サンダリーノとなかまたち | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
ひょんなことから友人のお子さんやお孫さんが参加していたコーラスのコンサート及びミュージカルを観に出かけて来た。
 
日本からもコーラスが来て、一緒に歌う、とだけ聞いていたが、実際は新宮氏のアトリエがある兵庫県三田(さんだ)市にある三田少年少女合唱団とミラノの子どもたちとコラボレーションで歌が披露され、時空を超える交流を描いたミュージカル「サンダリーノとなかまたち」もダイナミックに上演される!というものであった。
 
今年は、日伊国交160周年、大阪とミラノは姉妹都市なのだそうだが、樹立45周年という記念すべき年であり、実はミラノやパリに「Shingu Fun Club」がある、というくらい有名な大阪出身のアーチストである新宮晋氏の大規模個展が6月17日より開催されている(10月14日まで)。
 

現在89歳の新宮氏。1960年代から風や水で動く彫刻を多々創作していることから、「造形作家」「風の彫刻家」と紹介されることも多いが、絵本や舞台作品なども手掛けられている。

 

私は、関西国際空港は利用したことがないが、第1ターミナル4階国際線フロアの天井に設置されているオブジェが、新宮氏の作品「はてしない空」(1994年)なのだそうだ。

 

造形作家 | すごいすと

 

ところで、ファッブリカ・デル・ヴァポーレとは、ミラノの中華街近くにある、かつての路面電車修理工場を改装した大規模な多目的文化・芸術センターである。

 

敷地内に入ると、大きな中庭に、黄色のオブジェが数多く並んでいたが、メインホールに入ると、更に多くの、風や水、重力といった自然のエネルギーで動く彫刻が展示されており、光、建築、そして動きが作品と相互作用する空間にいきなりワクワク感を感じた。

 

 

「コスモ」展は、人類と環境の関係、そして地球の脆弱性について考察を促しているのだと言う。これは、文化的にも象徴的にも非常に価値のあるメッセージであろう。

 

 

 

 

 

 

大阪生まれの新宮氏は、1970年の大阪万博への出展や大阪市北区の建築物、大阪・関西万博でのイベントなど、大阪と深い関わりを持っておられ、2025年大阪・関西万博のイタリア館講堂においては、自身が生み出した宇宙人キャラクター「サンダリーノ」にまつわるミュージカルトークイベントが開催された。

 

話はもどるが、1960年には、イタリア政府の奨学金を得てイタリア留学をされており、6年間の滞在中、風で動く作品を作り始められた。 以来、自然エネルギーで動く作品を世界各地に発信し続けておられる。

 

イタリアとの繋がりは深く、ジェノヴァ港の「コロンブスの風」、トリノのリンゴットにある「雨の場所」、レッコの「雲との対話」など、イタリア国内で重要な公共作品を制作してこられた。これらの作品は、風景や自然の要素と絶えず向き合う探求心、そして巨匠レンゾ・ピアノとの長年に渡る友情と専門的なコラボレーションを物語っておられる。

 

現在は、兵庫県の三田市在住ということで、新宮氏が生み出されたキャラクター「サンダリーノ」は、サンダルが好きな宇宙人。昨年の大阪万博でのイタリア館との関係もあり、今回のイベントには、大阪・横山市長を始め、お偉いさんがぞろぞろと来場されていた。

 

 

三田少年少女合唱団の皆さん。実際は70名参加されているのだと言う。皆透き通るような綺麗な声であった。

 

 

私の前に座っていた、イタリア人の若い男女は、新宮氏のファンなのだろうか?彼が登場された途端、非常に興奮状態であった。

 

 

合唱のあとには、ミュージカル「サンダリーノとなかまたち」が披露された。サンダリーノが地球に到着するシーンは、子供の様に興奮してしまった!笑

 

 

 

 
あとから、新宮氏のサイトを読み、長年連れ添われた奥様が先月9月6日に急性心不全にて逝去されたと知った。まだ一カ月しかたっていないではないか!新宮氏の国内外での数々のプロジェクトや展覧会、絵本制作などの活動を長年にわたり二人三脚で支え続けてこられたと言う。
 
感謝の集いも、これから帰国され今月末に行われるようだ。新宮氏は「残された私は、保子(奥様)が強く望んでいた二人の夢と希望のプロジェクトを全うするのが勤めだと思っております」とコメントを残され、今後も創作活動を続けていく決意を表明されておられる。
 

♪10万光年彼方から 時空を越えて飛んできた…(そこしか覚えていない。笑)

…

サンサン、サンダリーノ、サンダリーノ…

 

優しさと楽しさを醸し出すフレーズがいつまでも脳裏でリフレインされるのであった。