”ミラノ中央駅 ビナリオ21番線” | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今日1月27日はショアー (ホロコースト・ユダヤ人大虐殺)の記念日である。しかも、アウシュビッツ強制収容所の解放から80年周年にあたる年である。

 

年末ミラノに遊びにきていた友人が、中央駅近くのホテルに滞在しており、話の流れから中央駅の21番線の話が出た。


そこから1943年から45年までの間、23回ユダヤ人がアウシュビッツか、オーストリアのマータウゼン・グルセン強制収容所やドイツのフォソリやベルゲン・ベルゼンに移送され、虐殺されたのであった。

 

大晦日の夜、彼らと食事をし、中央駅近くのホテルへ送って行く際、このあたりが21番線になり、博物館があることを話したが、何せ大晦日。元旦を挟み彼らは2日出発だったので、流石に博物館には行けなかったが、次回は是非見てみたいと言っていた。

 

そして、ミラノに住んでいる人にも見てほしい。そして感じて欲しい。

 

先週、シッター先の子供達を音楽教室へ連れて行くと、そこで一緒に入ってきた小学生たちが”Shalom”を歌っていた。シャロームとはヘブライ語で「平和」と言う意味があり、「あなた方に平和があるように」と言う意味合いで、ユダヤ人らは挨拶をする。そしてイスラエル民謡として歌われる曲のタイトルでもある。

 

私小学生の頃、小学5ー6年の時の担任の先生が、世界の民謡を教えてくれ、朝の学活などによく歌った。卒業式の朝、最後のお別れの際、この歌をクラスみんなで歌いボロボロになって泣いたことをよく覚えている。

 

♬どこかでまたいつか会えるさ

また会おう また会おう

どこかで...

 

 

しかし、本当の意味、曲の背景を知らずに泣いていたんだな。

 

ところで、イタリアではこの時期、学校では必ず「ショアー」について勉強する。だから上記男児も「シャローム」を歌っていたのだろう。

 

ミラノの街を歩いていると、当時アウシュビッツに連れて行かれ、亡くなられた方の家の前には、ストルパーシュタイン(躓きの石)と言う金色の石が埋め込められている。今でもその石をあちこちで見かけるたびに、その人はどういう一生を送られたのだろうと想像してしまう。

 

image

 

それにしても、毎回、思う。なぜ人類は歴史から学ばない、いや学べないのだろう。「戦争」や「人の命を奪う」ことが良いことであるはずがないのに!

 

ただ、わかるのは、 「歴史から学ぶことができるただ一つのことは、人間は歴史から何も学ばないということだ」byヘーゲル(ドイツの哲学者)

 

このショアーを「忘却の暴力」に終わらせないように。


Ribadiamo oggi con forza che ai semi dell'antisemitismo non si deve mai più consentire di mettere radice nel cuore dell’uomo. Ricordando le sofferenze e le lacrime delle vittime della Shoah ripetiamo: mai più! By Papa Francesco

私たちは今日、反ユダヤ主義の芽が再び人の心に根を張ることを決して許されてはならないことを強く繰り返し主張しましょう。そして、ショアの犠牲者の苦しみと涙を思い出しながら、私たちは言い続けましょう。「二度と繰り返さないように!」


 

今日の一句

歴史から 何も学ばぬ 愚か者