6月9日、個人的には二度目となるプリンシパルtroisへ。
公演概要などは一番最初のブログに綴ったので割愛。
公演前の私の心持としては、やはり公演期間もほぼ中盤、自分が観劇したあの初日からどれだけのメンバーが成長を遂げ、ひとつ、ふたつ、大きくなっているか。舞台の内容をどれだけ濃く、詰められているか。
次からはかなりネタバレ含みますのでご注意を。
一幕。
ポリン姫、ロザリオ、クリスティーヌと続いてラッキーガールで選出。
ロザリオ役立候補のラッキーガール衛藤さんはコントの相手役に迷うことなく深川さんを選択。コントの題目は「ステーキ屋さん」。
「私、どれくらい食べられますかねー」という衛藤さんにすかさず「お客様なら10キロ」と深川さん。「え、10キロですか!?ま、まあ…聖母がそういうなら」と頷く衛藤さん。
「お肉が品切れで、代わりに何を焼きますか?」という最後のネタでは、深川さんが「餅、芋、ビー玉…」とアドリブ投下。これ、助っ人ではなく二人の一騎討ちコントだったらおそらく機転の利いた深川さんが勝利していた気がします。やりなれたコントだからなのか、それとも二人の掛け合いのコンビネーションの良さなのか、テンポも流れもかなり良いコントでした。深川さんが衛藤さんのセリフに若干かぶせ気味に入ってきたりするところにドキドキしました。
続くクリスティーヌ立候補もラッキーガール橋本さん。意気込みで「橋本奈々未です」をまず甘噛みする。でもそのあとちょっとぷくっと膨れた顔が可愛くて困る。「ようやく女になれます」って言ってましたが、一応これまでに演じてる10役のルイーダ、エルザも女の子ですよ(笑)
「美彩先輩の旦那に…じゃないや、美彩先輩を旦那にもつ女になりたいと思います。ちゃんとした人妻になれるように」と一言。
コントの相手役をなかなか決められずに、客席を向いてしばらく迷ってました。結局「やりたいひとー?」と募集をかけたのですが下手に座る生駒さんには「いやいや指名してよ~」と言われてまた困る。しかしすぐに上手に座る若月さんが挙手して相手役決定。「よく楽屋で練習したので」と若月さん。するとおそらく橋本さんは練習でよくやっていた配役でいくつもりだったのか、「決まりました!」と勝手に進行。若月さんがえ?え?え?ってなる中、橋本さんが「さあ本日っ!!」と一言目の台詞。「あ、決まった(ここで配役理解)」と若月さん。完全な橋本さんペースかと思いきや、間違えて同じ台詞を二階繰り返してしまう橋本さんに間髪入れずに「二回言うのかしらこれ」とアドリブフォローする若月さんは流石。
斎藤さん中田さんの一騎討ち。中田さんの「ジャパネットナカダ!」のキレが良くて掴みからバッチリ。対抗する斎藤さんは松村さんのモノマネ。語尾に「さゆりん」をつけて乗り切るなかなかの荒業でしたが、途中の「まいちゃーん、まいちゃん見てくれてるかなー」のくだりは後ろの白石さんもにっこにこで手振ったりしてて良かったです。とはいえ、ジャパネットの高田社長をマネながら「あんま似てない」「噛むときは似てるね」「なんか生ドルを思い出す」などなど、合間に挟み込まれる中田さんのツッコミが秀逸でした。
白石さん齋藤さんの一騎打ち。
白石さんの高山モノマネのクオリティ凄く高い。正直声を裏返らせるだけの「変な声」をモノマネとして扱ってしまうとコント全体がグダグダしてしまう気がして好きではないのですが、白石さん凄い特徴掴んでて
驚きました。「ちょっと高いけどねー」の言い方とか、ああ高山さんなら言いそう!!って思える言い回しばかりで感心。
コントで生田さんの彼氏役を務めた大和さんはバナナマン日村さんのモノマネ。思わぬ展開だったのか「わたし、あなたと付き合ってたっけ?」という生田さんの返しに笑いました。さらに「オーナーが「太っ腹すぎるよ」という大和さんのセリフに対してさらりと「あなたのお腹もね」と付け足すのも流石。
ルイーダ立候補はかなりの激戦区。
「前回のルイーダ役はドエスをやるはずがドエムになってしまった。でもそれが意外と快感だった」と意気込みで語った桜井さん。「監督」コントの題目を引いた桜井さんは「あーごめんごめんごめん!!!」と謝り倒す。星野さんには背中をばしっと叩かれ、万理華さんには“はいはいしょーがないなぁ”って顔でマイクを首にかけてもらってました。ああキャプよ。末っ子なのかおまえは。
さて、一幕はこれくらいにして、
まずはこの日の二幕配役。
○ヌビア星○
①ポリン姫…川村真洋
②ロザリオ…衛藤美彩
③クリスティーヌ…橋本奈々未
④エルザ…斉藤優里
⑤キャサリン…若月佑美
⑥しもべ2(ベル)…白石麻衣
⑦しもべ3(マキア)…生田絵梨花
⑧しもべ5(パム)…高山一実
しもべ1(メグ)…中田花奈
しもべ4(エリザベート)…齋藤飛鳥
○海王星○
⑨ルイーダ…能條愛未
⑩エステル…生駒里奈
侍女1…西野七瀬
侍女2…中元日芽香
侍女3…星野みなみ
侍女4…大和里菜
本編でのアドリブは、特に若月さんが抜群のセンスでした。ポリン姫の長台詞と一人芝居の場面では、川村さんが途中で流れが飛んでしまったものの、「ちがいますねえ」「一回あの、奴隷になってください」とキャサリン口調でしっかりサポートして思い出させてました。その一人芝居がなんとか終わって、若月さんが一言「よくできましたが、よくわかりません」クール…!スマート!!
副総統のエルザ(斉藤さん)が喋りだすと小声で「でっぱ?出っ歯?」と繰り返す若月さん。「あああうるさ---い!」と返す斉藤さんとのやりとり最高でした。
エリザベート(齋藤)に対して「重い女!」とポリン姫が突っ込む場面では、エリザベートが「重い…?んー、最近ちょっと太ったかも」と答え「そうじゃない!」というポリンに、若月さんすかさず「ま、痩せてますしね」とにっこり。さらにパムを演じる高山さんに対しては「声つくってますしね」とにっこり。高山さんもガチガチに作りこんだ声で「作ってないわ(ハート)」と返答。
エステルはある能力を駆使してポリンらに自分のいいところを言わせます。ポリンからは「太もも」ベルからは「いつもボディタッチしてきて変態なところ」パムからは「秋田で買ってきてくれたまんじゅうまた食べたい」パムからは「しゃくれ具合」とほぼ褒められず。その後褒め言葉につまずき、エステルのお仕え(若月さんがこの役を演じています)が「ほら答えろ!まだ四つではないか!」と煽ります。エステルが喋る間もリアクションを欠かさず、キラキラーっと手を揺らしてにこにこする若月さん凄くよかったです。
ルイーダの館入口。
窓から侍女たちがぴょこぴょこ顔を出して「あはははっ」「ぶーすぶーす」と言うシーンがあるのですが、誰かが高山さんに目を合わせて「ぶーすぶーす」と言ったようで、ショックを受けた顔をする高山さんに「気にしなくていいよ」と声をかける川村さん。
正義の剣の守り神生駒さん。顔に色々落書きもしてるのですが、高山「鼻のアナがでかいね」白石「そうだね」と冷静に観察されます。生駒さんの「へ~~~んしんっ!つって変わらない~~びっくりした?びっくりしちゃった?サイヤ人にでもなると思った?」といううっとうしい絡みに高山「びっくりしてない!!!」ときっぱり。白石さんに「声戻ってる」と突っ込まれます。
そして生駒さん念願のローアングルからのパンツチェック。「ああっふぃ!」と奇声で喜び「だーからこの仕事やめらんねえ」とのたまうと、白石高山コンビに「へんたーい」「やあーだあー」「やだやだやめてー」と散々言われる。「延滞料10分一万だから!あーでも三千円くらいにしちゃおっかな」とげへげへ笑う生駒さんは凄く楽しそう(笑)
「うーらやましいだろーーう!」の観客にあてた捨て台詞に、拍手で退場。
ルイーダとの対決後。「ルイーダを倒せば自ずと見つかると…」という高山さんのセリフ。のどに負担のかかる作り切った声のせいでかすかす。「もっかい言ったほうがいいわね」と自ら仕切り直し。
物語も佳境。キャサリン役の橋本さん、早速「怒らないで聴いてねポリン」の台詞が完全に飛び、横にいた高山さんが口パクでフォロー。隣にいた衛藤さんがありがとうのジェスチャー。
儀式の説明をする橋本さんですが、ちょこちょこ甘噛み。「試されるの」がうまく言えずに何度か繰り返し、衛藤さんも「試されるのか?」と繰り返す。そして「試されるの」の声だけ無駄に素敵なママ。
その流れの一番最後にルイーダ直属の侍女(この日は若月さん)を先頭に「ポリン姫覚悟!」と入ってくるのですが、しっかり打ち合わせ済みだったのか「ポリン姫覚悟!!どーん!!さあ今週も始まりました乃木坂ってどこ!!」と物凄くいい発声。全員でしつこく「どーん」ポーズで待ち構えてました。
そのいい流れのあともわりと甘噛みで台詞を話す橋本さん。台詞の途中で「なぜみなさん笑うのですか」と観客に話しかける。衛藤さんに肩をぽんっと叩かれて「ありがとう」と橋本さん。
ネタバレ的にはこんなところです。
しかし橋本さんはなんであんなに台詞飛んだんだろう?というのが単純な疑問。声も立ち振る舞いも素敵だし、台詞が入っていないわけでもなさそうですが。プリンシパルそのものの場数の差が出てしまうのでしょうか。
ただ、沈黙してしまうのではなくて何かしらフォローを入れて変な間を開けない、という点ではきちんと笑いも生んでいたので好印象でした。
二回目のプリンシパルを見て思うこととしては、演じ切れているメンバーとそうでないメンバーの差が明らかでした。若月さん、生田さん、白石さんあたりの二幕常連メンバーが選ばれ結果を残し続けているのは、すでに10役の複数を経験していることと、ほかのキャストのセリフがきちんと入っていることが大きいと思います。
「この役だったら台詞完璧」「この役なら考えなくても等身大の自分でうまくできそう」程度の意識で参加しているメンバーがいるかどうかわかりませんが、それよりも「この役を自分だったらこう演じたい」「この役なら自分の良さも引き出せて周りとの絡みでも面白くできる」などと一歩踏み込んで演じようと考えているメンバーが圧倒的に舞台を自分のものにしています。
もちろん忙しい中で「一生懸命」稽古に励んでいることはわかります。毎日毎日試練だと思います。
でも、彼女たちはプロですから。一生懸命やることって最低限の義務だと思うので。
彼女たちは毎日ちがうキャストで、コメディという掛け合いとテンポ次第で面白くもなり、つまらなくもなるまさに「生き物」と今付き合っているわけです。
立候補する役だけにとらわれていつ限り、これ以上面白くはならないなあ、と。
台詞が飛ぶことは、あるでしょう。コメディですからそんなハプニングもフォローして笑いに変えられれば問題ありません。結果がすべてです。でも、フォローできるメンバーは限られてます。舞台そのものを、キャストそれぞれを、言葉で表情でオーラで動かせるメンバーがいないと、かなりグダります。
もちろん今日までグダグダになりすぎなかったのは、そうやってフォローできるメンバーがきちんと二幕に選出されているからです。
一幕で一期生がメンバーモノマネに頼りすぎではないか、といった内容のことを伊藤かりんちゃんが指摘していました。メンバーモノマネはほぼウケます。なぜならそれが赤坂ACTシアターにいるほぼ全観客との共通認識であるから。そりゃあウケます。それがいけないとは思えませんが、二幕にそのモノマネは引っ張れません。引っ張ったところで舞台は好転しません。
だったらいかに一幕のコントでキャラクターを立たせられるか。そっちのほうがよっぽど二幕に繋がります。
…って、まあ、こんな偉そうに評論家ぶってる私はただの素人なんですが。
二幕の脚本が面白い分、そして力のあるメンバーが激戦区で苦戦しているのを考えると、もっともっとクオリティがあがるはずなのに、とどうしても残念な気持ちになってしまうのです。
あと観客のガヤ。場面次第ではキャストの背中を押すのかもしれませんが、あくまでもこれはキャストが作らなければならないステージなので。中途半端なガヤが流れを止めたりテンポを乱すのが非常に残念です。
あああ、11日にもう一度観に行きますが。どうか私の期待をいい意味で裏切りまくってください。
頼む。