一揆の原理 | サンディの今日もワイン

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2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:2.5h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:呉座勇一
刊行:2015年12月
価格:1000円+税
出版:ちくま学芸文庫
本本本本本本本

起請文を元に、中世から現世までの一揆を考察

はじめに
1一揆とは何か
1百姓一揆は幕藩体制がお好き?
2中世こそが一気の黄金時代
2一揆の作法
3一味同心 正義と平等
4一揆のコミュニケーション
5「一味神水」はパフォーマンス
6起請文が意味するもの
3一揆の実像
7「人のつながり」は一対一から
8縁か無縁か 中世の「契約」
終章 「一揆の時代」ふたたび

 

一揆とは「労使交渉」

呉座勇一がひとことでは言いあらわせないというのに、一揆とは労使交渉と言いきる。理由は後述。

 

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農民が竹槍持って騒ぐと思われがちだが、一揆は現世でいうとデモが近い。
武力衝突は無く、集団の圧力で要求を飲ませる平和な!?イベントだった。
要求は年貢の減額、悪役人の更迭など労使交渉そのもので、雇用者は要求を飲むか逃散を覚悟しなければならない。

江戸時代は農民一揆が一般的だったが、中世は僧侶や武士も一揆をしていた。一向一揆や国人一揆と呼ばれる一揆である。
人集めは回覧版で時と場所を指定し、一堂に会したところで一揆の日どりを決めていた。
最初から回覧版で日どりを決めればよさそうだが、一揆は「人のつながり」が重要だ。

一揆の首謀者は罰せられる。
○月×日一揆をやるから集まれ!という回覧版が来たら行くだろうか?中世では罰せられなかったようだが、それでも行くだろうか?
行ってみたら誰もいなかったとか、集まっても人が少ないとか、考え始めたら行けないだろう。
顔を突き合わせて初めて、一揆をやろう!という流れが自然だと思う。

それを、文書に認めたのが「起請文」
署名(傘連番)した紙を燃やし、その灰を水にいれて飲む「一味神水」という行為は、連帯感を高めたと思う。

起請文は署名だけでなく、みんなで助け合おうとか、不信になったら話し合おうとか、書かれている。
2人でも一揆は成立するとして、呉座勇一は同盟を一揆に含めている。
同盟文書が一揆と酷似しているし、一揆の原理を考えれば分からないでもない。

同盟したい相手に送る書には何を書く?
お互い助け合おうとか、不信になったら話し合おうとか、書くだろう。

中世は未開社会ではないと呉座勇一自身が書いている。
鎌倉時代には「雑筆要集」と呼ばれる文例集があったと、これも呉座勇一自身が書いている。

同盟文書が一揆と酷似しているのは、雑筆要集を参考にしたからではないか?
一揆と同盟の本質が似ているのは分かる。でも、

同盟を一揆を一緒にしてはいけない。

一揆は「労使交渉」