2008/06/28 (土)
0:10 起床
22時に寝床についたが、なかなか眠りにつくことはできなかった。
知らない間に眠ってはいたが、実質1時間程度眠ったか眠らなかったかだろう。
しかし、体に疲れはない。
脳もさえていた。
すっと、床から出ることができた。
顔を洗い、服を着替える。
外ではまだ、人の声がする。
水分や食料を最後に詰め、出発となる。
やはり0時過ぎだとまだまだ気温が高い。
今回は前回の伊豆の教訓から手袋を装着、防寒対策を万全にした。
ヘルメットをかぶり、250TRにまたがる。
サブタンクにしたままのレバーを、元のメインタンクに戻し、エンジンをかける。
ドッドッドドド・・と単気筒特有の低く軽いエンジン音が夜の街に響いた。
0:35 出発
終電帰りの人々を横目に街をすり抜けていく。
この季節、この時間帯の風は本当に心地がいい。
国道1号を走る。
道は空いていた。
戸塚の料金所から横浜新道に乗る。
10分ほどで第三京浜へ流れる。
久々の高速走行で、やや緊張していた。
100キロ近くなると、やはり風圧、音、振動でビビッてくる。
1:20 第三京浜終点
第三京浜の終点で料金を支払い、左にバイクを寄せ、しばし停車する。
時間を確認すると1時20分だった。
自宅を出てから約40分ほどで、ここまで来ることができた。
かなり順調である。
第三京浜を降りてからは、環八を北上する。
関越道を利用するときに、この道を利用していたので、初めてではなかった。
環八はいつも通りであった。
混んでいるのか、混んでいないのか分からないが、車の量は多かった。
しかし、流れが滞ることはなかった。
谷原の交差点を左折することなく、北上し、そのまま標識のとおり、和光ICから外環道に乗った。
(後で調べてみると、やはり大泉から乗ったほうが、よいような気がするのだが・・。)
1:55 東京外環道乗車
和光ICの小さな料金所でお金を払い、合流。
荒川を越えると10分程度で川口のジャンクションに到着し、東北道となった。
2:10 東北道乗車
出発から1時間40分程度。
やはり環八で時間がかかったようだ。
このあたりまで1時間で来れると、かなり楽になると思われるのだが・・。
東北道は順調な流れだった。
片道3車線の大きな東北道を北上する。
深夜はトラックが多い。
この頃になるとスピードにも大分慣れ、100キロ越えはそこまで苦ではなかった。
そうなると左車線走行中の大型貨物トラック等のスピードには耐えられなくなってきて
追い抜いていくのだが、大型車をパスした後の気流?か何かで車側へ引っ張られそうな感じを受けた。
本当は左車線を100キロ程度で軽く流していたいのだが、やはり速度が合わないのか
大型トラックとぶつかってしまうのであった。
(追い抜くときはそれなりの気構えが必要となり、結構疲れてしまうのであった。)
2:45 佐野SA到着
東北道に乗って30分ほど経過したころ、佐野SAに到着した。
2時を過ぎたあたりから、気温がグッと下がり、風が冷たく体力を奪っていった。
東北道も片側2車線ほどになり、車道の電灯もなくなり、真っ暗な道となっていた。
連続運転からの疲れもあり、佐野SAで休憩を取ることにした。
佐野SA
トイレに入ってから、暖かい缶コーヒーを買い、室内で「HighWay Walker」を読みながら休憩する。
宇都宮、那須まではまだまだ距離があった。
丁度ここらあたりで出発から150キロほどだったので、給油することにした。
10分程度の休憩後、SA隅にあるガソリンスタンドに立ち寄る。
満タン入れてもらった。
寒さと夜のさびしさを紛らわすために、ラジオを取り出し、イヤホンを耳にいれ、ヘルメットをかぶった。
この行為は危険な行為であると認識していたのだが・・。
ラジオからはオールナイトニッポンが流れていた。
そのまま出発したのだが、走りだすとイヤホンから、けたたましいノイズが流れてくる。
そのノイズはどうやら、スロットルの開閉に連動しているらしく、スロットルを開いた状態だと常にノイズが入った。
残念ながら、この計画はポシャってしまった。
ラジオのスイッチを左手で切り、夜の闇が濃い高速道路に戻った。
しかし、このイヤホン装着に意外な効果があったように思う。
走行中のエンジン音やら、風の音やらが軽減するのである。
当たり前といえば、当たり前なのだ。
走行中はまったく気づかなかったのだが、なぜか走行に安定性が増したような気がしていた。
スピードに対する恐怖心も軽減されていたように思う。
滑らかな高速運転ができていた。
それに気づくのは実は、帰りの高速道路であった。
この方法は有効なのであろうか?調べてみたいと思った。
ただ、気圧を調整しているのか、唾液を飲むたびに「キュィイイン」という甲高い音が頭に響いた。
3:30 北河内PA到着
北河内PAに到着する直前くらいから、夜が明け始めていることに気づいた。
予想外であった。
この時間帯にはもう目的地に到着し、登り始めていたかった。
寒さと疲れと空腹のため、仕方なくこのPAに立ち寄った。
早暁の登山はあきらめざるを得なかった。
PA内で朝食を摂った。
昨夜来、何も口にしていなかった。
きつねそばを注文し、持ってきたおにぎりを1つ食べた。
かなり体力が回復し、もう一踏ん張りする気になった。
4:00 北河内PA出発
外はもう完全にしらみ始めていた。
朝霧が立ち込めたようにあたりは白かった。
那須ICに向けて走っていると、高速はのどかな田園のなかを抜けていく。
那須はやはり酪農家が多いのか、牛の糞のにおいが漂ってくる。
それは決して嫌なにおいではなく、芳醇なといおうか、人の営みの自然なにおいであった。
もうすでに朝日が顔を出しており、家畜小屋のサイロが照らされていた。
4:36 那須IC到着
すっかり朝となっていた。
ICで料金を支払い、バイクを停めて地図を広げる。
ICからの詳細なルート検索はまったくしていなかったため、ここで初めてこの辺りの地図を確認する。
17号をまっすぐに北上すれば目的に到着できそうだ。
予定よりも30分ほど遅れていたため、急いでICを後にした。
那須の街は朝日に照らされているが、まだ靄がかかっている感じだった。
道路には車、人がまったく見当たらない。
北上した。
途中から林に入る。涼しげな空気が顔を撫でる。
周りには観光客向けのペンションや温泉や、土産物屋などが並んでいる。
コンビニに立ち寄り、カップラーメンを買う。
17号を走っていると、料金ゲートが見えてくる。
この先は有料らしい。
このことは想定外だったので、少しびっくりした。引き返そうかとも思った。
ゲートに近づいていくと、中には誰もいなかった。
スルスルとゲートを抜けようとしたとき、そのゲートの向こうに人が見えた。
車の荷台から何か降ろそうとしていた。
おそらく、ここのゲートの職員なのであろう。
無視して、走り去った。
ここからは山道となる。カーブが多くなる。
カーブでスローイン・ファストアウトの練習をしてみるが、ときたま速度を落としきれず
コースからはみ出してしまうほど、膨らんでしまう。
対向車がいると事故になるのだろうと、肝を冷やす。
かなり斜度のある山道でギア3くらいがちょうどよかった。
那須の温泉街のような町並みを抜けていく。
あたりは流石に硫黄のにおいが立ち込めていた。
東の空には完全に朝日が昇っていた。
途中の展望台のような広場にバイクを停めて、見晴らしてみる。
那須の山だろう、眼前にそびえている。
遠くまで見渡せるのだが、下界には雲が掛かっていて、町並みまでは見えなかった。
途中の展望台から那須市街を望む 展望台から那須岳を望む
展望台
再出発してすぐにロープウェイ乗り場が見えたので、そこの駐車場に停車した。
那須ロープウェイ1 駐車場にて
駐車場から茶臼岳を望む 駐車場から朝日岳を望む
那須ロープウェイ2
5:08 那須岳登山口到着
バイクを停めて、登山の準備をしていると、他の登山客が車で通過していった。
やはり、少し遅かったようだ。
準備を急いだ。
5:24 ロープウェイ駐車場出発
予定では4時スタートだったが、約1時間半遅れのスタートとなってしまった。
しかし、天気は予報を外して、本当に綺麗に晴れていた。
ロープウェイ乗り場から登山口に向かっての道を登っていく。
途中の駐車場には何台かの車が停まっていて、これから登ろうとしている人たちの姿も見えた。
ロープウェイ乗り場の標識 那須ロープウェイの標識
ロープウェイ乗り場からの階段
峠の茶屋や那須登山連絡所を通過する。
峠の茶屋の標識 峠の茶屋の駐車場
峠の茶屋からの山道と鬼面岳 峠の茶屋
峠の茶屋2 峠の茶屋の登山案内板
那須岳登山指導所
整備された道を登っていくと、すぐに神社のようなものが現れる。
2匹の狛犬の間を抜けると、いっきに登山道となる。
岩が湿っている。
登山口 登山口の狛犬さん
少し、狭い林のなかを歩いていくと、一気に目の前が広がる。
左に壮大な茶臼、右に朝日岳が現れて、目の前には峰の茶屋までの一本道が出現する。
笹原の説明 登山道1
途中のケルン
岩場には最初、道という道がないので、黄色の目印をたよりに登っていく。
左手に茶臼岳を見上げる 右手に朝日岳を見上げる
上から見ると、この道は断崖の上であった。
かなり傾斜がある道であった。
少し登ると右手方向に峰の茶屋らしき小屋が見えた。
駐車場から1時間を見積もっていたが、そこまでかからなそうであった。
峰の茶屋への道
前には先客が数人いた。
途中、一人の年配の男性を追い抜いた。
追い抜く行為はままあるのだが、今回は、この人の闘争心に火をつけてしまったのだろうか?
後々、この人とは道中、ご一緒することになるのだが。
太陽は高くなっていた。
汗が出ていた。
アルプスのような景色を前に登って来ると、そこが峰の茶屋(非難小屋)だった。
6:00 峰の茶屋通過
峰の茶屋は茶臼岳と剣ヶ峰の丁度、鞍部に位置していて、那須岳の主要三山にアクセスするためには必ず通るポイントである。
南方向に茶臼岳からの登る噴煙が見える。
活火山なのだということを改めて感じさせる。
ここで、一息ついた。上着を脱ぎ、水分補給する。
小屋の周りを散策していると、先ほどパスした人が登ってきた。
そして、休憩を取らずにそのまま朝日岳方面へ消えていった。
峰の茶屋1 峰の茶屋のケルン
茶臼岳の噴煙 那須市街を望む
峰の茶屋の石碑 熊見曽根と隠居倉
5分くらい休憩して、再出発した。
先に行った男性の姿はもうなかった。
ここから朝日岳に向かった。
6時のニュースを聴こうと思い、ラジオをつける。
剣ヶ峰の山肌伝いにできた岩場の道を歩いていく。
剣ヶ峰の裏側に朝日岳の雄々しい山肌が現れる。
ゴツゴツした岩場で、山の尾根肌を歩いていく感じだった。
左右は崖になっているところが多く、傾斜も急で非常に体力がいる。
2つ3つのピークを越えると、景色が広がる。
朝日岳の肩というところに到着する。
イワカガミ 那須岳の渓谷
剣が峰の奇岩 剣が峰
隠居倉の頂 朝日岳への山道
峰の奇岩たち 登山道2
快晴の福島方面 足場が恐ろしく不安定
6:25 朝日岳の肩通過
朝日に照らされる朝日岳の肩 朝日岳の肩
朝日岳の肩のケルン 肩から朝日岳を望む
この肩から東方向に朝日岳のピークが見える。
岩がゴロゴロしているなかに、きれいなハイマツの群生が見える。
ハイマツ
先に3人ほど人がいた。
頂上から両手にストックを持った男性が降りてきて、途中すれ違った。
広大なスロープを登っている感じがした。
朝日がまぶしかった。
6:30 朝日岳到着
神々しい朝の風景であった。
那須の山々が一面に広がり、下界との隔世を感じる。
遠望はできないが、あたりは晴れ渡っており、まるで登頂を祝福してくれているようであった。
「朝日岳」と呼ばれる所以が分かった気がした。
朝日岳山頂 中の大倉尾根と赤面山
東方面の鬼面山と飯盛山 山頂の鳥居と茶臼岳
先着の男性が(先ほど峰の茶屋でパスされた人だが)、朝日岳の山頂をバックに写真を撮ってくれと
頼んできたので、快く引き受けた。
男性が言うには「証拠写真」ということであった。
撮り終えると男性は、すぐ下山していった。
残りの男性2人はゆっくりと遠くを眺めていた。
「あれが茶臼ですよ」とか、「ここがね・・」とか言いながら。。楽しそうであった。
この辺りの登山者はやはり地元の方が多いのか、かなり訛が強い。
この時間から登っている人は、やはり地元の人なのだろう。
私も、そこで幾枚かの写真をとり、男性2人よりも先に下山した。
朝日岳を下る先には熊見曽根東への道が一本伸びていた。
那須の町並み 雄大な茶臼岳と峰の茶屋
隠居倉、大峠山、1900峰 ハイマツのトンネル
6:35 朝日岳出発
人は少なく(ほぼ登山客0の状態)、軽快に先へ向かった。
朝日岳の肩を通り過ぎると、また、尾根づたいに岩場をたどっていく。
途中にいくつかのケルンがあった。
熊見曽根のケルン
6:45 熊見曽根通過
尾根づたいなので、数回のアップダウンがある。
途中、両ストックの男性をパスした。
彼のザックのサイドのボトルの中身が気になったので、尋ねてみた。
「これ、何が入ってるんですか?」
私は、そこには貝殻が入っているように見えていたので、何故そんなものをここに持ってきているのかが
気になっていたのだが、答えは違った。
「これ、ナッツですよ。」
答えは行動食であった。
ボトルにたくさんの木の実のようなものが詰まっていて、いつでも取り出せるような感じであった。
これなら、行動食も楽しく食べられるのではないかと思った。
1900峰への山道
そうしているうちに1900峰に辿り着いていた。
ここからは、これから進む清水平が眼下一面に見える。
そして左手方面に三本槍岳の姿が少し見える。
全体が木々に覆われている感じだ。
清水平への下り 中の大倉尾根と赤面山2
下りであった。
木でできた階段を下りて行く。長い。
これを戻るのだと思うと少し食傷気味になってしまうくらいの下りだ。
足をくじかないように集中して下っていく。
木の階段から、岩の階段に変わっていく。
下りきった。
辺りは一面の湿原地帯であった。
白馬乗鞍の湿地帯のような、木の板で作られた道を歩いていく。
このあたりは湧水があり、山々の間にできた平地であることから、水が溜まるらしい。
コツコツと気持ちのよい音を立てて歩いた。
前方に先ほどの男性が見えていた。
清水平の木道 清水平の湿地帯
清水平最後の広場に出た。
この先はハイマツや低木のトンネルのような道となっていて、私のような大の大人が通ると
確実にまわりの枝に、体やザックが引っかかった。
そして足場は湿っていて滑りやすい。
あり得ないくらいの狭い岩場があったりする。
しかし、よく見てみるとハイマツの赤い花や瑞々しいコケ類が目を楽しませてくれる。
清水平案内板 露にぬれる草木
ハイマツの花 笹のトンネル
7:08 北温泉分岐通過
北温泉分岐の標識
本当に狭いトンネルのような道を抜けていく。
深い穴のようなところに遭遇したりする。
前方に先ほどの男性が、もう手の届くところにいた。
少し気まずかったので、歩く速度を緩める。
下りきったあとは三本槍岳への上りとなる。
相変わらず、ここも低木やハイマツのトンネルだ。
所々で、そのトンネルが切れて、一面の景色を望める場所がある。
そこに立って、来た道や福島方面を望んでみる。
雄大な景色だった。
まるで恐竜でも出そうな原野の風景だった。
残雪が所々にあった。
三本槍岳への登りから西郷村方面を望む 三本槍岳を見上げる
前方で男性たちの話し声が聞こえていた。
先ほどの男性だろう。
同じでタイミングで私も休憩をとった。
先へ上っていく。
話していた男性の一方の方が休まれていた。
「いや~速いねえ~。」
男性は気さくに話しかけてきた。
山頂まではもう少しであった。
斜度としてはそこまで無いが、やはりきつい。
登りきると山頂付近の平地に出る。
左右は木々やハイマツばかりであった。
そこを抜けると、三本槍岳の山頂であった。
後編へ
日本百名山 其之漆 天城山
2008/05/24
03:20 起床
前日のバタバタ感は相変わらず、0時過ぎに睡眠となった。
今回、初めてのバイクでのアプローチ。
多少の緊張とワクワク感は否めない。
バイク歴から言うと、今年の4月に免許を取得したばかりで、つい2週間前に
自分のバイク(250TR)を手に入れたばかりであった。
町乗りとしても数回しか乗っておらず、今回初めての長距離となった。
軽く朝食を摂り、着替えて、荷物を持って外に出る。
04:00 出発
バイクにまたがる。
外の空気はやや冷たい。
まだ夜明け前で、かなり暗い。
エンジンをかける。単気筒独特の低い音がする。
134号線に向かい南下する。
雨が近いせいか、潮のにおいがする。
浜須賀で134号線に合流する。
道は空いている。快適なスピードで進んで行く。
やや風が冷たい。
途中、信号で数回止まった。
そのたびに、長距離トラックに追いつかれた。
大磯あたりまで来ると、数ヶ月前に走った湘南マラソンを思い出す。
西湘バイパスに乗ると、すっかり夜が明けていて、左には大きな相模湾が広がっている。
早朝から竿をたれている太公望たちでいっぱいであった。
オレンジの朝日が相模湾をきらめかせている。
そんな中、初めての高速道路走行となった私は、かなりあせっていた。
250CCだけあって、まず加速が遅い・・。
というより、速度を出すと今まで感じたことのない風圧と車体の揺れを感じていた。
そのため、かなり緊張し、ビビッていた。
また、手袋をしていないせいか、恐ろしく寒い・・。
小田原ICでバイパスを降りた。
小田原の市街を走る。
懐かしい風景だ。
早川を経由し135号線に乗る。
まだ5時にもなっていないせいか、いつも渋滞しているあたりがまったく渋滞していない。
今回は一般道を走る予定にしていたので、真鶴道路には乗らなかった。
沿岸沿いの道から外れ、山道に入る。
前に遅い軽トラックが走っていた。
伊豆の山々は朝日に照らされて綺麗だった。
05:08 熱海到着
熱海駅の横を通過し、海へのダウンロードを下る。
熱海市街が近づいてくる。
お宮緑地の公園が見えたので、寒さもあり、休息をとることにする。
道路脇にバイクを止め、公園のベンチに座る。
朝日に海が染まっていた。
気持ちのよい早朝の空気だった。
先ほどから空腹感に悩まされていたので、ここでおにぎりを1つ食べる。
もう少し、ゆっくりしたかったのだが、先を急いだ。
熱海港の朝日 早朝の熱海港
お宮緑地
05:30 伊東通過
熱海から伊東は20分から30分ほどか。意外と近い。
伊東沿岸はよく整備されていて、道も広い。
かと思えば、道の両脇に地元漁師たちの店が並んでいたりと、見るものに飽きない。
この時間になるとすっかり朝になっており、海も青く光っている。
伊東市街を通過し、富戸方面に向うが、途中道を間違え川奈駅方面に入ってしまった。
元の道に戻った。
グランパル公園前の交差点に差し掛かり、そこを右折し、大室山方面へ向う。
(県道111号 遠笠山道路)
道は完全に山道となり、車はいなくなった。
誰もいない道をひたすら走る。
このあたりは、伊豆高原になるので、空気がいっそうひんやりしている。
だから、体感温度はかなり低い。
風とその気温の低さとで、震えていた。
震えた足がガスタンクにあたり、ガタガタと音が聞こえるくらいであった。
天城高原GC方面に向っている途中で、なんらかの施設があったので、そこに入り
暖かい缶コーヒを買う。手を暖める。
そこから10分ほどで、天城高原GCの駐車場に着く。
06:20 天城高原GC到着
バイクを降りて、缶コーヒーを開ける。
天気はこの時点で晴れ。青空が見えている。
初夏の日差しが肌を焼いていた。
天気予報は午後から雨。
少しでも早く山頂に向おうと準備に入る。
準備中のバイク@天城高原GC
準備の途中で、おにぎりをほおばる。空腹にはもってこいだ。
コーヒーをすすりながら、日焼け止めを塗る。
体をほぐし、登山仕様へと体を変えてゆく。
初の遠出で、かなり緊張していたせいか、肩の辺りが重たい。
06:45 天城高原GC出発
準備を整え、いざ出発!
が・・・、登山口と思しき方向に向うと、そこはGC従業員駐車場だった。
「!?」。
そのとき、ちょうど車が入ってきたので、運転手が降りてくるタイミングを待ち構えて
聞いてみる。
私:「登山口って、どこっすかね?!」
従業員:「ここじゃないんだよねえ~。ほら、ひとつ下の駐車場にいってもらわないと・・」
と、言われた。。
そう言えば、準備している間、下のほうから人の声が聞こえてきていた。
私は単に、散歩の人だとばかり思っていたが・・・。どうやら登山者の声であったようだ。
不意を付かれた私は、すぐさまバイクにまたがり、ヘルメットもつけずに下の駐車場へと向った。
すると、上の駐車場には無かった車やバスがあるではないか・・。
なぜ、途中で気付かなかったか不思議になるくらい。
そそくさと、奥の駐車スペースにバイクを止め、登山口を探す。
07:00 出発
やっとの思いで、登山口にたどり着き、出発となった。
登ってきた道沿いに、ぽっかりと穴が開いたような登山口が存在していた。
中は杉の雑木林トンネルで薄暗かった。
登る直前に、駐車場で団体さんたちが準備体操をしていたが、直前で交わしてスタート!
ラッキーだった。
駐車場からの案内板 道からみた登山口
登山口の看板
薄暗く、ゆるやかに上下する登山道を歩いて行く。
ところどころで、木漏れ日が新緑を青く映している。
まずは万二郎岳登山口を目指して歩いていく。
途中のダム跡
軽く登って、緩やかに下って行くと、沢のようなところに出る。
万二郎岳登山口であった。
07:05 万二郎岳登山口通過
万二郎岳登山口① 万二郎岳登山口②
登山口からは登り山道となった。
天候もまだ良いようで、あたりは明るい。
そして、やはり歩き出すと暑くなってくる。
バイクで冷えた体も温まってきたので、上に羽織っていた服を脱ぐ。
ついでに、ラジオをつけた。
イヤホンで聞きながら登ることにした。
しかし、どうも雑音に聞こえるため、すぐに外した。
歩いていると、ガレ場もちらほら目に付く。
涸れ沢のようなところを横切るところもある。
途中、1つのおもしろい看板に出会った。
このときまで私は、「万二郎」を「まんじろう」と読んでいた。
しかし、看板には「Manjiro」と書かれて、その後「M」→「B」に訂正されている。
つまり、この山は・・「ばんじろう」!?
お隣は「ばんざぶろう」となるのだろうか?
そういうことを考えながら、登っていた。
「The Banjiro」 途中のガレ場
そんな途中に、深緑のなかにぽつりと可憐な緋が見えた。
山躑躅であった。
まるで、そこだけが燃えているようであった。
山中のツツジ① 山中のツツジ②
久々の山道を、これでもかと思えるくらいのハイペースで登っていた。
なぜか不安だった。
前回の登山から期間が空いてしまっていたので、以前のようなペースで登ることができるのだろうかと。。
しかし、この天城山、低山と馬鹿にすることなかれ。
なかなかのツワモノであった。
勾配がきついのである。
万二郎の麓までくると、そこから一気に駆け上る感じである。
20分程度だろうか、急なのぼりを駆け上ると万二郎岳に到着する。
万二郎頂上への道
07:35 万二郎岳山頂到着
万二郎岳山頂 万二郎岳山頂からみた万三郎岳
汗だくであった。
山頂に着くと、心地よい風が私を包んでくれた。
頂上には先客が2グループいた。
あたりはブナや眞弓なる木が生い茂っており、頂上というより、山中であった。
眞弓の木 万二郎岳からの下り
水筒の水をグイッと飲み、先を急ぐ。
万二郎岳山頂からすぐに、急な下りとなり、見晴らしの良い岩場に出る。
ちょうど、尾根づたいの道だろう。
万三郎岳もかすかに見える。
その岩場に立ち、周りを見渡す。
幸い、天候はまだ、もっていた。
南を見る。南伊豆の海岸線と山並みが見える。
北を見る。霞がかったその中に、富士の姿を見ることができた。
ここから見る富士の山もまた違うものだなぁ、と感慨深くなった。
南伊豆方面 万三郎方面
富士山方面① 富士山方面②
万三郎岳を目指し、先を急ぐ。
万二郎岳からは尾根を歩いているのだろうが、意外にもアップダウンが激しい。
なだらかな道が続くなと思っていても、急な登りが待っていたり、変化に富んでいる。
また、山道も整備されているが、岩場や段差がきついところが多くあり、注意が必要だろう。
この日も、数十人の団体が急な下りを下るのに時間がかかっていた。
万二郎からの下り
万三郎への途中では、ところどころで林が切れ、思わぬ好展望に恵まれる。
主に南伊豆方面に視界が広がるが、天気がよければ、初島、伊豆大島などは当然、その先の離島まで望めるのではないだろうか。
この日はあいにくガスが出ていたが、初島と伊豆大島は確認することができた。
熱川方面(南東方面) 下田方面(南方面)
三筋山、観音山方面(南西方面)
万二郎からの1つ目の急勾配を登りきると「馬の背」といわれるなだらかな道となる。
ここからはアセビのトンネルとなる。
両側にアセビの林が茂り、その中を歩く。
アセビの密度が高いのと、折からの曇り空のせいで、うっそうとしている。
アセビの葉には毒性があるらしく、牧馬たちがそれを間違って食べると酔ったような状態になることから「馬酔木 」と呼ばれているらしい。
1つ目の急勾配
アセビのトンネルの看板 アセビのトンネル
アセビのトンネルを抜けると、また下りであった。
途中、かなりの数の団体さんを追い抜いた。
その直後、2つ目の登りとなる。
木の根が張り出した山道を抜け、石楠立を通り過ぎると、万三郎岳までもう少しである。
このあたりに来ると、綺麗なピンクの石楠花の花がちらほら咲き始めている。
2つ目の急勾配(まるでラピュタのよう) アマギシャクナゲ
アマギシャクナゲのピンクの花を横目に、先へ進む。
万三郎岳への最後の登りに差し掛かる。
ここまでに随分と先客を抜いてきた。
追い越すたびに、自分の中での葛藤があった。
しかし、全身に心地良い刺激も当然あった。
最後の坂を一気に登る。
アマギシャクナゲの看板 なだらかな尾根の道
万三郎岳への最後の登り
08:22 万三郎岳到着
万三郎山頂① 万三郎山頂②
頂上は山の中の祠といった感じだった。
先客は誰もいない。
静かなところであった。
そこだけ異空間かのような感じもした。
山頂の一等三角点① 山頂の一等三角点②
荷物をベンチに降ろし、一息つく。
ここまでかなりのハイペースで来たので、予定時刻よりもだいぶ早い。
頂上の広場から少し林の中に入ってみると、山頂からの景色が広がる。
基本的に天城山は万二郎からの眺望が一番良いのではないだろうか。
先に書くが、この先あまり景色の良いところはなかった。
弥栄の神の石碑 山頂の看板
山頂から下田方面を望む 修善寺方面を望む
08:35 万三郎山頂出発
山頂でおにぎり3つ食べ、給水しながら、軽く散策していると、後続の人たちがやってきた。
25分程度、山頂にいたことになるか。
もう少し、長居したかったが、後続に団体が来たので、そそくさと発った。
山頂からなだらかな道が少し続くが、途中で絶好の富士山眺望ポイントがあった。
あいにく、もうこの時間では雲が出ていて、見ることはできなかった。
途中、富士を望むが見えない
08:45 八丁池と涸沢の分岐通過
10分ほど歩くと、分岐点にさしかかる。
八丁池方面に向うと、天城山の縦走の道となる。
涸沢方面へ向う。
この分岐ポイントあたりはブナ林になっており、新緑が目に気持ちよかった。
分岐点 ブナ林
分岐を通過する。
ブナ林の中を歩くと空気も澄んでおり、とても気持ちがいい。
この時間になると太陽も高くなり、気温も上がってきているようだった。
下山の途となる。
下りの途中にも色鮮やかな山躑躅が咲いていた。
下山途中の山躑躅 その① その②
道は淡々と続いた。
若い木々の間を山道が貫く。
万三郎からのこちらの迂回ルートは、いくつかの沢を越えて行かねばならない。
人がほとんど居ないため、サバイバルゲームのような感覚なってくる。
自然の音が気持ちいい。
靴が土を踏みしめる音がたまらなくいい。
「ザッ、ザッ」と大地を踏みしめて行く。
下山途中に万二郎方面を見る 下山道 その①
このルート、意外と長い。
なかなか涸沢の分岐点が現れてこない。
下山道は所々、雨で出来た沢のせいか、道が壊れていたり、木々が流されたりしていた。
下山道 その② 下山道 その③
09:05 涸沢分岐点通貨
涸沢分岐点
涸沢分岐点を無事通過する。
ここまで、このルートで遭遇した人は僅かに2人である。
やはり、このルートは帰りのルートのようだ。
途中の水場? 下山道③
だいぶ降りてきた。
ヒメシャラの木とブナの木が綺麗に分かれている山道を歩く。
新緑がこの季節は、ホントに綺麗だ。
ヒメシャラの木は木の節のところが、大きく空洞化するのか、なんともいえない奇妙さが漂う。
木の表皮はあんなにきれいなのに。
新緑の森 不気味なヒメシャラ
分岐点から万二郎登山口までは、きびしい道はそんなにないが、だらだらと同じような道が続く。
また山中なので、見る景色にも乏しい。
所々に、標識らしいものがあり、登山口までもう少しなのかな?と思うのだが、なかなか・・、かなり遠い。
途中の標識① 途中の標識②
前方から人の声がしていた。
やはり、大団体が歩いていた。
ちょうど、遭遇したタイミングが休憩のタイミングだったようで
広いところで休んでいたため、難を逃れたが・・。
しかし、今、下山ということは、かなり早い時間から登っていることになる。
途中、気持ちよく歩いていると、目に激痛が・・。
ちょうど目とまぶたの間、まぶたで押さえた感じか?、ハエが直撃していた。
目頭のくぼみに挟まったようで、掘り出してもなかなか出てこない。
数秒後にボロっと出てきたが、下に落ちたハエは既に死んでいた。
サングラスを外していたためだが、想定外のことだった。
09:45 万二郎登山口到着
広い林道のような道と平行して山道をあるいてくると、人の声がまた聞こえてきた。
また、団体さんかなと思っていたが、そこが登山口であった。
先ほど通ったばかりのポイントなのに、もうすでに景色を忘れていた。
万二郎岳登山口 戻ってきた道
ここからは先ほど通ってきた道を引き返す。
途中には、朝みたダムがあった。
太陽が高くなった分、幾分景色も華やいで見えた。
しかし、前方から来る登山客は多数であった。
これから登るのであろう。
帰りのダム跡
草深い山道の先に、明るい光が見えた。
登山口であった。
10:00 登山口到着
日はもう高く昇っていた。
気温も上昇しており、山中とは全く違う様相だった。
登山口からみた駐車場
駐車場に戻ると、手前の駐車スペースは全て埋っていた。
さらに、続々と観光バスが入ってくる。
まだまだ登山客がこれから来るようである。
バイクを停めてあるところまで戻り、荷物を置いて万二郎岳のほうを仰いでみた。
天気は快晴で、青空も広がっている。
その広いキャンバスにポツネンと、また悠然と天城の山系が広がっていた。
駐車場でラジオを聴きながら、残りのおにぎりを食べた。
おいしかった。
ラーメンも持参していたが、それまで食べなかった。
服を着替え、トイレの前の水場で、頭から水をかぶった。
冷たくて、きもちいい。
ラジオは休日の朝のリズムであった。
朝来たとおりの服装に着替えなおし、帰りの途に着いた。
下りの林道は車も少なく、バイクでツーリングするには最適であった。
気温も朝ほど寒くなく、本当に風が心地よい。
大室山方面へバイクを向けた。
来たルートとは異なるが、少し寄り道をした。
大室山のリフトにはたくさんのカップルが揺られていた。
青い麦のような草花も、薫風に揺れていた。
帰りの途中で温泉や、海の幸を食べて帰ろうと計画していたが
天候が午後から崩れるということや、意外に空腹でないこと、そして温泉の場所を
事前に調べてこなかったため、そのまま、まっすぐ帰ってきた。
本音はバイクの運転が気持ちよかったからだ。
眼下に東伊豆の海原が広がったり、自然豊かな山道などを走っていると、本当に気持ちが良い。
途中、立ち寄った熱海「身代神社」で休憩する。
コーヒを買って飲むが甘い・・・。
また、ここでハプニング!
真鶴手前でついにエンスト・・。
「プスプス」と音を立てながらエンジンが切れて行くTR。
最初、燃料切れとは気づかずに、再度エンジンをかけてしまうありさま。。
運良くというか、一般道だったので、左に寄せ、タンクのバーをサブタンクへ変更する。
再出発!
真鶴では間違って真鶴道路に乗ってしまったが、やはりこちらの方が早い気がする。
小田原までの間に給油しようと思っていたが、結局小田原まで走ってしまった。
小田原で給油し、西湘バイパスで自宅へと帰った。
03:20 起床
前日のバタバタ感は相変わらず、0時過ぎに睡眠となった。
今回、初めてのバイクでのアプローチ。
多少の緊張とワクワク感は否めない。
バイク歴から言うと、今年の4月に免許を取得したばかりで、つい2週間前に
自分のバイク(250TR)を手に入れたばかりであった。
町乗りとしても数回しか乗っておらず、今回初めての長距離となった。
軽く朝食を摂り、着替えて、荷物を持って外に出る。
04:00 出発
バイクにまたがる。
外の空気はやや冷たい。
まだ夜明け前で、かなり暗い。
エンジンをかける。単気筒独特の低い音がする。
134号線に向かい南下する。
雨が近いせいか、潮のにおいがする。
浜須賀で134号線に合流する。
道は空いている。快適なスピードで進んで行く。
やや風が冷たい。
途中、信号で数回止まった。
そのたびに、長距離トラックに追いつかれた。
大磯あたりまで来ると、数ヶ月前に走った湘南マラソンを思い出す。
西湘バイパスに乗ると、すっかり夜が明けていて、左には大きな相模湾が広がっている。
早朝から竿をたれている太公望たちでいっぱいであった。
オレンジの朝日が相模湾をきらめかせている。
そんな中、初めての高速道路走行となった私は、かなりあせっていた。
250CCだけあって、まず加速が遅い・・。
というより、速度を出すと今まで感じたことのない風圧と車体の揺れを感じていた。
そのため、かなり緊張し、ビビッていた。
また、手袋をしていないせいか、恐ろしく寒い・・。
小田原ICでバイパスを降りた。
小田原の市街を走る。
懐かしい風景だ。
早川を経由し135号線に乗る。
まだ5時にもなっていないせいか、いつも渋滞しているあたりがまったく渋滞していない。
今回は一般道を走る予定にしていたので、真鶴道路には乗らなかった。
沿岸沿いの道から外れ、山道に入る。
前に遅い軽トラックが走っていた。
伊豆の山々は朝日に照らされて綺麗だった。
05:08 熱海到着
熱海駅の横を通過し、海へのダウンロードを下る。
熱海市街が近づいてくる。
お宮緑地の公園が見えたので、寒さもあり、休息をとることにする。
道路脇にバイクを止め、公園のベンチに座る。
朝日に海が染まっていた。
気持ちのよい早朝の空気だった。
先ほどから空腹感に悩まされていたので、ここでおにぎりを1つ食べる。
もう少し、ゆっくりしたかったのだが、先を急いだ。
熱海港の朝日 早朝の熱海港
お宮緑地
05:30 伊東通過
熱海から伊東は20分から30分ほどか。意外と近い。
伊東沿岸はよく整備されていて、道も広い。
かと思えば、道の両脇に地元漁師たちの店が並んでいたりと、見るものに飽きない。
この時間になるとすっかり朝になっており、海も青く光っている。
伊東市街を通過し、富戸方面に向うが、途中道を間違え川奈駅方面に入ってしまった。
元の道に戻った。
グランパル公園前の交差点に差し掛かり、そこを右折し、大室山方面へ向う。
(県道111号 遠笠山道路)
道は完全に山道となり、車はいなくなった。
誰もいない道をひたすら走る。
このあたりは、伊豆高原になるので、空気がいっそうひんやりしている。
だから、体感温度はかなり低い。
風とその気温の低さとで、震えていた。
震えた足がガスタンクにあたり、ガタガタと音が聞こえるくらいであった。
天城高原GC方面に向っている途中で、なんらかの施設があったので、そこに入り
暖かい缶コーヒを買う。手を暖める。
そこから10分ほどで、天城高原GCの駐車場に着く。
06:20 天城高原GC到着
バイクを降りて、缶コーヒーを開ける。
天気はこの時点で晴れ。青空が見えている。
初夏の日差しが肌を焼いていた。
天気予報は午後から雨。
少しでも早く山頂に向おうと準備に入る。
準備中のバイク@天城高原GC
準備の途中で、おにぎりをほおばる。空腹にはもってこいだ。
コーヒーをすすりながら、日焼け止めを塗る。
体をほぐし、登山仕様へと体を変えてゆく。
初の遠出で、かなり緊張していたせいか、肩の辺りが重たい。
06:45 天城高原GC出発
準備を整え、いざ出発!
が・・・、登山口と思しき方向に向うと、そこはGC従業員駐車場だった。
「!?」。
そのとき、ちょうど車が入ってきたので、運転手が降りてくるタイミングを待ち構えて
聞いてみる。
私:「登山口って、どこっすかね?!」
従業員:「ここじゃないんだよねえ~。ほら、ひとつ下の駐車場にいってもらわないと・・」
と、言われた。。
そう言えば、準備している間、下のほうから人の声が聞こえてきていた。
私は単に、散歩の人だとばかり思っていたが・・・。どうやら登山者の声であったようだ。
不意を付かれた私は、すぐさまバイクにまたがり、ヘルメットもつけずに下の駐車場へと向った。
すると、上の駐車場には無かった車やバスがあるではないか・・。
なぜ、途中で気付かなかったか不思議になるくらい。
そそくさと、奥の駐車スペースにバイクを止め、登山口を探す。
07:00 出発
やっとの思いで、登山口にたどり着き、出発となった。
登ってきた道沿いに、ぽっかりと穴が開いたような登山口が存在していた。
中は杉の雑木林トンネルで薄暗かった。
登る直前に、駐車場で団体さんたちが準備体操をしていたが、直前で交わしてスタート!
ラッキーだった。
駐車場からの案内板 道からみた登山口
登山口の看板
薄暗く、ゆるやかに上下する登山道を歩いて行く。
ところどころで、木漏れ日が新緑を青く映している。
まずは万二郎岳登山口を目指して歩いていく。
途中のダム跡
軽く登って、緩やかに下って行くと、沢のようなところに出る。
万二郎岳登山口であった。
07:05 万二郎岳登山口通過
万二郎岳登山口① 万二郎岳登山口②
登山口からは登り山道となった。
天候もまだ良いようで、あたりは明るい。
そして、やはり歩き出すと暑くなってくる。
バイクで冷えた体も温まってきたので、上に羽織っていた服を脱ぐ。
ついでに、ラジオをつけた。
イヤホンで聞きながら登ることにした。
しかし、どうも雑音に聞こえるため、すぐに外した。
歩いていると、ガレ場もちらほら目に付く。
涸れ沢のようなところを横切るところもある。
途中、1つのおもしろい看板に出会った。
このときまで私は、「万二郎」を「まんじろう」と読んでいた。
しかし、看板には「Manjiro」と書かれて、その後「M」→「B」に訂正されている。
つまり、この山は・・「ばんじろう」!?
お隣は「ばんざぶろう」となるのだろうか?
そういうことを考えながら、登っていた。
「The Banjiro」 途中のガレ場
そんな途中に、深緑のなかにぽつりと可憐な緋が見えた。
山躑躅であった。
まるで、そこだけが燃えているようであった。
山中のツツジ① 山中のツツジ②
久々の山道を、これでもかと思えるくらいのハイペースで登っていた。
なぜか不安だった。
前回の登山から期間が空いてしまっていたので、以前のようなペースで登ることができるのだろうかと。。
しかし、この天城山、低山と馬鹿にすることなかれ。
なかなかのツワモノであった。
勾配がきついのである。
万二郎の麓までくると、そこから一気に駆け上る感じである。
20分程度だろうか、急なのぼりを駆け上ると万二郎岳に到着する。
万二郎頂上への道
07:35 万二郎岳山頂到着
万二郎岳山頂 万二郎岳山頂からみた万三郎岳
汗だくであった。
山頂に着くと、心地よい風が私を包んでくれた。
頂上には先客が2グループいた。
あたりはブナや眞弓なる木が生い茂っており、頂上というより、山中であった。
眞弓の木 万二郎岳からの下り
水筒の水をグイッと飲み、先を急ぐ。
万二郎岳山頂からすぐに、急な下りとなり、見晴らしの良い岩場に出る。
ちょうど、尾根づたいの道だろう。
万三郎岳もかすかに見える。
その岩場に立ち、周りを見渡す。
幸い、天候はまだ、もっていた。
南を見る。南伊豆の海岸線と山並みが見える。
北を見る。霞がかったその中に、富士の姿を見ることができた。
ここから見る富士の山もまた違うものだなぁ、と感慨深くなった。
南伊豆方面 万三郎方面
富士山方面① 富士山方面②
万三郎岳を目指し、先を急ぐ。
万二郎岳からは尾根を歩いているのだろうが、意外にもアップダウンが激しい。
なだらかな道が続くなと思っていても、急な登りが待っていたり、変化に富んでいる。
また、山道も整備されているが、岩場や段差がきついところが多くあり、注意が必要だろう。
この日も、数十人の団体が急な下りを下るのに時間がかかっていた。
万二郎からの下り
万三郎への途中では、ところどころで林が切れ、思わぬ好展望に恵まれる。
主に南伊豆方面に視界が広がるが、天気がよければ、初島、伊豆大島などは当然、その先の離島まで望めるのではないだろうか。
この日はあいにくガスが出ていたが、初島と伊豆大島は確認することができた。
熱川方面(南東方面) 下田方面(南方面)
三筋山、観音山方面(南西方面)
万二郎からの1つ目の急勾配を登りきると「馬の背」といわれるなだらかな道となる。
ここからはアセビのトンネルとなる。
両側にアセビの林が茂り、その中を歩く。
アセビの密度が高いのと、折からの曇り空のせいで、うっそうとしている。
アセビの葉には毒性があるらしく、牧馬たちがそれを間違って食べると酔ったような状態になることから「馬酔木 」と呼ばれているらしい。
1つ目の急勾配
アセビのトンネルの看板 アセビのトンネル
アセビのトンネルを抜けると、また下りであった。
途中、かなりの数の団体さんを追い抜いた。
その直後、2つ目の登りとなる。
木の根が張り出した山道を抜け、石楠立を通り過ぎると、万三郎岳までもう少しである。
このあたりに来ると、綺麗なピンクの石楠花の花がちらほら咲き始めている。
2つ目の急勾配(まるでラピュタのよう) アマギシャクナゲ
アマギシャクナゲのピンクの花を横目に、先へ進む。
万三郎岳への最後の登りに差し掛かる。
ここまでに随分と先客を抜いてきた。
追い越すたびに、自分の中での葛藤があった。
しかし、全身に心地良い刺激も当然あった。
最後の坂を一気に登る。
アマギシャクナゲの看板 なだらかな尾根の道
万三郎岳への最後の登り
08:22 万三郎岳到着
万三郎山頂① 万三郎山頂②
頂上は山の中の祠といった感じだった。
先客は誰もいない。
静かなところであった。
そこだけ異空間かのような感じもした。
山頂の一等三角点① 山頂の一等三角点②
荷物をベンチに降ろし、一息つく。
ここまでかなりのハイペースで来たので、予定時刻よりもだいぶ早い。
頂上の広場から少し林の中に入ってみると、山頂からの景色が広がる。
基本的に天城山は万二郎からの眺望が一番良いのではないだろうか。
先に書くが、この先あまり景色の良いところはなかった。
弥栄の神の石碑 山頂の看板
山頂から下田方面を望む 修善寺方面を望む
08:35 万三郎山頂出発
山頂でおにぎり3つ食べ、給水しながら、軽く散策していると、後続の人たちがやってきた。
25分程度、山頂にいたことになるか。
もう少し、長居したかったが、後続に団体が来たので、そそくさと発った。
山頂からなだらかな道が少し続くが、途中で絶好の富士山眺望ポイントがあった。
あいにく、もうこの時間では雲が出ていて、見ることはできなかった。
途中、富士を望むが見えない
08:45 八丁池と涸沢の分岐通過
10分ほど歩くと、分岐点にさしかかる。
八丁池方面に向うと、天城山の縦走の道となる。
涸沢方面へ向う。
この分岐ポイントあたりはブナ林になっており、新緑が目に気持ちよかった。
分岐点 ブナ林
分岐を通過する。
ブナ林の中を歩くと空気も澄んでおり、とても気持ちがいい。
この時間になると太陽も高くなり、気温も上がってきているようだった。
下山の途となる。
下りの途中にも色鮮やかな山躑躅が咲いていた。
下山途中の山躑躅 その① その②
道は淡々と続いた。
若い木々の間を山道が貫く。
万三郎からのこちらの迂回ルートは、いくつかの沢を越えて行かねばならない。
人がほとんど居ないため、サバイバルゲームのような感覚なってくる。
自然の音が気持ちいい。
靴が土を踏みしめる音がたまらなくいい。
「ザッ、ザッ」と大地を踏みしめて行く。
下山途中に万二郎方面を見る 下山道 その①
このルート、意外と長い。
なかなか涸沢の分岐点が現れてこない。
下山道は所々、雨で出来た沢のせいか、道が壊れていたり、木々が流されたりしていた。
下山道 その② 下山道 その③
09:05 涸沢分岐点通貨
涸沢分岐点
涸沢分岐点を無事通過する。
ここまで、このルートで遭遇した人は僅かに2人である。
やはり、このルートは帰りのルートのようだ。
途中の水場? 下山道③
だいぶ降りてきた。
ヒメシャラの木とブナの木が綺麗に分かれている山道を歩く。
新緑がこの季節は、ホントに綺麗だ。
ヒメシャラの木は木の節のところが、大きく空洞化するのか、なんともいえない奇妙さが漂う。
木の表皮はあんなにきれいなのに。
新緑の森 不気味なヒメシャラ
分岐点から万二郎登山口までは、きびしい道はそんなにないが、だらだらと同じような道が続く。
また山中なので、見る景色にも乏しい。
所々に、標識らしいものがあり、登山口までもう少しなのかな?と思うのだが、なかなか・・、かなり遠い。
途中の標識① 途中の標識②
前方から人の声がしていた。
やはり、大団体が歩いていた。
ちょうど、遭遇したタイミングが休憩のタイミングだったようで
広いところで休んでいたため、難を逃れたが・・。
しかし、今、下山ということは、かなり早い時間から登っていることになる。
途中、気持ちよく歩いていると、目に激痛が・・。
ちょうど目とまぶたの間、まぶたで押さえた感じか?、ハエが直撃していた。
目頭のくぼみに挟まったようで、掘り出してもなかなか出てこない。
数秒後にボロっと出てきたが、下に落ちたハエは既に死んでいた。
サングラスを外していたためだが、想定外のことだった。
09:45 万二郎登山口到着
広い林道のような道と平行して山道をあるいてくると、人の声がまた聞こえてきた。
また、団体さんかなと思っていたが、そこが登山口であった。
先ほど通ったばかりのポイントなのに、もうすでに景色を忘れていた。
万二郎岳登山口 戻ってきた道
ここからは先ほど通ってきた道を引き返す。
途中には、朝みたダムがあった。
太陽が高くなった分、幾分景色も華やいで見えた。
しかし、前方から来る登山客は多数であった。
これから登るのであろう。
帰りのダム跡
草深い山道の先に、明るい光が見えた。
登山口であった。
10:00 登山口到着
日はもう高く昇っていた。
気温も上昇しており、山中とは全く違う様相だった。
登山口からみた駐車場
駐車場に戻ると、手前の駐車スペースは全て埋っていた。
さらに、続々と観光バスが入ってくる。
まだまだ登山客がこれから来るようである。
バイクを停めてあるところまで戻り、荷物を置いて万二郎岳のほうを仰いでみた。
天気は快晴で、青空も広がっている。
その広いキャンバスにポツネンと、また悠然と天城の山系が広がっていた。
駐車場でラジオを聴きながら、残りのおにぎりを食べた。
おいしかった。
ラーメンも持参していたが、それまで食べなかった。
服を着替え、トイレの前の水場で、頭から水をかぶった。
冷たくて、きもちいい。
ラジオは休日の朝のリズムであった。
朝来たとおりの服装に着替えなおし、帰りの途に着いた。
下りの林道は車も少なく、バイクでツーリングするには最適であった。
気温も朝ほど寒くなく、本当に風が心地よい。
大室山方面へバイクを向けた。
来たルートとは異なるが、少し寄り道をした。
大室山のリフトにはたくさんのカップルが揺られていた。
青い麦のような草花も、薫風に揺れていた。
帰りの途中で温泉や、海の幸を食べて帰ろうと計画していたが
天候が午後から崩れるということや、意外に空腹でないこと、そして温泉の場所を
事前に調べてこなかったため、そのまま、まっすぐ帰ってきた。
本音はバイクの運転が気持ちよかったからだ。
眼下に東伊豆の海原が広がったり、自然豊かな山道などを走っていると、本当に気持ちが良い。
途中、立ち寄った熱海「身代神社」で休憩する。
コーヒを買って飲むが甘い・・・。
また、ここでハプニング!
真鶴手前でついにエンスト・・。
「プスプス」と音を立てながらエンジンが切れて行くTR。
最初、燃料切れとは気づかずに、再度エンジンをかけてしまうありさま。。
運良くというか、一般道だったので、左に寄せ、タンクのバーをサブタンクへ変更する。
再出発!
真鶴では間違って真鶴道路に乗ってしまったが、やはりこちらの方が早い気がする。
小田原までの間に給油しようと思っていたが、結局小田原まで走ってしまった。
小田原で給油し、西湘バイパスで自宅へと帰った。
チェックポイント名 | 到着時刻 | 出発時刻 | 所要時間 |
---|---|---|---|
天城GC駐車場 | - | 06:45 | - |
万二郎登山口 | 07:04 | 07:05 | 00:19 |
万二郎岳 | 07:35 | 07:40 | 00:30 |
万三郎岳 | 08:22 | 08:35 | 00:42 |
涸沢分岐点 | 09:03 | 09:05 | 00:28 |
万二郎登山口 | 09:45 | 09:48 | 00:40 |
天城GC駐車場 | 10:00 | - | 00:12 |