「万引き家族」「モンスター」などでカンヌ映画祭で常連の是枝監督。今年カンヌ映画祭でノミネートされていた映画「箱の中の羊」を観て来た。
ところで、劇場は、原語で上映する映画館として有名なのだそうだが(知らなかった) 行ってみると教会の一部の映画館ではないか!大型商業施設の中や大通りに面した人が賑わう映画館のエントランスとは全く違った場末の、マニアック系が集まるようなスポットか?
行く前にザクっと動画をみて行ったけど、2年前に息子を亡くした夫婦が、亡き息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れて共同生活を送ると言った内容。
目に見える外側(ロボットという現実)と、心の中で想像し信じようとする中身との間で揺らぐ、人間の「想像力」や「家族の絆」を問いかける作品だった。
気になる映画「オデユッセイア」の広告。
なんと!始まって数分後、案の定、寝落ちしてしまった!暑くて蒸し蒸ししており汗が止まらず、フカっとした椅子に座り涼んだ途端、眠気がドスン!と来てしまった! 毎回ウトウトしまうので、いつも映画は2回は観ないと話が繋がらない。苦笑 そして真っ暗な中でも、セリフなどメモを取るのが癖だけど、今日は手帳を忘れてしまった!嗚呼...私とした事が。
まだ、初日でこれから観に行くという友人が多いので、あまり書くとネタバレになってしまうが…。
喪失感とどう向き合うか?
先が見えない、家族の絆を育むなんてそんな単純な話ではない。
様々な海外紙には酷評されいたようだが、やはりリアリティがない、ということでそれを言ってしまうと突っ込みどころ満載だったかもしれない。
しかし、個人的には母親役の綾瀬はるかは、以前ドラマ「義母と娘のブルース」で元キャリアウーマンの母親役を演じたが、その比較やら、父親役の大悟は、お笑い芸人でありながら想像と期待以上に素晴らしかったのだが、彼がお笑いであろうが何であろうが、そういったフィルターがない人から見たら、どうってことなかったかもしれない。
一緒にいった友人と共通のファンである、寛一郎や中島歩氏が出てきて、真っ暗な中顔を合わせて、スクリーンを指差してみたりした。また、子役の哲太君もちょっと注目している子の一人。
ところで、サンテグジュペリの『星の王子さま』に登場する「箱の中の羊」のエピソードでは、飛行士が何度も羊の絵を描き直した挙句、うんざりして穴の開いた箱を描き「君の欲しい羊はこの箱の中にいる」と告げると、王子さまが「ああ、僕が欲しかったのは、まさにこんな羊だよ」という場面があるのだが、映画では、駆の一言にはっとさせられた。
実物の羊を描くのではなく、「箱の中にいる」と想像させることで、形や目に見える姿にとらわれず、相手の心や想像力で真実を感じ取る大切さ。つまり大切なものは目に見えないのだ。
映画が終わって、外にでると、既に次の別の映画を待っている人たちが沢山いた。すると一人のイタリア人女性が私たちを追いかけて来て「日本人ですか? イタリア語わかりますか?」と聞かれた。
ジャーナリストのようであった。「今日の映画はイタリアでは初日でしたが、日本人としてどう思われましたか?」という事であった。連れの友人は、はっきりと「好きではなかった」と言った。えっそうなの?
私は「モンスター」ほどの強烈さは残らなかったが、良かったと思う。」というと、ビデオを撮っても良いか?と聞かれたが、思うことは山ほどあったが、日本語でさえ、なかなかまとまらないので、イタリア語では無理、といって断ってしまった。
ここ数日、Netflixで「ラブ上等」を見ているが、これまたやらせだ、なんだかんだと賛否両論なのだが、親や人の愛を知らずに悪さばかりしてきた若者が、徐々に仲間や個人を対象に心を許し、距離が縮まって行く状況なども重なり、見えなくても、互いに尊重することで成り立っていき、それこそが「大切なもの」になって行く内容に通じるものがあり、幸せになって欲しいなあ、と思ったのであったが、もう少し余韻に浸りながら、あれやこれやと考えてみたい。


