皆さん、おはようございます

ソフトブレインのシニアAです

いつもSE道場をお読み頂きありがとうございます

今日はCADシステム開発秘話(後編)です

ではどうぞ・・・
要求仕様を受け取って直ぐ、私たちは喫茶店で頭合わせをおこなった

『Jさん、8層基板だなんて、凄いですね。』
『そうですね。かなりの受注を見込んでいるからこそ、自動化なんでしょうね。』
『なるほど、では納期遅れはできないプロジェクトになったということですか
』

『シニアAさん、大丈夫ですよ、一緒に頑張りましょう
』

Jさんに励まされ、本社に戻った私たちは早速検討を始めた

率直に言ってかなり難しい仕事だと思ったが、検討を加えるうちに実現方案が整っていった

私たちが出した見積金額や要員配置、工程表などは、他社3社を退け、晴れて受注に至った

さあ、ここからが本番だ

私たちは新たな仲間を2名加え、気合を入れて設計を開始した。
1)最適な回路パターンの作成ロジックとしては、第1層(表面)を縦方向、第8層(裏面)を横方向の回路パターンで描くことにした

この考え方で部品間の回路パターンを結び、引けずに残ってしまった線を第2層(回路面)と第7層(回路面)を使って結ぶ方法だった。
部品の位置指定や線の座標は縦1024、横1024座標系に簡略化することも盛り込んだ。
2)部品の配置に関しては、最初は自動で行うため偏った隔たりが出来てしまうが、会話型アートワーク機能を使い、理想的な回路パターンを作成できるようにする

3)会話型アートワーク機能は、部品の位置を変更したとき、部品の追加・削除したとき、結線1本1本に対して移動・追加・削除したとき、結線の層を変更したとき、アナログ層に回路パターンを追加・削除したときに、自動配線をおこなうことにした

ユーザから設計の承認が下り、プログラム開発が始まった

Jさんは自動パターン作成、メンバYくんとTくんは会話型アートワーク作成、私は全体と共通ライブラリを担当と、分担して作業を進めた

開発は困難を極めた

特に自動配線ロジックで指定部品間を結ぶと、次の部品間を結ぶ際によぎる場合があり、すぐに第2層と第7層を使い、早いタイミングでルートが枯渇してしまった

当時のコンピュータでは自動でルートを探すようなロジックを組み込むには、マシンスペックが足りなかった

結局、Jさんが閃いた第2層を縦方向、第7層を横方向だけとする方法を組み込んだところ、かなり自動配線化ができた

ユーザから頂いていた試験パターンはアートワークまで行えば全て解消した

アートワークの方も苦労の連続だった

YくんもTくんも残業が増え、何日かは徹夜になった
もちろん管理者の私も一緒に徹夜した


若い人との徹夜は楽しい一面もあった

夜食の際は、仕事の手を休め、ざっくばらんに会話した

そんな日々が流れ、季節が入れ替わった半年後、大きな問題もなくなり、無事に納品することができた

会社そばの居酒屋でみんなで打ち上げをおこなった

いい酒だった

後編、終わり・・・
次回のSE道場をお楽しみに・・・
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