息子の試合観戦翌日、その日は「土用の丑」。
国産の鰻が食べたいと拘る父とみんなでお昼に鰻重を食べ、早々に秋田に帰ろうとする父に、もうすぐ帰ってくる息子に会ってからにしたら?と足止めしました。
午後2時、息子が帰宅、昨日の頑張りを褒め、2週間後に迎えるお盆にまた会う約束をして、秋田に帰って行きました。
父はお盆に楽しみにしていたバーベキュー用のコンロと炭を車に乗せ、お盆に孫達と行く予定だった釣り堀の場所の下見をしながら、秋田名物のババヘラアイスを食べ、母とゆっくり最後のドライブをしました。
父達が帰って4時間。夕方6時、いつもあるはずの到着の知らせがありません。母にLINEしましたが、既読にならず、夕飯にしようとした夜7時。横浜に住む兄からその電話が鳴りました。
父が倒れたと。救急車で運ばれたと。
何を言っているのか。
お昼にうちから帰ったばかりの父が?
何かの間違いじゃ?
兄も実家の近所のおじさんからの電話で詳しい事は把握出来ておらず、そのまま電話を切りました。
倒れたと言っても大した事ではないだろう。子供達に夕飯を続けさせ、知らせをくれたおじさんに電話、話を聞きながらも、秋田に向かう荷造りをしていました。友人に猫の世話を頼み、家の鍵を預け、まさか、亡くなるとは思わず、2・3日お見舞いするくらいの気持ちで車に乗りました。
しかし、電話で聞いた父の状況と、その後、連絡が取れた母からの話で、まさかの事を考えました。
自宅に着いた父はバーベキューコンロを下ろし、母はひと足先に自宅に入り洗濯物を洗濯機に入れ、その後、家に入って来た父がソファに腰掛ける気配を感じながら荷物の片付けをし、ふと父に声をかけると、反応がなかったそうです…7年前に狭心症の手術をしていた父。
不整脈を起こし、声を上げる事もなく、苦しんだ様子もなく、ふっといつものようにソファで休んでいるようだったと。
母の話を聞いて、病院に着くまで、こちらから、その後の状況を聞くのが怖くて電話ができず、昨日・今日の父との色々な事が頭をよぎります。母からの知らせが無いと言う事は父は助からなかったのでは。と思いな車を走らせました。
2時間後、父が亡くなった病院に着きました。
半日前に元気に別れた父が、冷たくなって、そこにいました。
受け止められない。理解が追いつかない。
怒りと悔しさ。
悲しみよりも、怒りが悔しさが込み上げて来た事を今でもしっかりと覚えています。
ドラマで見るように大きな声で泣く。ではなく、怒りで、声が出ない。そして、何に怒っているのかもわからない、ただ何かにとても腹が立ちました。
看護師さんに、お父さんが着ていた洋服だよ。と綺麗にたたまれたTシャツを渡されました。それは昨晩、ひと足早いけど、誕生日にと私が父にプレゼントした大好きなビールのプリントが入ったTシャツでした。処置を受ける為にハサミを入れられたそのTシャツを見て、こんな事の為にプレゼントしたんじゃないのに。父の最後の日に着る事になるなんて。とまた、悔しさが込み上げて来ました。