読書時間:2h
一読:なし
再読:なし
R指定:高校生以下限定










食料自給率40%という問題を、深く掘り下げ、問題提起する内容を期待すると確実に失敗する。
ちょっとゲームをしよう
ルールは簡単
著者は農水省の課長。(いわゆる官僚)
巻末の参考資料は、農水省ホームページと著者の書籍が半分以上
これを踏まえて読んでいき、有意義なものを見い出したら負けじゃ

もちろん私は何も見い出せなかった

食料自給率のことを知るには十分な内容であり、目立っておかしいところがあるわけでもないが、一言で表現するなら「地に足がついてない」という印象だ。
”おわりに”から引用する。
「議論をするなかで、私自身の考え方も整理されてきたように思う。」
つまり、著者も整理がついてないことを議論しながら執筆していたのだ。
自給率の問題、輸入元の偏り、価格の問題、肥満問題、CO2削減など、問題が複雑に絡み合っているのは分かるが、いろいろ気にしすぎて何も進まないというパターンに陥っている。
それでも著者なりの考えを示して欲しかったが、課長クラスが方向性を示すと、立場が危うくなるのかもしれない

いちおう、6章「食料自給率向上のために今できること」で示しているが、自身で言っているとおり、拙いことこの上ない。
(かといって自分に何か考えがあるかといえば、何にもない
)
)締めは、国民全員がご飯を一口余計に食べれば自給率が1%上がるとか。 もはや何も言えない。
ダメ押しでもう一つ引用しよう
「日本で生産できるにもかかわらず、さまざまな理由で外国産に依存しているようなものが増えすぎているのではないだろうか」(このあとさまざまな理由には触れない)
これを読んだとき目を疑った。
自給率を上げるのが仕事なのではないのか?さまざまな理由を掘り下げずに解決に向かうはずがない。
役所は異動がつきものと書いていたから、深堀りすると立場が危うくなるのかもしれない


本書の印象はもう一つある。それは「机上で完結」だ。
引用は殆ど農水省のデータばかりであり、仕事がら得た情報を載せているだけで、足で情報を取ってないように感じた。
著者は執筆のために特別なことはしていないと思う。もちろん何もしなくても構わないが、それは薄っぺらいという印象に繋がる。
刊行にあたり、協力頂いた方(方々ではない!)へのお礼の文章が、わずか1行!もしかして仕事中に書いてたんじゃあるまいかと訝ってしまった

「自給率向上は政府だけが頑張っても実現できるものではない。生産者も消費者も含めた国民全員が参加し取り組んではじめて解決できる問題なのである。」
確かにそのとおりだが、実はこの前に
「こんなことを書くと叱られそうだが」という前置きがある。
最後の最後で、「自給率向上は、俺ら官僚が何とかする」という意識が、出てしまったようだ。。。
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田んぼを維持すると治水効果があるという(外部経済効果)
試算すると以下のようになるという。(かなり色々盛り込んでいることは書いてある)
洪水防止の評価額=3兆5千億円
土砂崩れ防止の評価額=4700億円
涵養機能の評価額=1兆5千億円
暑さ緩和効果=87億円
これなら耕筰放棄された田んぼは、人を雇ってでもを再生させる方がいいと思うが、数字自体を信用していいのか判断がつかない。
利権が絡んだ試算は信用できないが、これは絡んでないだろう。
いや絡んでる?
いや絡んでる?
考え出すとキリがないので、次期選挙は、「見える化」を目指す政党に投票することにしよう。
無いか
無いか

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