「LGBTが気持ち悪い人の本音」を無批判で垂れ流す危険性②~「保毛尾田保毛男」の負の遺産 | 明日を夢みて

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男性が好きな男性です。試される大地に住みながら、ゲームをしたり、本を読んだりして、試されています。チョコレートのように甘~いブログを目指します(*´ω`)

 ①の続き

 https://ameblo.jp/sohsugay2525/entry-12366892307.htm

 

『保毛尾田保毛男』がはやったころ、僕は中学生でした。あの時傷ついていた人がいたなんて、当時想像もしていなかった。毎週木曜日の夜9時にあの番組を見て、大笑いして寝て、翌朝同級生と『見た?』と話して

当時の僕らは、女子が夏服になったら下着が透けて見えたとか、ほんとしょうもないことで盛り上がるような、純朴なバカでした。そういう思い出って、心の原風景みたいなものなんです

後になって『あの時傷ついた人に気付けなかったあなたは罪人です』と言われると、『うち実家の花畑はキレイだなあ』と思っていたら、いきなり戦闘ヘリが飛んできて機銃掃射で荒らされる、みたいな気持ちになるんですよ

 「保毛尾田保毛男」が「心の原風景」というのも、意味不明ですが。

 『「保毛尾田保毛男」で盛り上がっていた、あの頃の俺たちの思い出を批判しないでくれ」ってことですか?

 そもそも、その番組で傷付いていた同級生が身近に居たかもしれないという葛藤は、微塵も感じさせないんですよね。

 

 こういった「ホモネタ」で、「同性愛者は笑っていいんだ」「ホモは気持ち悪いんだ」と学習したのかもしれないと省みることなく、「心の原風景」と美化する。

 あぁ、無自覚に差別する典型的な異性愛男性だなと思いますし、だからこそ、「LGBTが気持ち悪い人の本音」なんて題して記事にするほど価値のある真新しい意見じゃないですよ。

 

 こういう風に、青少年を含め、無自覚な差別を刷り込むから、「ホモネタ」はダメなんですよ。

 テレビでネタにされているから、同性愛者は笑い者にしていいんだと受け止めてしまう人が居るんですから。

 

 それにしても、「保毛尾田保毛男」が実家の花畑で、LGBTが戦闘ヘリというのも、ものすごい比喩力ですね。

 

 そもそも、女性記者を前にして、「当時の僕らは、女子が夏服になったら下着が透けて見えたとか、ほんとしょうもないことで盛り上がるような、純朴なバカでした」とか言っちゃうあたり、異様ですよ。

 女性からすれば、夏服から透ける下着で盛り上がられていたなんて、「しょうもないこと」じゃなくて、ただひたすら気持ち悪いんじゃないですか?

 

 なんでこの人は、こんなに無邪気なんだろう……。

 LGBTのことを気にする前に、女性の気持ちを考えたほうがいいんじゃないですかね。

 

 これ、中学生が仲間内で話している内容じゃないんですよ?

 43歳の成人男性が、女性記者に向かって語っていることですよ?

 

 また、過去に「保毛尾田保毛男」で笑った人に対して、「あなたは罪人だ!」と過去に遡って糾弾している人は存在するのですか?

 ここにもまた、藁人形が登場している感じがします。

 

 論点がズレますが、誰も傷付けずに笑いは成立するはずです。

 そもそも、なんでわざわざ弱者を笑い飛ばさなければいけないのか。

 どうせなら、強い者を笑い者にしてくださいよ。チャップリンなんて、ヒトラーを笑い飛ばしたんですよ。

 ホモネタと同様に、バラエティーの中でのハゲいじりやブスいじりの類も、不愉快に感じます。

 

 【ポイント】
 ■ホモネタで笑った過去が、「心の原風景」。そこに葛藤は無い。
 ■わざわざ記事にするほどの真新しい意見は無い。
 ■無自覚な差別を刷り込む「ホモネタ」の危険性。
 ■女性記者を前にして、中学生時代のセクハラを、良き思い出として語る感性。
 ■誰も傷付けないお笑いを求む。

 

 ③に続く

 https://ameblo.jp/sohsugay2525/entry-12367141564.htm