イギリスでの統一地方選挙において、
 与党である自由民主党が野党・労働党に大敗を喫しました。

 理由は簡単です。

 与党である自由民主党が緊縮財政を進めており、
 リーマンショックというバブル崩壊後のイギリスにおいて、
 消費税増税等の緊縮財政を推し進めようとして、
 国民の反発にあったからです。

 イギリス経済は、金融を軸とした経済であり、
 リーマンショック後において経済の収縮が激しくなり、
 市場におけるマネー不足は顕著になりました。

 こんな時こそ、金融緩和だけでなく、
 政府が公共投資を拡大しなければならないのに、
 財政の引き締めをイギリス政府は進めているのです。

 そのことが、先日行われた議会での国王演説でも現れています。

 つまり、日本の野田総理がやろうとしていることが、
 イギリスでは市民に猛反対を受けているということです。

 当然と言えば当然の話です。

 なぜなら、イギリス政府がやろうとしているのは、
 デフレ下でのデフレ対策なのですから。
 つまり、デフレをもっと悪化させるような政策を取ろうとしているのです。

 これを市民が黙っているはずがありません。

 よほど、日本国民のように聞き分けのよい市民でない限り。
フランスでは大統領選挙が行われ、
EUがとる緊縮財政に反対するオランド氏が勝利し、
EUの事実上の盟主であるドイツとの関係に暗雲が立ちこめ、
ドイツが押し進める緊縮政策にも一石を投じる結果となりました。

もっと、問題なのがギリシャの総選挙です。
EUがギリシャに求める緊縮財政に強く反対する野党が躍進し、
連立与党が過半数割れを起こしました。

このままでは、EUやIMFからのギリシャへの財政支援は行われず、
ギリシャはデフォルトを起こす可能性が一段と高くなったということです。
そうなるとCDS(クレジット・デフォルト・スラップ)の取引によって、
EU内のメガバンクなどの大手金融機関が大きな損失を出し、
それらが破綻の連鎖を起こすことも考えられます。

最終的にはギリシャのEU脱退も視野に入れなければならないでしょう。

こうなると、
EUがとる道は2つしかないと私は考えます。

1つは、緊縮政策を見直し、積極財政に変換し、
財政的に厳しい国に対して所得移転を実施することです。

もう1つは、EUの事実上の解体です。
財政的に厳しい国家をEUから閉め出し、
財政的に健全な国家だけでEUを再構成するのです。

どちらにしても、
ヨーロッパ経済のデフレ基調は続くと思われ、
そこから脱出するには、大胆な積極財政への変更か、
戦争を引き起こすしかないように思われます。

 下は南日本新聞の社説です。

===========================================

[外国人介護士] もっと門戸を開きたい
( 5/4 付 )
 経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシアとフィリピンから受け入れた介護福祉士候補者が国家試験に初めて挑戦し、36人が合格した。病院や介護施設で働きながら学び、難解な日本語の試験を見事に突破した。その努力に敬意を表するとともに、今後の活躍に期待したい。

 とはいえ、受験した95人に対する合格率は37.9%で、日本人を含めた全体の63.9%をかなり下回った。受験者が母国で看護師などの資格を得ていることを考えれば、日本語の壁が高かったということだろう。

 EPAではこれまで、1300人以上の介護福祉士と看護師の候補者が来日している。看護師なら3年以内、介護福祉士は4年以内に合格しないと帰国しなければならない。

 介護福祉士の場合、3年の実務経験が必要なため、原則として試験を受けられるのは滞在の最終年となる4年目の1度きりである。一発勝負の狭き門と言わざるを得ない。

 試験は難しい漢字に仮名を振ったり、認知症などの病名に英語を併記したりするなど配慮した。来年からは試験時間の延長など、さらなる便宜を図る方針だ。

 とりわけ重要なのは、日本語学習を充実させることだ。不合格者からは十分な学習時間が取れないなど不満の声が出ている。来日後、半年間は日本語研修があるが、その後の学習や試験対策は受け入れ施設に任されているのが実情だ。これでは施設によってばらつきが出かねない。

 厚生労働省は学習費用の補助や集合研修の実施など支援に乗り出している。だが、まだ不十分だ。在留期間の延長も欠かせない。

 政府は今回不合格でも一定以上の成績をとった人には、1年の滞在延長と再受験を認めることにした。しかし、同様の措置を講じた昨年の看護師候補者の場合、約半数が日本を去った。学習意欲を持ち続けることが難しいことを物語っている。

 国内の労働力人口が減る中で介護サービスの水準を維持するには、25年までに介護職員を年平均5万人以上増やす必要があるとされる。これを日本人だけで賄うのは難しく、外国人労働者はますます重要になる。

 一方、経済力を付けたアジア諸国でも、高齢化で介護職員の需要が高まると予想されている。このままでは来日希望者を維持できる保障はない。今後はベトナムからも候補者が来日する。政府は外国人を積極的に受け入れる対策を急いでほしい。

============================================

 たしかに、日本人の介護士が不足しているのは間違いありません。

 しかしそれは、介護士の労働条件があまりにも低水準だからであります。

 小泉内閣からの流れで社会福祉予算は削られ、介護士の給料水準は低いままであり、

 若者が将来設計を立てられる職業ではなくなっているからです。

 そもそも、外国人労働者の受け入れとはインフレ対策であり、

 現在の日本がデフレのときにやるべき政策とは断然思えません。

 そうでなくても、外国人の労働者受け入れ拡大は副作用も大きくデメリットも大きいです。


 そう考えると、デフレ対策のためにも政府の社会福祉予算を拡充し、

 介護士の待遇改善を早急にはかる必要があるのではないでしょうか?

 医療や介護の政府支出の拡大はGDP成長になります。


 きつくて低賃金の労働を外国人にさせるより、

 まずは、日本人の介護士が安心してその職業を続ける環境を作るほうが、

 優先させるべき課題ではないでしょうか?


 この社説を読んでいると、

 きつくて低賃金の仕事は外国人にさせろ、と言っているようにしか思えないのですが・・・