子どもに学ぶ言葉の認知科学 | サンディの今日もワイン

サンディの今日もワイン

サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:3.0h
一読:あり
再読:なし
R指定:なし
著者:広瀬友紀
刊行:2022年7月
価格:860円+税
出版:筑摩書房
本本本本本本本

 

言語を習得する過程を子どもから学ぶ

 

1習わないのにわかっていることば
2逆さま文字、何が逆さま?
3英語にあって日本語にないもの?
4日本語って難しいの?
5小さい「っ」の正体
6なぜ会話が通じるのか
7頭の中の辞書をひく

 

......

 

言葉にはルールがある。
子どもに珍回答がみられるのは、ルールの例外を学んでいないから。
日本語を学び始めた異邦人に珍回答がみられるのも、同じ理由である。
言語を習得する過程が分かれば、珍回答の理由も分かる。
 

子どもが「死む~」と言う訳
 読んだ→読む
 飲んだ→飲む
 死んだ→死む

~んだで終わる動詞を現在形にすると「む」で終わるというパターンに気づいたが、
読む飲むはマ行五段活用で、死ぬはナ行五段活用という例外を知らないので間違えてしまう。

語句が持つメタ情報もパターンだけでは間違えてしまう。
 うさぎ狩り→うさぎを狩る
 鹿狩り→鹿を狩る
 鷹狩り→鷹を狩る

~狩りは、狩る対象を表すというパターンに気づいたが、鷹狩りは例外というのを知らない。

子どもの認知はどう発達するのかに、興味深いテストがある。
 

 

aと似ている図形はどれかという問いで、
4歳までは優位に選ばれる図形はなく、6歳まではcが多くなり、9歳までにdが多くなる。
回転して同じdより、色の配置が同じcの方が、認知機能として先に発達するということになる。
漢字珍回答の訳もこれで分かる。

上下左右の入れ替えはありそうな間違い。
漢字もどのまとまりが部首か把握していないので、曜日のヨを別のところに書いたりする。
dを選択するようになると文章をまとまりで把握できるようになる。
予測(補完?)機能も発達し、一字一句読まなくても理解できるが、タイポグリセミアに引っ掛かるようになる。

例)ケブンッリジ大学
 

理解しやすい文章は主語関係節だが、原因は研究中である。
先行詞と関係節内の距離が近いほど理解しやすいという説は、日本語には当てはまらない。
 主語関係節: the comedian who criticized the judge. 審査員を批判したコメディアン
 目的語関係節: the comedian who the judge criticized. 審査員が批判したコメディアン
 

言い間違いにも法則がある。
子音が置き換わるパターン、タイポグリセミア的に入れ替わるパターン、他の考え事をしていた語句に置き換わるパターン、など。
著者は研究者で、新型の間違いを見つけることを楽しんでいるようだ。
楽しそうでいいのだけれど、教育に活かしてないのかなとも思う。活かしているはず。たぶん
間違いから考えるアプローチは楽しかった。