一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:七河迦南(回文)










児童擁護施設を舞台に起きる小さな謎解きの短編集
暗くなりがちな舞台なのに、読了感はとてもいい。
貧困率が上がっているといわれるが、身の回りにそういう人々がいないので実感する人は少ないと思ふ。
真正面から問題提起をする小説だと引いてしまうし、いろいろ書いても覚えてられないw
読んだあとに、児童を取り巻く環境がちょっと心の片隅に引っかかる。それぐらいがいいと思う。小説だもの。
そして「海王さん」
彼がいなければこの物語は面白くなかったかもしれない。
『管轄外の仕事には口出ししないのがお役所仕事です』
この台詞だけ引用すると嫌味ぽいが、絶妙な場面で発せられるとニヤリとする。
このセンスは あの男に通じるものがあるっ!
続きの「アルバトロスは羽ばたかない」を直ぐさま予約したのは、海王さんの活躍を読みたかったからだ。
amazonのレビューを読むと7話のどんでん返しにやられた~みたいなのが多かったが、むしろ気にならなかった。
それまでの6話で謎は残っていたが、7話を読んで思い出したくらいの些事である。
むしろ残念だったのは学童の描写が足りなかったことだ。
5話の加奈子の演説は拍手ものだったが、それまでの描写からは想像がつかない。
コーイチくんのようにしっかり描写しているのならいいが、これは短編のせいもあるだろう。
解説にあるように上手すぎるプロットだったが、継続するにはキャラが立ってない。
海王さん頼みでは続くかと思いつつ「アルバトロスは羽ばたかない」を超楽しみにしている

映像化するなら海王さんは誰かというのが思いつかない。40代、ちょっとお腹が出ていて一見冴えない感じだが、語ることは真実という矛盾に等しい風貌w