ジェンダーレスの日本史 古典で知る驚きの性 | サンディの今日もワイン

サンディの今日もワイン

サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:4.0h
一読:あり?
再読:なし
R指定:なし
著者:大塚ひかり
刊行:2022年11月
価格:900円+税
出版:中央公論新社

本本本本本本本本本本

 

ジェンダーレスな中世の背後に「中世はつらいよ」

 

1男女の境があいまいな国
2むしろ女が優位だったかもしれない太古・古代
3夫婦別姓、核家族、シングルマザーだらけの古代・中世
4性を重視すると、結婚観はゆるくなる
5GBTもすべて認識されていた前近代
6女々しい男、雄々しい女
7軽んじられた弱者の「性」と「生」
おわりに 「伝統的」のウソと、未来へのメッセージ

.........

 

日本が西洋文明を取り入れてから、性概念は今日のようになった。
それ以前の性概念は緩いと思っていたのに、それだけではないらしい。
立場が下の者や身分の低い者が犯られていたようなのだ。
LGBTの割合が今日と変わらないとすれば、好色者が当時に認識されているほど多いとは思えない。

史料から性のネタばかり引用するので、昔は相当エロかったように思えるが、それは違う
性のネタが含まれているのは、当時の社会で認知されていることを示すだけである。
御伽草子には、「おようの尼」という僧尼のセックスの話が含まれている。

100編を超える話のうち、性のネタはどれくらいあるのだろう。
半分もあれば御伽草子は違う風に認識されていただろうから、そこまで多くないはず。週刊現代のエッチな記事ぐらいの割合ではないだろうか。

中世は弱者が途方もなく生きにくいと感じた。
性概念は今日より緩くても、あの頃はよかったなんて絶対に言えない。
母系的社会は体験してみたいかも。