パク・クネ氏が韓国大統領に選出されました。

 韓国では初めての女性大統領です。

 彼女の主張は、韓国経済の景気回復と経済的格差是正です。

 しかし、どちらも困難でしょう。


 まずは、景気回復ですが、韓国経済はGDPの50%近くを輸出に依存しており、

 欧米の景気落ち込み、それにともなう中国の景気落ち込みが続いており、

 輸出は伸び悩み続けるでしょう。

 それに加えて、日本の安倍総裁が掲げる金融財政政策(アベノミクス)は

 円安ウォン高に誘導し、韓国の輸出産業を直撃します。

 これでは、いつ韓国経済の底が抜けてもおかしくありません。

 欧米も金融緩和政策をとっており、それに加えて日本も金融緩和をするのですから、

 ウォン高は一気に進みます。

 この場合、韓国も日米欧と同時に金融緩和をすべきなのですが、

 今でも韓国は高インフレであり、(というよりスタグフレーション気味w)

 日本との通貨安競争には付き合えません。

 だからこそ、輸出依存の韓国経済の景気回復は難しいと言えます。


 そして、格差是正ですが、

 韓国経済は大手の輸出企業財閥を規制緩和や減税などで優遇し、

 それらの企業群が大きな利益を産む構造を築き上げてきましたが、

 結局はそのことで富の偏在化を生み出し、

 大企業とそれ以外で働く労働者に格差を生み出し、

 その格差が韓国経済の中間層を形成することをさまたげ、

 韓国経済の内需の停滞の要因となっています。

 ならば、大企業への規制強化や増税政策をすべきなのですが、

 輸出に依存している韓国経済では、それらの企業の失速は死活問題であり、

 なおかつ、大企業は権力を強く結びついており、

 新大統領がどこまで格差是正に踏み込めるのか、はなはだ懐疑的です。


 というわけで、景気回復も格差是正も難しいのが韓国経済です。

 そこにアベノミクスが襲いかかってくるので、

 他人事ながら、大変だな・・・と思います。(同情はまったくしませんがw)

 
 

 すごいことになりました。

 自公あわせて325議席獲得です・・・

 私自身、ここまで勝つとは思っていませんでした。

 多くても自公あわせて300議席とどくかな、みたに考えていました。

 3分の2の議席を勝ち取るとは・・・

 しかし、これで安倍自民党は追い込まれました。

 なぜなら、大きな権益は大きな責任を背負うからです。

 ましてや、7月に参院選があり、ここで過半数を取れなければ、

 安倍政権の安定的な長期政権は不可能でしょう。

 それまでに、国民を納得させるような結果を出せなければ、

 確実に今回の衆院総選挙の圧勝の揺り戻しが参院選に現れます。

 
 しかし、安倍政権がやるべき事ははっきりしています。

 デフレ脱却のための金融経済政策をうち、

 それが国民に見える形で示せるかにかかっています。

 具体的な好景気感を一般国民が感じるにはもう少し先になると思いますが、

 その雰囲気を出すわかりやすい指標として「株価」と「円安」があります。

 つまりが、参院選挙までに1ドル=100円となり、

 日経平均株価が1万5000円というような分かりやすい形で示せれば、

 安倍自民党は参院選を優位に進めることができます。


 その第1歩として安倍自民党がやらなければならないのが、

 日銀法改正を含むこれまでの金融政策の見直しであり、

 もっと具体的に言えば、1日でも早く白川現日銀総裁を辞任に追い込むことです。

 日銀とのアコードが進み、かつ日銀の責任を明確にした形で、

 大胆な金融緩和を打てば、確実に円安・株高の誘導は充分可能です。

 その上で、景気の下支えのために財政政策を打てば、

 かなりの部分で日本経済・社会の雰囲気は明る方向へと変わっていきます。


 ただし、あくまでもそれらの政策を打ち出すことができればの話です。

 逆を言えば、それらの政策を有効的に打ち出すことができなければ、

 安倍自民党は失速していくことになるでしょう。

 そういう意味で、安倍自民党は追い込まれていると言えるのです。


 投票にいきましょう。

 いかないと何も始まりません。
 
 あなたの1票があなたの人生を、日本を、ひいては世界を変えます。

 こういうことを書きながら、私は投票の義務化には反対です。

 民主主義の最低限の義務である投票行動でさえ果たそうとしない国民を無理矢理投票所につれてこさせようという行為は不毛であると考えます。

 もっと言えば、投票所にもいかないような人々は政治に対してとやかく言う資格さえないとさえ考えています。

 少なくとも、自分の人生にも、自分が住んでいる地域のことも、ましてや日本のことも、真剣に考えていない人々が、投票をしないとわたしは断言できます。

 そのような人々を無理矢理投票所につれてくることに何の意味があるでしょうか?

 そのような人々は「ただ生きている」だけの人々です。

 そして、そのような人々を作り出してきた根本は日本の教育にあると私は考えています。

 社会全体に「政治」に対して距離感を置こうという雰囲気が日本社会には存在しています。

 これは、学校でまともに政治に対しての教育を施してこなかったツケが作り出していると考えます。

 小中学生から、政治の大切さ、投票の重要性、それが社会に及ぼす影響について、もっと教えるべきだと考えています。