キュレーション 知と感性を揺さぶる力 | サンディの今日もワイン

サンディの今日もワイン

サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:3.5h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:長谷川祐子
刊行:2013年2月
価格:760円+税
出版:集英社新書
本本本本本本本本本

キュレーターの世界

1キュレーターとは何か
2新たな感覚のめざめ
3アーティストとキュレーター
4異文化への介入
5美術館建築とキュレーター
6アートと社会をつなぐ
7エロス、ジェンダー、セクシュアリティとキュレーション
8物議をかもした展覧会
9変容する観客
10震える境界
11グローバル時代のキュレーション
12 experience/experiment/expert/testimony
おわりに

 

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キュレーターとは何をする人か?

「芸術と観客を媒介する人」は、ほんの一部で、展覧会のプロデューサーやエディターに留まらず、美術館建築のコンセプトを組み立てることもある。

MOMA(1929年開館)あたりから出てきたので、現代アートと供に必要となってきたと言える。

セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ゴッホは、今では普通だが、
MOMAの第1回展示

当時は、前衛的とされていた。
 

その後、当時は芸術と見なされていなかった、建築、デザイン、写真、映画などを収蔵品に加え、近代芸術(現代アート)として価値づけていった。

有名な
デュシャンの泉
は、美術館に置かれることで意味を付与する行為と言える。
 

8章では、
ハンス・ハーケの見解の問題(AnsichtsSachen)展を、究極のキュレーションは、キュレーションの放棄と称している。
 

インチキくさいと思う一方で、本書に度々出てくる「文脈」が分かりかけてきた。

スターウォーズを観るとき、その世界に入らなければ、ダースベイダーは変な仮面を被ったオッサンになってしまう。
芸術も「世界」に入らなければ、デュシャンの泉はただの便器なのだ。

キュレーターとは「世界」をつくる人と理解した。

 

長谷川祐子 主な展覧会一覧