災害即応パートナーズ 事務局スタッフ・ブログ -2ページ目

9月28日、29日とPDRメンバーは高知に行ってきました。

28日は、高知県南国市(あったかそうな名前ですよね)で実施された、外国人を対象にした避難訓練を見学させていただきました。大きな災害が起こった際にその土地にいれば、当然のことながら外国人も同じように被災しますよね。外国の方は、日本語が上手に話せる方からほとんど話せない人、さらには生活慣習が異なる人と、さまざまです。いざというときに、どのようにして大切な被災情報、生活情報などを伝えることができるかは、大きな課題だと思います。

今回の訓練では応急処置、消火器使用、起震車体験など、一般の避難訓練でも実施されることと同じようなことが実施されており、みなさん熱心に取り組んでました。見学していて感じたのは、やはり言葉を超えて伝えることの難しさ。でも、ボランティア通訳さんが訳した言葉だけではなく、身振り手振りで「これってこうかな?」と確認しながら、体験されているのを見ながら、言葉を超えることは難しいかもしれないけど、超えることはきっとできる、と確信しました。




南国市でこのような試みは初めてだったそうで、地元のテレビなどでも取り上げられていました。「家族を守りたいから訓練に参加した」といっていた、参加者の言葉が印象に残りました。日本にいても、外国の方でも、家族を思う気持ちは同じ。災害時には、外国人であっても、きちんと意思疎通ができるように配慮すれば、「要援護者」ではなく、頼りになる隣人として活躍してくれるかもしれません。そのための配慮が大切だと改めて感じました。





もしやPDRメンバーは避難訓練ばかりに参加してると思っていますか?そんなことはありません。翌29日は、県庁、国際交流協会、地元のFM局やNPO、それに防災に関心のある企業などをまわりました。南海地震が起こったら、高知は壊滅的な被害を受けることが想定されているので、PDRとしても避難所支援などお手伝いできないかと思って、いろいろな人たちとお話しています。東海、東南海、南海地震が連動するという想定が最悪のシナリオだと思うのですが、準備するときはその最悪の状態が起こることも考えながら、相談していくことも肝心ですね。災害をイメージすることは楽しいことではないですが、とても大切だと思いました。

今日は国際防災の日

毎年10月の第2水曜、今年で言えば10月8日(水)が「国際防災の日」だって、知っている人はいったい何人いるのでしょう・・・。2001年の国連総会で、災害の防止、縮小、備えを含めて自然災害を減らす動きを世界共通に広めるため、10月第2水曜日を「国際防災の日 International Day for Natural Disaster Reduction」に制定したのだそうです。こ の日はもともと「国際防災の10年」の期間中(1990~1999年)に「国際防災の日」に指定されていたものでもあったんだそうです。ずいぶん前から決まっていたんですね。

でも私にとって10月8日は3年前、パキスタンで大地震が起こった日という印象が強いです。3年前の10月8日のお昼ごろ、パキスタンで大地震というニュース速報を聞いて、週末でしたがすぐに事務所に向かいました。翌日のフライトでチームがパキスタン入りし、テントや毛布の調達や配給をしました。冷たい雨が振ったり朝晩は冷え込んだりしていた上に、断食月だったので被災者の方々の健康が気になったことなどが思い出されます。

今年もミャンマーのサイクロン、四川の大地震など、自然災害が相次ぎました。犠牲になられた方のご冥福を祈るとともに、被災者はいまでもテントや仮設暮らしが続き、まだまだ支援が必要ではないか、と思います。地震国日本に住むものとして、海外の災害の被災者に対する気持ちも忘れたくないですね。

災害は、起こる前にどれほど準備できるかで、その被災を小さくすることができると思います。「減災」という考え方です。今日という日が、避難場所や家族間の連絡方法の確認、非常食や防災ラジオの常備など、誰でもできるはずなのに、なかなかできていないこと、そんな身の回りのことから始めるきっかけになればよいな、と思っています。

9月1日は防災訓練ー静岡市編

袋井に引き続き、静岡県静岡市で行われた防災訓練にもPDRメンバーが参加しました。


静岡市で実施されたのは、東海地震を想定した静岡県の総合防災訓練で静岡県としては今年で30回目の訓練だったそうです。



今回は、「市街地」「住宅地」「山」「海」という4つの訓練テーマに分かれて、それぞれの訓練要素に沿って行われました。

参加させていただいたのは、静岡市内にある高松中学校での「住宅地」における避難所での訓練でした。訓練は、8月31日の夜から開始され、避難所宿泊体験から自衛隊によるお風呂や、炊き出しが行われました。







9月1日には、
 物資搬送訓練、
 仮設トイレ組み立て訓練、
 チェーンソーの取り扱い訓練、
 負傷者搬送訓練
 ロープ訓練
 応急救護訓練
などなどがあり、各自主防災会の方々を中心に、中学生や高校生も参加していました。





感心したのは、やはり静岡県全体に感じられる意識の高さでした。

この訓練を成功させたのも、行政の方々、消防や警察による準備の賜物だし、何より大事なのは、住民の方の意識の高さによるものだと思います。人間、準備していなかったり、想像していないことは実行が難しいし、
地震に備える、という意識が、実際に地震が発生した時に、パニックに陥ることなく対応することが可能になるのだというのを、改めて認識しました。その意識が、こうした防災訓練に対する取り組み方に出てくるのでしょう。


きっと、住民の方々は常に災害、特に地震を意識して生活をされているだろうことが想像されます。それは、行政によるこうした取り組みと同時に住民の方自身が、自分たちで何とかしようとする意識の高さによるものなのだと思います。


支援に関わる者としてだけではなく、地域住民の1人として、色々勉強させられた一日でした。


9月1日は防災訓練ー袋井市編

9月1日は「防災の日」でした。
「防災の日」は、1923年(大正12年)9月1日に起きた「関東大震災の教訓を忘れない」ということと、この時期に多い台風への心構えの意味も含めて1960年(昭和35年)に制定されました。

この日は全国的に『防災訓練』が行われます。
今回は、12月7日に避難所運営訓練を行う予定の静岡県袋井市のある地区訓練に参加をしました。あいにく、9月1日は平日(月曜)だったので、訓練参加者は少ないと思われました。しかしこの地区は「防災意識の高い」住民が多いため、7つの各自治会100名を超える住民が訓練に参加していました。

これには驚きました!

この地区の自治会によっても訓練内容は違いますが、ある地区ではこんな訓練を行っていました。
・婦人会指導による「三角巾・包帯法訓練」
・消防団指導による「消火訓練」「傷病者搬送訓練」
・自治会役員指導による「可搬ポンプ操作訓練」


これ以外に「防災啓発のためのポスター」を作って貼ったり、災害時に使用する機器展示なども行っていました。



今回初めて、他県の防災訓練に参加しました。
訓練の大枠は行政で決められていますが、具体的な訓練内容は「住民による住民のための訓練」として、各自治会単位で策定されます。そのために自治会よって訓練内容に違いはありますが、共通して感じられることは「自分たちの身は自分で守る」という意識がある,ということです。
災害時の『自助』と『共助』は、このように平時から隣近所だけではなく、同じ地域に住む人々と顔を合わせて何かを一緒に行うことから生まれるのではないでしょうか?

地域の防災訓練なんて、意味ないし、面倒臭いとは思わないでください。
年に一度。
365日に一日
いや365日に半日だけでいいのです。
自分の身を守るために地域の防災訓練に参加してみてはいかがでしょうか?

防災士って何やるの?

防災士の活動は、大きくわけて2つにわかれます。

・平常時の活動
家庭だけではなく、近隣地域及び職場で防災意識の啓発と災害時に備える安全
対策に当たるほか、大災害に備えた自助・共助による救出救助の訓練や連携に
取り組みます。

・災害発生時の活動
各防災士が所属する団体・企業や地域などの要請により、避難や救助・救命、
避難所の世話にあたるなど、公的な組織やボランティアと協働して活躍しま
す。社会の自助・共助ネットワークの中で防災士はリーダーとなり防災の知
識・技術を効果的に発揮します。


では、なぜ「防災士」が必要なのか?
日本全国いつどこで大規模な自然災害が発生してもおかしくありません。地震
など自然災害の発生を防ぐ事も予知することもできません(東海地震除く)。
しかし事前に「備え」があれば被害を大幅に減らすことができます。これを
「減災」と言います。これはまさに災害即応パートナーズの活動のひとつでも
あります。

その備えを日常的に実践することこそが防災(減災)の課題なのです。
私たち一人一人の生命・財産の「減災」を実現させ、日本の「防災力の強化」
に直結する防災士の育成が急務と言われています。
また、いったん大規模な自然災害が発生した場合、被害の規模が大きいほど救
急車・消防・警察、さらには自衛隊など公的な支援の到着が遅れるという厳し
い現実からは免れません。公的支援が到着するまでの間(約3日間)、家庭・
地域・職場での生命・財産への被害を最小限に軽減させる役割を防災士が担う
ことが期待されています。


防災士は、災害発生時だけ活動するのでないのです。それよりも平常時での活
動(備え)がもっと大事なんです。
ある意味「減災活動普及員」とよんでもいいかもしれません。

災害即応パートナーズには、現在1名の防災士がいます。
夏ごろにはさらに数名が防災士の資格をとる予定です。
災害即応パートナーズにも防災士を少しずつ増やしていきたいと思います。

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