ネットで配信された「LGBTが気持ち悪い人の本音」という記事に対して、思うところがあり、ブログに綴っておきます。
長くなったので、4分割しました。
また、それぞれの末尾にはポイントを記載しています。
「LGBTが気持ち悪い人に会ってみた 「僕の方が社会的に葬られる」ポリコレ棒を恐れる本音」
https://withnews.jp/article/f0180406003qq000000000000000W03j10101qq000017134A
「LGBTのイメージに関するアンケート」で、<理解不能。気持ち悪い。>と記載した人物へのインタビュー記事なのですが、最初から最後まで問題だらけです。
スーツ姿のBさんは、人なつっこい笑顔で現れました。
いやいや、感じのいい人だろうが、人あたりのいいひとだろうが、差別は差別じゃないですか。
「善人」だから差別が免罪されるなんてことは無いですよ。
あからさまな「悪人」だけの問題ではないから、差別はやっかいなんです。
全体的に、「インタビュアーは、いい人」アピールをする記者の姿勢に、疑問を感じます。「ズートピアを観ろ」と言いたい。
例えばゲイの方について。僕は女性しか好きになったことがないので、男を好きになるというのがどうしても想像できなくて。
『同性を好きになる人がいるんだ』と頭では理解していても、心がついていけないんです。
いや、「想像」も「理解」もしなくていいですよ。
そもそも、異性愛者に対して、「同性に欲情するこの気持ちを分かってくれ!」と訴えている同性愛者って、居るんですか?
そんなこと言ったら、ゲイだって、女性に欲情する異性愛男性やレズビアンの気持ちなんて、分からないですよ。
別に、それでいいじゃないですか。自分には無い他者の性的感情を受け入れる必要なんてない。
そうではなくて、性的指向を理由にして不当な差別をしないでくれと当事者たちが声を上げているのが現状じゃないですか?
ベッドの上の話ではないはずですが。
「LGBTは気持ち悪い」とか、「ホモは滅べ」とか自分の中で思うことは内心の自由ですから、その人の勝手です。
しかし、そういったことを公に発言したり、表現したりしないでもらいたい。
ちなみに、議論において対抗する者の意見を正しく引用しなかったり、歪められた内容に基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の意見を「藁人形論法」と言います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3
ここではB氏が反論しているということでもないので、「藁人形論法」には当たらないかもしれませんが、誰も言っていないようなことを元に語っているあたり、藁人形を相手に独り相撲を取っている感じがしないでもありません。
そういう衝動って、本能的なものじゃないですか。だから本能的に拒否してしまうんですよね
もう、典型的ですよね。テンプレ過ぎる。
差別の根拠が「本能」とは、知的怠慢です。
「同性愛者を気持ち悪いと感じるのは本能である」と指摘した科学者は存在するんですかね? 存在するなら、教えて欲しい。
何故かこの問題では、突然、生物学者になりだす人が居るんですよね。「同性愛は生物学的にありえない」とか。
「差別の根拠は本能」が認められるなら、世の中すべての差別が肯定されますよ。
この、「本能」なるもの、実態は後天的な学習によるものではないかと思っています。
また、このB氏、去年にゲイと会っているが、「『保毛尾田保毛男』のような人が来ると思っていた」とのこと。
その程度の認識で、「LGBTが気持ち悪い」とか言ってるの?
「理解不能」というより、そもそも理解するつもりがないですよね。
ちなみに、「保毛尾田保毛男」というキャラクターは、フジテレビの「とんねるずのみなさんのおかげでした」に登場した、同性愛者を揶揄したようなキャラクターです。
昨年、28年ぶりにこのキャラクターが「復活」し、批判を浴びました。
その番組には、北野武が出演し、「お前ら外国いったら死刑だぞ」と発言しており、併せて最低だなと思いました。
僕、保険の代理店をしていたこともあるんですけど、同性パートナーだと保険金の受取人になれないんですよ! 3年前に知って驚きました。そんな不都合は、すぐ解消してあげたらいいと思うんです。ただ、自分自身が同性愛者をどう思うかと聞かれると、『うっ』となる、という……
当事者が求めていることに対して、B氏も理解を示しているし、それでいいじゃないですか。
どう思うかとか、全く関係無い。
【ポイント】
■善人であっても、差別は差別。
■自分の中に無い欲望を想像したり理解する必要はない。そんなことを求めている人は居ない。
■内心でどのように思おうが自由だが、それを公共の場に持ち出さないでもらいたい。
■「本能」が差別の理由にはならない。
②に続く