メールマガジン(65) | ソフトボールを愛する人にお届けするブログ

ソフトボールを愛する人にお届けするブログ

ソフトボールがもっと上手になりたい、勝ちたい、テクニックが知りたい方に、カリスマたちの貴重な情報をお届けします。

平成12年が続きます。

世界選手権から帰国後の日本リーグ
と、国体の戦いの様子です。

それではどうぞ。

---------------------------------

■平成12年(その3)
■編集後記

----------------------------------
■平成12年(その3)
----------------------------------

平成12年を続けます。

過去最高の成績を収めた世界選手権か
ら帰国した選手たちと留守番の選手た
ちは、国内の日本リーグの戦いに戻り
ました。

9月2日大阪市で後半戦が始まりまし
た。

初戦は埼玉県庁戦でした。

世界選手権の疲れから体調が万全でな
い西村投手が先発、初回6点を取って
有利に試合を進め、4回以降は岩見、
植村、大木と小刻みなリレーで11-
4と快勝して後期をスタートしました。

第2戦はデンソー戦でした。

この試合の先発は大木投手でした。
試合はこの大木投手とデンソー村里投
手との投手戦になり、6回2死から笹
岡選手がライトオーバーのホームラン
を打って1点を取って、大木投手がデ
ンソー打線を4安打無四球11奪三振
で完封します。

この時点で闘犬センターは単独首位に
なりました。

2日目は山形県庁戦でしたが、この日
は前日完封した大木投手が不調で、先
制点を許し、その後も5回に2ランホ
ームランを打たれて3失点。

6回から登板した岩見、植村両投手も
それぞれ1失点して、打線も1点しか
得点出来ず5-1で完敗して、またツ
ヅキグローバルと同率首位に戻って、
第3節を終了しました。

日本リーグはここで一旦中断して、国
体に行くことになりました。

この年の国体は富山県でした。

世界選手権で痛めた肩の違和感が残っ
たままのエース西村を、打線がどれだ
け助けることができるかという感じで
した。

何故か1回戦の和歌山県との試合の記
録がないのですが、勝って準々決勝の
広島県戦に臨みました。

この試合相手の飯田投手も全日本のメ
ンバーで、好投手でしたが井上選手が
初回、3回にそれぞれソロホームラン
を打って2打点、それを体調が万全で
ない西村投手が、のヒットノーランを
達成して完勝します。

ところが続く準決勝の愛知戦では苦杯
を舐めることになってしまいました。

初回に好投手村里投手から山崎(泰)
選手がソロホームランを打って先制
したものの、その後は村里投手に抑え
こまれてしまいます。

必死でこらえていた西村投手でしたが、
3回にトヨタ自動車の小笠原選手(岡
豊高校出身)に同点ホームランを打た
れ、さらに5回また小笠原選手に決勝
2塁打を打たれ、結局1-2で敗戦。

富山国体は3位で終了することになり
ました。

この敗戦のショックを引きずりながら
チームは、日本リーグ最終節の行なわ
れた鹿児島県に移動することになりま
した。

10月29日に始まった最終節でした
が、エース西村は国体での無理がたた
って腱鞘炎を悪化させ、朝起きてみな
いと投げられるかどうか分からないと
いう状況でした。

それでも初戦の先発は西村投手でした。

相手はホンダエンジニアリングでした
が、初回に2点、2回に1点と珍しく
順調に得点を重ね、西村投手は3回で
降板、その後を岩見、植村、大木とつ
ないで、3-1で勝利します。

続く西日本シロアリ戦も先発は西村投
手でした。

4-1となった4回で降板、その後は
大木、岩見、植村が1失点に抑えて、
6-2で勝利、この日山形県庁にツヅ
キグローバルが敗れたために、再び
単独首位になって最終日を迎えること
になります。

そして迎えた最終日、この日に闘犬セ
ンターは素晴らしい戦いをすることに
なります。

最終戦のツヅキグローバルとの直接対
決に勝った方が優勝になるという戦い
が予想されましたので、この日1試合
目の住友金属戦に大木投手を温存し、
ツヅキグローバル戦にかけるという作
戦を取ることにしました。

初戦の先発はいつものように西村投手
でした。

苦手の軟投派(この日投げていたのは
野手登録のピッチャーでした。)に苦
戦し、不調の西村投手を5回まで投げ
させることにはなりましたが、5回に
4点、7回にも4点と終盤やっと相手
投手を捉えて10-2で完勝して、ツ
ヅキグローバル戦に臨みました。

大木投手が先発したこの試合は、闘犬
センターの歴史に中でも5本の指に入
る素晴らしい試合になりました。

試合は大木、馬場両投手の好投で0-
0で進んだ6回裏、見事な集中力で3
点をあげて、7回表のツヅキグローバ
ルの攻撃を大木投手が抑えて3-0の
1安打完封勝利。

これで2年連続13度目の優勝を手に
しています。

完封した大木投手も見事でしたが、チ
ーム全員が一つになって、勝ち取った
嬉しい優勝になりました。

この様子を伝える高知新聞の記事をご
紹介しますね。

「優勝マウンドに立っていたのは、数々
 の修羅場をくぐり抜け、美酒を味わい
 続けてきた西村ではなく、エースの影
 に隠れたきり、出てこなかった4年目
 大木だった。」


「気持の入ったこん身の72球は、『ビ
 ース(二番手)ではなく、エースの
 もの』(西村監督)」


「『緩急をつける必要がないくらいにスピ
 ードと切れとも抜群』という山崎(泰)
 のミットは常に真ん中。」


「21アウトのうち内野ゴロが14個。低
 めの球が切れていた証拠だ。」


「ナイン全員が1時間26分の試合中、何
 度『大木』と声を掛け、励ましただろう
 か。」


「『チームが一つになった良い試合でした
 。』といつもは口うるさい岡本が表情を
 崩した。」


「初めてのVマウンドに『最高ですね。やっ
 とチームに貢献できた。』『ハートは熱
 く、心は冷静に。腕をしっかり振ろう』
 と目標の西村から注意されつづけた男は、
 気持ちよさそうにたばこに火。」

「普段は少し気弱に見える青白いひげ面が、
 ちょっとたくましく見えた。」

こんな戦い方をしたら闘犬センターは絶対
に負けないと思わせてくれた、ナイスゲー
ムでした。

これで日本リーグの全日程が終了して、最
高殊勲選手賞に山崎泰稔選手が選出され、
山崎選手は合わせて首位打者、ベストナイ
ンも獲得しています。

打点王は岡本選手。

ベストナインに笹岡二塁手、指名打者に西
田選手が選手されていますが、指定席であ
った投手に西村投手の名前がないところが、
西村投手の状態を表していますし、西村投
手におんぶにだっこじゃない優勝であった
ことを示しているのかもしれませんね。

これで試合は全て終了しましたが、12月
23日の高知新聞紙面に、来年4月オース
トラリアで開催される第6回世界ジュニア
男子選手権の投手コーチに西村選手が就任
することが掲載されています。

なかなか休ませてもらえない日本のエース
でした。

今日はここまでにしますね。

---------------------------------------

国体は3位、日本リーグは優勝で終わった
ものの大エース西村は満身創痍。

その分ビース大木投手の成長も見られたと
まとめればいいのでしょうか。

確かにいつまでも「西村、西村」でやって
いけるはずもないのですが、この闘犬セン
ターというチームは、西村抜きでは戦えな
いということを改めて感じた年だったとも
言えるかもしれません。

ただ若い選手が、少しずつ成長してきたな
という実感も感じた1年でもありました。