
読書時間:4h
一読:あり
再読:なし
R指定:なし
著者:百田尚樹
刊行:2009年7月
価格:876円+税








戦時中に何がなんても生きようとした稀有な飛行士の物語
宮部が良かった。
戦争礼賛という意見があるようだが、それは違う。
礼賛しているのは宮部であって、戦争ではない。
フィクションとはいえ戦争の記述は正しい。特攻に選ばれた人の心理も取材したようだ。おそらく名飛行士の名前も正しいだろう。よく取材したと感じられた。
宮部のカッコよさを際立たせるため軍をダメに書いているようだが、それも違う。実際にダメだったのだ。特に海軍。失敗の本質で読んだので判る。
こいつ等のせいで宮部が死ぬのかと思うと残念だった。それだけに、宮部が特攻に選ばれたときの心理が描かれていないのが残念だった。
人から話を聴く形式では仕方ないが、一人だけ特攻に志願しない(誰も志願してないが行動に表したのは宮部だけ)宮部が、何が何でも生きて帰ると言っていた宮部が、特攻に選ばれても不時着すればいいと言っていた宮部が、特攻したのは何故か?
罪悪感。
何人も何人も特攻のために教育し、戦地へ向かわせたことに罪悪感を感じていたように思う。
不時着して生き残れば特攻要員を教育することになり、死ねば解放されるという想いがあったのだろう。
敢えて心理描写を読者に考えさせた文章という見かたもできるが、またそれも違う。
最後の感動的なまとめは巧だが、粗削りな場面が多い。やたら記憶力の良い70歳越えの爺さんには違和感があるし、登場人物のイデオロギー的な発言は言わされてる感があり、イマイチ物語に入り込めなかった。
本書がデビュー作と知ったとき、何もかもが腑に落ちた。著者の言動も含めて
さて岡田君の映画をどこで観るか。地上波で放送済みだった...