イノベーターたちの日本史 近代日本の創造的対応 | サンディの今日もワイン

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サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

 マルチーズだよー

読書時間:3h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:米倉誠一郎
刊行:2017年5月
価格:2000円+税
出版:東洋経済新報社
本本本本本本本本本

 

1近代の覚醒と高島秋帆
2維新官僚の創造的対応
3明治政府の創造的対応
4士族たりの創造的対応
5創造的対応としての財閥
6科学者たちの創造的対応
終 近代日本の創造的対応を振り返る

 

始まりはアヘン戦争だった。学生に戻って近代史を取り直しているような気持ちで読んでいた。なんでこんなもの読んでるんだろうと思いながら。
アヘン戦争は、隣国で起こった事に対して、なんかヤバいと気づいた人たちがいたという前フリだった。
高島秋帆ら、なんかヤバいことにヤバイと気づける人たちがいたおかげで、日本は植民地化されずに済んだ。しかし、
彼らはイノベーターというよりネゴシエーターと言ったほうが適切だろう。とにかく交渉事が巧いと感じた。

2章から財政の話がメインになる。江戸から明治になり、幕府が政府に変わっただけかと思っていたら、全然違った
明治政府はとにかく金がなく、それは、俸禄で生計を立てていた士族階級の人たちのせいだった。こいつらを始末しないと財政は立て直せないので、身分を買い取ることにした(金禄公債証書発行条例)
今で言えば早期退職で退職金割り増しみたいな感じ。
ちょっとお金をもらったとはいえ、明日から働く会社もないのは、とんでもないパラダイムシフトだっただろう。ただし武士だけだ
仕事がなくなったからバイトさせてもらおうにも、コンビニすらないという状況は、想像すると結構厳しい。起業するしかなかったのも頷ける。彼らこそイノベーターと言えるだろう。

ここまでは動乱の時代による必然とも思えたところもあり、実は少々退屈だったが、6章で日本にグーグルがあったことを知ることになる。

『研究テーマは自由です』
『物理が書か学をやっても科学が物理をやっても一向に構いません』
『研究者が何か買ってくれと申し出たときはできるだけ早く買ってやってくれ。気の乗ったときにすぐやらせることが研究能率に影響する』
『(役に立ちそうもありませんという若手研究者の言葉に)いや、君たちはそんな心配はする必要はない。面白いと思ったことをやりなさい』
『(実験機材に対して)買うなら、日本で今買える一番良いものを買いなさい。』
『しっかりやりなさい。応用はそのうちに生まれるだろう』
『あまり文献を読みあさると独創力が鈍る。何でもやってみることだ。』

ハートが震えました。
こんな台詞を言うのは、大河内正敏。こういう人の下で働きたいと思う。自己プレッシャー感、半端なさそうだけど。
女性も働きやすかったという社風は今でも続いているのでしょうか。理化学研究所さん。

 

終章では、過去に学ぶべきところはあるが、昔はよかった的な論調にならないのも良かった。他の著書も読んでみたいと思えた。

大河内さん以外のイノベーターを載せておく。
高島秋帆、大隈重信、笠井順八、三野村利左エ門、岩崎弥太郎、高峰譲吉

twitterヤバイと気づく能力は高島秋帆並みと思ったが、きづいて終わりなところがイノベーターになれない条件だな。