読書時間:3.0h
一読:あり
再読:判定不能
R指定:なし
著者:鎌田慧
刊行:1998年6月
価格:760円+税
出版:岩波書店
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日本一の食肉工場-東京・芝浦屠場
「職場の主人公は労働者だ」-横浜屠場
仕事師たちのゆくえ-大阪・南港市場
「自由化」という逆風のなかで-四国日ハム争議
屠場=賤業という差別感はどこからきたのだろうか?
本書にその答えは無い。
明治時代に屠場の場所についての取り決めがあった。
「離宮、御用邸または御陵墓ヨリ五町以内ノ地」には置けないというものである。
国家機関による露骨な差別だが、これに端を発しているはずがない。
お肉は美味しく食べるけど、その裏に殺生があるのも知っているけど、見て見ぬふり。
これが本音ではないかと思う。
「殺生戒」という価値観が根深く植え付けられている事実なんて、あるはずがない。明治の話も部落差別の話も知らないのだから。
以前は酷かった屠場の職場環境は、今では(1998年出版当時)改善されているようである。
内臓業者がタダ働きしていた解体作業は専任の業者が担うようになり、機械化が進んで無理な姿勢での作業は減っている。
仕事は午前中に終わるし、割のいいバイト!?と思ったら大間違い。牛の皮はギリギリに剥ぐ必要があり、傷つけると怒られてしまう。職人技なのだ。
インタビューした人たちは職人を自負していたが、仮名の人もいた。食肉工場で働いていると言う人もいた。
やはり差別感は感じているのだろう。
魚と比較する人もいたが、それも無理がある。
差別の解消に努めたいのなら昔のようにストライキすればいい。
そこまで情熱がなければ、屠場と言わず、食肉工場でいいんじゃないでしょうか。
