何を書き、何を書かないか/文学少女シリーズ | 俺とニュースとハードとソフト。

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“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)

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金曜日。何気なく寄った古本屋で、このシリーズ全八巻一纏めを買ったのが運の尽きだったと言うか。いや、読み終わってから続編(外伝とか)があることを知って、昨日また買いに行ったりしたわけだが。あって良かった……。

結局、金曜日から今日、つまり日曜日になるまで延々と読み続けてしまった。いくら文庫本でも十六冊は読み過ぎだろ俺。おかげで寝不足だ。

別に書評のつもりはないし、それほど文章について知っているわけでもないが、面白かった、と思う。
このシリーズ、完結したのは結構前だ。外伝の最終刊が刊行されたのは去年みたいだったが、本編は……何年前だろ。わからん。
アニメになったり劇場版になったりしているし、結構人気だったらしい。全く知らなかったが。

まぁ、小説にせよ漫画にせよアニメにせよ、リアルタイムで見たものなんてほとんど無い俺にすればいつものことなんけど。

 * * *

シリーズ自体は、文学作品を軸にした、ちょっと変わった物語。主に古典が多いが、それ以外にも結構出てくる。
半分くらいは超メジャー、それ以外は案外知られていなさそうなものもある。
読んだことのあるのは……、んー、半分は行ってなかったかな。昔、家にあった海外文学作品集を読んだので海外系は結構読んでいるのが多かった。

このシリーズは、文学作品と物語が密接にリンクする形で進む。モチーフではなく、文学作品が作品に登場し、紹介したり、その登場人物の心境をなぞったり、追いかけたり……、あるいはそれになぞらえた苦悩や葛藤を描く。

その中でも、宮沢賢治作品……「銀河鉄道の夜」の登場人物の心理考察なんかは、俺の解釈とはまるで正反対だった。
とは言え、当時は確か高校生くらいだったと思うし、今読めば違う感想なのかもしれない。イーハトーヴに憧れて妙なファンタジー世界を作っていたのも懐かしい思い出か。
……まぁ、若干バイストン・ウェルも混じってたがw

 * * *

元ネタ(文学作品)の都合上結構突拍子も無い出来事があったりするんだが、全八巻を読み終わったときに感じたのは、「物足りなさ」だった。

特にラストが、俺的にはどうにも納得できなかった。なぜそこだけそうなんだ、と言いたくなった。
外伝系を読んで少し納得はしたが、面白い書き方だな、と思った。

読者が読みたいものを読ませず、だが知りたいことを知らせる。そんな風に、俺には感じた。
それを感じた時、ふととある女性に言われたことを思い出した。彼女は別に作家でも何でも無かったんだが、ネット上でにたようなことをしていた。

タイトルはそれ。
小説にとって一番難しいのは、「何を書き、何を書かないか」の取捨選択だ、と。
キャラクターの行動を追い描写するだけなら、割合簡単にできる。そしてそういうのはとても楽しいけど、それは書き手のオ○ニーでしかない、なんて女の口でほざいていた。
赤面するなら言わなきゃいいだろーにと思ったが、まぁ、言わんとしていることはわかった。
まぁ、後になってその台詞が某小説家のあとがきの引用だと知った時には苦笑したけどな。

まったくw

 * * *

関係ないが、読み進めていくうちに、作者の「刊行順に読んでください!」と言うお願いを目にした。

……いや、もうほとんど読んじゃった後だったんだけど。
俺の読んだ順は本編→挿話集→外伝だったが、とりあえず外伝四巻の前は挿話集の四巻だったことくらいしかわからんかった。まぁ、確かに挿話集四巻はわからんキャラも多かったし、首を捻ってしまったりもしたわけだが。

というか、もし順に読めっつーなら頼むから番号くらい振ってくれ。俺みたいに刊行後数年たってから一気読みしようとする奴だって居るんだから。
タイトルだけで慣行順なんかわかるわけないっつーの……。

 * * *

ああそうだ、アニメにもなってるんだったな。
レンタルとかされてるんだろうか。見てみても良いかもしれない。