ここからが「終わりへの道」という
ことになるのでしょうか。
どうぞご覧下さい。
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■平成13年
■編集後記
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■平成13年
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平成13年は衝撃的な見出しで始まり
ました。
それは1月31日付け高知新聞の社会
面に
「『闘犬』ソフト休止も」
と掲載された記事でした。
この日の1面に「土佐闘犬センターが
民事再生法申請」という記事が載って
いて、それを受けてのこの記事だった
んです。
少し前から会社がどうもやばいという
噂があったんですが、我々は会社の経
理内容を詳しく知る立場にもなく、こ
の記事によっていよいよ噂は本当だっ
たんだと確信することになります。
ただ報道されたその負債額の大きさに
驚くばかりでした。
「いったい何に使ったら、そんな金額
になるんだろう?」
というのが正直な感想でした。
記事をご紹介しましょう。
「闘犬は昭和53年の発足から23年
間で日本リーグ制覇13回を含む全
国大会優勝31回。」
「主力を占めた国体成年男子県チーム
も63年からの13年間で9回優勝
と栄光の歴史を刻んできた。」
「日本代表メンバーを多く含み、9選
手が選ばれた昨年の世界選手権でも、
初の銀メダルに貢献。」
「本県だけではなく、日本のソフトボ
ール界を背負ってきた。」
「ホンダ、住友金属など有名企業がひ
しめく日本リーグの中では、ただ一
つのクラブ形式チーム。」
「闘犬センター社員を含む職域を別に
する選手の集まりだが、運営はチー
ム代表者の弘瀬勝氏の資金で成立っ
ていた。」
「リーグの1シーズンで全国各地の4
会場を転戦。遠征費は1回最低15
0万円掛かるという。」
「多い年は2000万円の資金をつぎ
込んでいたという弘瀬氏も、ここ数
年は県ソフトボール協会の強化費を
頼りにしていたようだ。」
「「弘瀬氏は高知国体までは、何がな
んでもチームを続ける気でいる」と
いう関係者もいるが、これまでのよ
うな陣頭指揮は難しそう。」
「選手の個人負担も増え、今後の活動
は一層厳しいものになるだろう。」
「三連覇のかかる来年度のリーグ登録
締め切りは2月末だが、どのような
形に落ち着くのか不透明だ。」
「国体県勢の中心競技の一つであるソ
フトボール。そのエースが窮地に陥
ったことで、ソフトボール一競技に
とどまらず、高知国体そのものに大
きな影響を及ぼしそうだ。」
内容はほぼ正確だと思いますが、金額
については少し盛っている感じはあり
ますね。
全国大会を高知県で開催して、その歓
迎レセプションの費用まで闘犬センタ
ーが負担していた時期がありましたの
で、その時の会場費やお土産代とかま
で含めると最大2000万円になるの
かもしれません。
「ワシは協会の金を使わん。」
ということで、他に口出しをさせない
というやり方を当初は徹底してやって
いました。
最後の方は会社の経営が思わしくなか
ったんでしょう、国体の強化費をたく
さん使っていたという印象があります。
高知国体が近づいて来て、優勝が期待
できるソフトボール成年男子というこ
とで、多額の強化費がついていたこと
も、このお金を当てにしたという背景
になりました。
どうなるのかなと思っていたら、2月
11日付けの高知新聞に、
「闘犬ソフト存続へ」
という見出しの記事が出ました。
内容は、
「1月末の土佐闘犬センターの民事再
生法適用申請で、存続が危ぶまれて
いる日本ソフトボールリーグ所属チ
ームの闘犬センターがチーム名をそ
のまま残して活動を続けることにな
った。」
「ただ、チーム代表を務めた弘瀬勝氏
のバックアップは無理な状態で、名
前だけを借りる格好。」
「選手、OBらで支える独自運営のクラ
ブとして再出発することになりそう
だ。」
「チームに15年余り籍を置き、全日
本エースとして世界選手権4度出場
の西村信紀監督は「金銭面の迷惑は
かけられないが、闘犬センターの名
前は個人的な愛着だけではなくて、
われわれが日本や世界を相手に戦え
た大きな力」。」
「名前を残して活動したいとする選手
サイドの要望に、弘瀬勝氏も「代表
者を続けられる状況ではないが、ず
っと頑張ってきた選手の意向は尊重
したい」と、名称使用を了解したと
いう。」
「新しい代表者には一時期就いたこと
もある県ソフトボール協会理事長の
西村皓昭氏が就く。」
「チームは4月開幕の日本リーグにも
引き続き参加する。」
「高知国体に向けレベルダウンを避け
るためにも必要で、今月末に締め切
られる登録は選手負担などで行う予
定。」
「一時あったという動揺も収まり、チ
ームを離れる選手もなく、リーグ三
連覇、宮城国体優勝を目指した合同
練習も従来通り行っている。」
「県協会は4日の定期総会で指定強化
チームとしての強化費支出はこれま
で通り行うことを決めた。」
「ただ、強化費枠を超えた金銭面の援
助は難しく、この先の運営で個人負
担の比重が増えることは避けられな
い。」
「西村監督は「サポート組織づくりも
考えられるが、当面はOBらの支援を
得て、選手個人の努力で臨みたい。」
「ただ、職場がバラバラの選手が活動
を続けるためには、これまで以上の
周囲の理解がないと苦しい」と話し
ている。」
これでこの年はこれまで通り「闘犬セ
ンター」として活動することが出来る
ことになりました。
代表者は代わりましたが、「闘犬セン
ター」として活動するということは、
「弘瀬勝氏」の影響下で活動するとい
うことでしたし、これらのシナリオは
弘瀬勝氏が書いたものでした。
県協会もまだまだ弘瀬勝氏の支配が続
いていました。
高知国体の優勝が期待できる種目とい
うことで、ソフトボールの発言力も強
いという面も、この活動継続という形
を後押ししてくれました。
これでソフトボールは出来ることにな
ったんですが、この年はシーズン前に
まだまだ「闘犬センター」「ソフトボ
ール」「高知国体」という言葉が新聞
紙面を賑わすことになりました。
ちょっと長くなりましたので、それは
次号にすることにしますね。
今日はここまでにします。
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オーナーも健在でしたし、このような
形になっても私たちはオーナーの指示
も元で動いていました。
ですから
「どうなるのかな?」
とは思ってはいましたし、
「もしかしたら闘犬が無くなるのかな
あ。」
と思うこともありました。
ただ、それは私たちがコントロール出来
るようなものではありませんでしたので、
私たちはソフトボールをすることにのみ
力を注ぐように努めました。
それでもいろいろなことに巻き込まれて
行くことになっていきます。
