読書時間:2h
一読:あり
再読:あり(短いので)
R指定:なし
著者:時本真吾
刊行:2020年6月
価格:1200円+税
出版:岩波書店
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遠まわしな表現を言語学と脳科学で解説
言わないことが伝わる不思議
会話は助け合いである
人間は無駄が嫌い
体面が大事
うやむやにした方が得
謎はどこまで解かれたか
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「コーヒー飲む?」
「明日出張で朝が早いんだ」
飲まないとは言ってないが、コーヒーを飲まないことは分かる。
このような会話はポール・グライスの協調の原理により説明できる。
なぜ遠まわしなのか?
「飲まない」は少々キツいので、丁寧に断っているという見方もある。では、
「まったく、よくやってくれるな」
仕事でミスした部下に対して上司がこのような発言をした場合、もちろん褒めてない。
明日も共に仕事する部下を叱責して顔をつぶすのは、得策ではない。では、
遠まわしは体面を保つためかというと、それも違う。
体面を侵す危険度については、ペネロペ・ブラウン&スティーブン・レビンソンのポライトネス理論により説明できる。
体面を侵す危険度=話者の距離+話者の力関係+話の深刻さ
上司と部下という距離も力もある関係では、遠まわしな表現は体面を保つ効果があるが、距離も力も小さい関係において、何気ない会話で遠まわしな表現をすると嫌味に聞こえてしまう。
A「私、上カルビが食べたい」
B「このお店、上カルビが評判なんだって」
A:上カルビが食べたい意思を明確にしている。周りの人に勝手なやつと思われるかもしれない。
B:皆で上カルビを頼むノリを期待している。食べたい意思を隠したまま、上カルビにありつける。
これはゲーム理論的に利得が多いパターン。
遠まわしは利得を最大化するため?体面を保つため?丁寧のため?
明らかにしていないが、遠まわしな表現には、聞き手の推測が必要ということは間違いない。
ここまでは言語学だが、6章で脳科学になる。
推測には脳のどの部分を使用しているかという研究で、ミラーニューロンに再開し、新たな謎が一つ。
「社会的N400」(N400は脳波の名前)
( ゚д゚)ポカーン になるとN400が出る。
社会的N400は、他人に引きずられて出る。
例)
「少女には小さな嘴と明るい黄色のしっぽがあった」
A: ( ゚д゚)ポカーン
B: ( ゚д゚)ポカーン
Aだけ、イヤホンで次の言葉を聞いたとする
「少女はハロウィンにカナリアの仮装をした」
A: (*^^)p
B: ( ゚д゚)ポカーン
Aは理解したが、Bに引きずられて N400の信号が出る
原因は分かっていないが、人間の共感力は、思っているより高度なのかも。
6章は唐突だったが、以前に読んだ本とリンクする読書の醍醐味が味わえてよかった。
1~5章もシンプルで良い。長くても忘れちゃうし![]()



