読書時間:3.0h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:伊澤理江
刊行:2022年12月
価格:2400円+税
出版:講談社
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
第58寿和丸 沈没事故原因の調査報道
転覆
救助
不帰の17人
原因不明
事故調査
遺族
報告書
解けぬ謎
黒い海
![]()
潜水艦の男
![]()
花を奉る
終章 希望
![]()
![]()
2008年6月23日 犬吠埼からおよそ350km沖の太平洋で第58寿和丸が沈没し、3名が生還、17名が死亡した。ほんの数分の出来事だった。(浸水の場合は時間が掛かる)
運輸安全委員会の公表した原因は「波」だが、それは表向き。
沈没原因を船体損傷とすると、損傷が生じた原因を説明する必要があるため、波とした。
運輸安全委員会の報告書はよくできており、反証の余地はみられない。
水産研究・教育機構 松田秋彦によると、船体損傷を仮定するのであれば、以下3つの問いに答えを用意する必要がある。
・実際に漏れた湯量は推定どれくらいか(報告書は一斗缶1つ)
・その量が漏れ出るには、複数の燃料タンクのいくつが空になる必要があるか
・その必要数のタンクを一直線で切り裂くことができるのか
有識者の協力により、船体損傷の原因は潜水艦であることが、ほぼ確実となった。
潜水艦は隠密行動を是とするので、どこの潜水艦か調べるのは容易ではない。
同盟国の日本にも米国の潜水艦がどこを潜航しているか知らされてはいない。
本書では特定には至っていないが、可能性が高いのは米国。
ロシア、中国、韓国の可能性も捨てきれないが、もっとも可能性が高いのは米国である。
衝突した潜水艦も無傷ではいられないので、修理が必要となる。
元潜水艦隊司令官 小林正男によれば、以下の2隻は違うらしい。
2008年7月15日 横須賀に寄港した原潜プロビデンス
2008年7月 4日 横須賀に寄港した原潜ヘレナ
1970年以降の潜水艦事故は28件ある。
日昇丸事故のように後から発覚した例もあるので、明らかになっていない事故はもっと多いと思われる。
![]()
![]()
第58寿和丸はパラシュートアンカーで碇泊(パラ泊)しているときに、潜水艦に衝突された。
運輸安全委員会の大義名分は事故の教訓から再発防止に役立てることなのに、まったく役に立っていない。
なので再発防止策を考えた。
パラ拍でもエンジンは止めるな
エンジンを掛けていても
えひめ丸のような事故は起きるが、可能性は下がる。
著者は調査を継続しているが、対象の潜水艦を特定するのは無理だろう。
特定しても日昇丸やえひめ丸のように、なおざりの結末が見えている。
![]()
![]()
酢屋商店が失った漁船
第58寿和丸 2008/6/23
第11寿和丸 2011/3/11
第31寿和丸 2011/3/11
第82寿和丸 2011/3/11
今度はトリチウム水の海洋放出問題がのしかかる。
酢屋商店社長の野崎哲は語る。
「代案は出した。それでも海洋放出しかなければ、漁業者に是非を迫らないで欲しい」
重い、、政府は漁業者に理解を求めるのではなく、海洋放出しかないです。ごめんなさいと言うべきだった。
酢屋商店は漁業を継続しています。応援したいけど
特設サイトが終わっていたので、意識して福島のカツオを選びます。
